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なんでも屋  作者: 奈月ねこ
22/26

案件 紅葉②

 バスツアーの朝。


 あまり気が進まないなあ。しかし、引き受けてしまったからなあ。

 俺は待ち合わせの新宿へ行った。朝の七時に集合とは……早すぎな気がするが、仕方がない。


「あ、木村さん。おはようございます」

「河田さん、おはようございます。私のことは『茜』って呼んでください。それと、敬語もやめましょう」


 ああ、友達って設定だったな。


「じゃあいきましょ。河田くん」


 河田くん!?いや、落ち着け、俺。友達のつもりなんだ。


 早速俺達たバスに乗り込んだ。結構ツアーって人が集まるんだな。バスはほぼ満席だ。行き先は日光。まあ早めの紅葉は見られるだろう。

 ほどなくバスは出発した。


「河田くん、日光は初めてじゃないよね」

「ああ、小学校の修学旅行以来かな」

「それなら楽しみね」

「茜さんは……」

「しっ、ちゃん付けにして」


 はあ、前途多難だな。こんな会話が一日中続くのか。


「茜ちゃんはいつ以来?」

「高校の卒業旅行以来かな」

「へえ、そう」

「……」

「……」


 まずい。会話が続かない。何か会話!


「どうして急に紅葉を見ようなんて言ったの?」

「だって彼が……紅葉なんて面倒くさいって……」


 うっ、まずい方向へ。


「ひ、昼メシは何かなあ」

「山菜ご飯みたいよ」

「それは楽しみだね」


 そこからはガイドさんの独壇場になった。さすがプロ。人を飽きさせないしゃべりだ。

 そして、日光への途中。まずは、野菜の詰め放題だとか。紅葉に関係ないよな。


「河田くん!こんなに野菜が入ったわ!」

「本当だ。凄いね」


 木村さんのビニール袋はパンパンだ。でも、朝よりも楽しそうだ。せっかくだ。俺も野菜をパンパンに詰めた。


「河田くんも凄い」


 木村さんは笑いながら見ていた。


「せっかくだからな。たくさん詰めてみた」

「あははは!河田くん、面白い」


 木村さんの笑った顔を初めて見たな。良かった。


 そして、目的地の日光に到着。早速紅葉を見にぞろぞろと移動する。やっぱり東京と違って少し寒いな。


 歩いているだけでも、あちこちが色づいていて綺麗だ。ようやく紅葉を見る目的の場所に着いた。そこには真っ赤に色づいた紅葉が、「見てよ」と言っているようだった。


「綺麗……」


 木村さんの口から言葉が漏れた。


「……そうだね」


 それからお昼に山菜ご飯を食べて帰った。


 新宿へ到着して、仕事は完了だ。


「河田さん、今日はありがとうございました。紅葉も見られて、とても楽しかったです」

「それなら俺の方こそ、紅葉を見られて、清々しい気持ちになったよ」


 そこで木村さんと別れて家に帰った。

 森林浴っていうのかな。たまには自然の中に行くのもいいな。今回の依頼は少し得したかもしれないなあ。

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