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なんでも屋  作者: 奈月ねこ
18/26

案件 捜索①

ピンポーン


「はい」

「あの、急ぎで……!」

「はい?とりあえず、中へどうぞ」


 二十代後半だろうか。息を切らした女性は、おずおずと家の中へ入ってきた。

 俺はお茶を出しながら聞いた。


「今日はどのようなご依頼でしょうか」

「あの、猫を探してもらいたいんです!」

「猫……ですか?」

「はい、昨日の夜、私が家に帰って扉を開けたら、扉の隙間から外へ出て行ってしまったんです。追いかけたんですが、見失ってしまって……」


 その女性は今にも泣きそうに訴えてきた。


「お願いです!あの子は外に出たことがないんです!きっと今頃怖がっていると思います!」


 猫か……結構厄介だな。一時間単価で報酬をもらってるしな……。


「あの、探すことは可能かと思います。でも、失礼ですが、お金の件なのですが、一時間五千円となってまして、見つからなかった場合でもお支払い頂くことになります。それでもよろしければ、探させて頂きますが……」

「お金のことは構いません!見つけてください!」


 あー……。やっぱり厄介かも。


「見つからない場合はどうします?」

「お願いします!見つけて……ください……」


 とうとう女性は泣き出してしまった。仕方がない。


「わかりました。猫を捕まえる網と、誘き寄せるエサも実費で頂きますがよろしいですか?」

「はい!あ、ごはんは家にありますので持ってきます」

「わかりました。網を買ったら、お宅へ伺ってもよろしいですか?猫の写真や、家の周りを見せて頂きたいのですが」

「はい。じゃあ住所を……。あ、私、山岸と申します」

「わかりました。では、まずはご自宅でお待ちください」

「……わかりました」


 とりあえず俺は、山岸さんを帰らせ、網を買いにホームセンターへ行った。そのまま山岸さん宅へと向かう。


 ピンポーン


「はい!」


 ガチャ


「河田です。網を買ってきました。後は猫の特徴や名前、好きなもの、行きそうなところなどを教えてもらえますか?」

「はい!とりあえず、中へどうぞ」

「ありがとうございます」

「これが猫の写真です」


 中々堂々たる猫だな。写真の中の猫は、ふんぞり返っているように見えた。


「三毛猫なんですね」

「はい、家から出たことがないので、どこへ行くかも見当がつきません」

「……そうですか。じゃあ家の周りから探しましょうか。ところで、警察へは届けましたか?」

「警察?」

「ええ、遺失物ということで届けておけば、見つかった時に知らせてくれますよ」

「わかりました。行ってきます!」

「それでは、早速、探させて頂きますね」

「お願いします!」


 またもや山岸さんは泣きそうになりながら、俺に訴えてきた。これはなんとしても捕まえなければ、報酬は払ってもらえないかもしれない……。とにかく猫の行きそうな所を探してみるか。



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