表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんでも屋  作者: 奈月ねこ
23/26

案件 ぎっくり腰

 トゥルルル


「はい、河田です」

『あの、同じマンションの藤崎と申します。503号室です』

「はい、何かご依頼ですか?」

『実は、ぎっくり腰になってしまって……掃除とか身の回りのことをしてほしいんです』

「あの、失礼ですが、ご家族は?」

『男の一人暮らしでして……』

「わかりました。近いですし、とりあえず伺います」

『お願いします』


 ぎっくり腰か。俺はなったことはないが、会社の先輩がなって会社を休んでいたな。そんなに辛いものなのだろうか。

 503号室。ここか。


 ピンポーン


「はい」

「河田です」


 ガチャ


「どうぞ」

「失礼します」


 藤崎さんはパジャマ姿だった。それに腰に白いものを巻いている。


「ああ、これですか?コルセットですよ」

「あ、そうなんですか。具合はいかがですか」

「いや、一昨日なってね、寝たきりなんだよ。ろくに物も食べてないし……」


 え、料理か?あまり得意ではないのだが……。


「あと、掃除をしてほしいんですよね。ホコリがたまっちゃって」


 いや、このホコリは昨日今日のものじゃないぞ。ずっと掃除してなかったんだな。


「あの、料理は得意ではないのですが……。掃除くらいはできますが、どうしますか?」

「パンとか買ってきてもらえますか?あと、掃除もお願いします」

「わかりました。そういうことでしたら引き受けます」


 とりあえず、すぐに食べられるものを買ってきて、掃除をすればいいんだな。


「では、まず買い出しに行ってきます。掃除道具はありますか?」

「ああ、はい。一通りは」

「わかりました」


 すぐに食べられるものか。卵料理くらいはできるからな。パンと卵とハムと……パンと……思い浮かばない。後は米と納豆と……うーんとりあえずはこれだけ買って、また買い足せばいいか。


「藤崎さん、買い物に行ってきましたよ。とりあえず、卵料理を作りますね。それとパンでいいですか?」

「ああ、助かるよ」


 俺が食事の仕度をすると、藤崎さんはなんとかベッドから起き上がってきた。腰が曲がってる。辛そうだな。


「ああ、温かい食事はひさしぶりだよ」

「いえ、たいしたもの作れなくて……」

「充分だよ」


 次は掃除か。少し片付けが必要だな。


「藤崎さん、本を本棚に並べていいですか?」

「ああ、頼むよ」

「藤崎さんは寝てていいですよ」

「そうさせてもらうよ」


 本を片付ければ、掃除機をかけられそうだな。それにしても本が多いな。意外と力仕事だな。


 はあ、疲れた。本を片付けるだけで一時間弱か。後は掃除機だな。


「藤崎さん、掃除機かけますよ」

「ああ、はい」


 ん?掃除機の中のごみが一杯じゃないか!


「……藤崎さん、ごみ袋ありますか?」

「あ、ああ、そこの引き出しに」


 相当掃除してなかったな。とりあえずごみを出して……。


 ウィーン


「とりあえず、こんな感じでいかがでしょう」

「助かったよ。明後日またお願いできるかな?」

「ああ、買い出しですね。いいですよ」


 こうして二週間弱、藤崎さんの家に通うことになった。その度に少しずつ片付けて、随分部屋が綺麗になった。藤崎さんも会社に行けるようになったし、うん、満足だ。こうして成果が目に見えるのは気持ちいいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ