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ガルディナ王国興国記  作者: 桜木 海斗(桜朔)
第一章 新生ドラグニルと運命の出会い
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異世界交流の始まり

ようやく独り言回が終わりそう

宵闇の中、目の前には、ズラッと並んで平伏する人々。


「どうしてこうなった………」


ここはとある名も無い村、人口は恐らく50人ほど。のどかな風景には心休まるものを感じる、が。


「………顔を上げてくれないか?」


「「「「ははー!」」」」


ははー、とか返事した癖により深く頭を下げる人々。もう一度問う、どうしてこうなった?











時は30分ほど前に遡る。


日が完全に暮れ、食糧も結局手に入らず、ただ只管に宛もなく彷徨う。


「いくらチートでも飲まず食わずは………死ぬよな、流石に」


恐らくこの空腹感は、竜化発動によるものだ。何のデメリットもないかと思っていたのだが、そうでもなかったらしい。知識の中にもそんな情報はなかったが、これまで大した空腹感などなかったのに、今になって突然のこれだ。関連付けない方が無理がある。


「………雑草って、毒はないよな?」


足元に揺れる、背丈10cm程の草を眺めて呟く。異世界最初の食事が雑草? 笑えない。


「しかし背に腹は……ん?」


末期的なことを真面目に考え始めた時、人より遥かに優れた聴覚が僅かな音を拾う。声、人の声らしき音だ。


「人………集落………飯!!」


もはや言葉はいらない。走る、ひた走る。なぜ走るのか、そこに飯があるからだ(錯乱)。


すでに人の目には捉え切れぬ速さとなったゲオルグの視界の先に、幾つかの家屋と簡素な柵が映った。間違いない、人の生活圏だ。


「まずは飯………代金はどうする?………金目の物なんてないが………いや」


そこで思い至るのはこの鎧だった。


この鎧は、竜の鱗が変質したものであり、高い再生力を誇るこの身なら、脱いでから一度竜化すれば再び再生する、そしてまた人化することであら不思議、再び同じ鎧の出来上がり。まあ鎧と言わず服にもなるようだが。


「………十分金目の物か」


ともすれば、一国の王でさえ垂涎の代物。迂闊にほいほいと上げるような物ではないことは確かだが、食事という生命維持活動に必須な行為を成し遂げる為ならば、厭うべきではない。


「何はともあれ、まずは交渉してからだけどな」


そしてゲオルグは、いよいよ人里に辿り着くのだった。















「………そりゃ明かりが火しかなければ、普通夜は寝るよな」


辿り着いた村らしき場所、今やその多くの家屋は寝静まり、辺りには静寂が立ち込めている。だが、先ほどは確かに人の声がした。どこかに必ず、まだ起きている人物がいる筈だ。


「誰か居ませんか~………」


小さな声で呟く、流石に大声で叫ぶのは忍びない。自分でも、就寝中にどこの誰とも知れぬ輩に起こされたら不機嫌になるのは間違いない。


ゲオルグは致し方なく、その場に立ち止り耳を澄ませる。


「………から……く……」


「いや………せば……バレ………」


聞こえてくる声。それは、村を少し出たあたりから響いているようだった。


<こんな時間にそんな場所で何を?>


ゲオルグは僅かな疑念を抱くが、それを振り切るようにそちらに向かう。あまり良い予感がしないのだが。


「………そろそろいいだろう」


「ああ、村ん中はもう皆寝てるようだしな」


「よし、いいか。男は出来るだけ早く殺せ、年寄りは後回しだ、女子供を捕まえるのが最優先だからな」


「いつも通り、生娘以外は好きにしていいんだろ?」


「ああ、どうせ大した価値にならねえしな。なんなら今回は持ち帰るか」


「いいねえ、流石頭領、話が分かる」


「はッ、おだてんな。それより、おい、行くぞ」


「「「応」」」



村のやや外れ、草むらに潜むようにしている10人弱の気配と声。姿こそまだ確認してないが、まあ。


「盗賊かなんかだろうなあ」


はあ、と、深い溜め息をつく。まさかの異世界初交流が盗賊、しかも多分血生臭い交流になるだろうと思うと、いささか気が滅入る。だが、これで案外簡単に食糧を手に入れられるかもしれない。


村を襲おうといていた盗賊を撃退したとなれば、悪いようにはされないだろう。そんな打算的な事を考えていたら、人の動く気配が濃厚になる。盗賊が動き出したか。


「ま、軽く捻るか」


歩きながら腕を軽く振り、肩を慣らす。殺しはしない、ように心掛けるが、さて、どこまで手加減すれば死なないのか。多分、軽く殴ったつもりでも死にかねない。


「面倒だなあ」


そうボヤキながらも、歩みを止めるつもりもない。こちとら、食事が出来るか出来ないかの瀬戸際である。見ず知らずの「人間」の生死など知ることか。


再び、軽く溜め息をつきつつ、村の入り口にまでたどり着く。


月光に煌めく鎧を纏い佇むその姿は、美しくも刺々しい、神々しさと禍々しさを併せ持った幻想的なものであった。

ん~・・・上手いこと話を切れない文才の無さが際立つな(泣)

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[気になる点] 人間の生死は厭わないって言ってんのに人間助けようとしてんのなに?
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