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なんでも屋  作者: 奈月ねこ
13/26

案件 騒音①

 トゥルルルル


「はい、『便利屋KAWATA』です」

『あの、向かいのマンションの者ですが、チラシを見たんですが、なんでもやっていただけるのですか?』

「内容にもよりますが、犯罪等への加担などはお断りしております」

『いえ、そんなんじゃなくて、カーペットの敷いてもらいたいのですが……』

「ああ、はい。そういうことでしたら大丈夫です。向かいのマンションでしたら、一度部屋を見せていただけますか?」

『……そうですね。502号室の楠川です』

「わかりました。今お伺いしますね」

『お願いします』


 カーペットを敷くのか。向かいのマンションは新しく建って、広めのマンションだ。もしかしたら大きな部屋だと一人では難しいかもな。この際バイトを募集するか……。

 とりあえず俺は、言われた通りの部屋を訪ねた。


 ピンポーン


『はい』

「便利屋の河田です」

『あ、今開けます』


 ガチャ


「初めまして、河田と申します」

「あ、はい。楠川です。どうぞ中へ」


「きゃあ、あはははは!」


 ドタドタドタ


 ん?子供がいるのか。

 俺が部屋に上がるのと同時にインターフォンが鳴った。


 ピンポーン


「はい」

『うるさいと言ってるだろうが!!』


 ドン!


 俺にもわかるくらいの声と同時に、扉を叩く音がした。


「す、すみません。気を付けますので……」

『これ以上うるさいと警察に通報するぞ!』

「そんな……。これから対処しますから」

『ふん、一週間だけ待ってやる。それでも改善されなければ警察に言うぞ!」

「ちょ、ちょっと待ってください!」


 声の主は言いたいことを言って、帰って行ったようだ。


「あの、もしかして、カーペットを敷くというのは、このためですか?」

「そうなんです。子供が走り回って、下の階の方がうるさいと苦情を言ってきているんです。引っ越してきたばかりですし、近所の方とのトラブルは避けたいので……」

「わかりました。カーペットを敷く部屋と、カーペットを見せてもらえますか?」

「あの、それが……まだカーペットを買ってないんです」

「えっ?ではどうするおつもりですか?」

「あの!相談に乗ってください!どんなものならいいですか?部屋はこちらです」


 楠川さんは部屋に案内してくれながら、話し始めた。


「夫が忙しくて、相談に乗ってもらえないんです。あ、この部屋です。リビングで子供が遊んでいるので、ここに敷く何かがあればと思って」


 うーん、結構広い部屋だな。十二畳はあるか。子供も走るわけだ。


「わかりました。以前友人が『ジョイントマット』というのを使っていて、クッション性もあって、汚れたらその部分だけ貼り直しができるのですが、いかがでしょう?」

「どんなものですか?よくわからないのですが……」

「そうですね。パソコンはありますか?」

「ええ、私、在宅ワークしてるので、そこにあります」

「インターネットへの接続は可能ですか?」

「はい、できますけど……」

「では、探して希望のものを購入してください。それを私が張りますから」

「えっ、どれがいいのかわかりません!相談に乗ってください!」


 マット探しからか……。一週間で終わるかな。



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