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ガルディナ王国興国記  作者: 桜木 海斗(桜朔)
第一章 新生ドラグニルと運命の出会い
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決意と旅立ち

大体前話程度の長さで不定期更新予定です

実は、PC故障につきPS4から投稿してたりします


最近のゲーム機は万能だね、うん

再び目を醒ました時、辺りは暗くなっていた。


妙に冴え渡る頭、この状況を眠っている内に勝手に整理し、無理矢理受け入れさせられたのだろうと思う。


「は……ははは………」


乾いた笑いが空しく響く。


もう、どうしようもないのだ。

どれだけ拒絶しても、その度にこうして強制的に休眠させられ、記憶と感情を制御される。そんな非現実なことさえも、受け入れている、受け入れさせられている。


「そうかいそうかい……成る程。そっちがその気なら、こちとら精々この人生、謳歌してやんよ!!」


一体何に、誰に叫んでいるのかは本人にも分からないが、こうでもしないとやってられなかった。


「そうと決まれば話は早い。まずは……名前の設定か………」


いよいよ開き直り、繁久はまず気になった点から解決することにした

先程ステータスを見た時、「未設定」となっていた名前だ。


「未設定とか、ゲームかっつうの。でもまあ、確かにこの世界で日本語の名前は浮くか…」


よくある転生もの小説には、都合よく和名の国や大陸があったと思うが、与えられた知識の中にはそのようなものはなかった。


「西洋風の名前の方がいいか……」


とは言え、純度100%の日本人だった自分に、咄嗟に西洋風な名前が思い浮かぶ訳もなく。


「一番ポピュラーな名前……ジャン、アレックス、マイケル………マイケルはねえな」


某芸人が思い浮かんだ。


「流用でいいか……それでいて個性的な……」


思い出すのは、2、3年前にやったRPG。

ファンタジーに歴史物を混ぜたような、ストーリー性を重視した作品で、メジャーでこそなかったものの、一部では好評を博した、ここ最近で一番ハマったゲームだ。


「主人公はゲオルグ・リーフェンシュタールだったな、でもこのままじゃ捻りも何もないし……」


暗がりの中座り込み、ウンウンと唸りながら頭を抱えるその姿は、日本なら通報ものである。


「敵のラスボスなんだっけか?……ああそうだ、アイザック・スタンフォード。よし、決まった」


そこで立ち上がり、青年は叫ぶ。


「俺の名前はゲオルグ・スタンフォードだ」


意を決したように、はっきりと口にする。

安易なネーミングだが、己のネーミングセンスに任せるよりマシであると判断した結果だ。


改めてステータスを見てみると、未設定となっていた名前の部分が、確かに変わっていた。


こうして、後の世に残されることとなる名が、安易に決められたのだった。










「さて、とりあえずは人里と食料を探さなきゃ、だよな」


不思議とまだ空腹感はないが、それも今だけのことだろう。

この世界には魔物や普通の動物もいるし、それらは一般的な食料として重宝される。


魔物というと、RPGでいうゴブリンやオークといったものが思い浮かぶが、この世界の魔物の定義は、魔力をもつ人間以外の生物、のことを言うらしく、見た目には普通の獣のようにしか見えないものもいれば、それこそゴブリン、オークといった定番もいる(後者は食料とはなり得ないが)。


また、一見しただけでは普通の獣にか思えない魔物でも、生命力や強さは大きくことなり、中には魔法を使うものや、炎などを身に纏うものもいるそうだ。


「ま、間違いなく敵にはなり得ないだろうけどな」


生物の領域を激しく逸脱したゲオルグに、傷を負わせるどころか近付くことすら出来ないだろう。腰には大層な剣もあるが、果たしてそれを抜くことがあるだろうか、まして竜化など、これ以上に強化された能力となるならば、一国と言わず大陸を制圧できそうな勢いだ。


そんな面倒な事をする気はないが。


「さしあたって現在地は………と」


知識の中から、この周囲の光景に当てはまるものを探し出す。


「ノーステンシア大陸……ディナント王国東部……ナルク平原、か」


差し詰め歩く大事典となったこの身だが、今はそれが有り難い。


「西へ行けば王国内部へ、北へ行けばヴィルヘルム帝国、東はフリュンゲル王国に、南は海洋都市連盟」


どの国も内情は似たり寄ったり。海洋都市連盟はやや毛色が違い、貴族ではなく商人や工芸士、土地の豪族などに治められているようだが、君主という者がいないだけで統治機構そのものは大差ない。一人が決めるか多数が決めるか、むしろそれぞれが己の利権を巡って争いあっている分、君主制の国より荒れているかもしれない。貿易の利潤によって表向きは豊かそのものだが、その分貧富の差も激しいようだ。


「ま、どこも大差ないなら、先ずはこの国から見て回るとするか……」


そもそも、己の新たな生に未だ目的などなく、現段階では何も決め得ぬ、というのが正直なところだ


「風の向くまま気の向くままに、その先にある何かを求め、ってか」


格好付けてみるも、それに応えるは一陣の寒風のみ。


「なにやってるんだろ、俺………」

 

虚しさと侘しさを胸に、ゲオルグは第二の人生を歩き出した。

やべえ文才が欲しい・・・

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