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ガルディナ王国興国記  作者: 桜木 海斗(桜朔)
第一章 新生ドラグニルと運命の出会い
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現状確認

プロローグ短過ぎでしたかね、、、

「う……ん………」


青年が目を覚ます。いったいどれほどの間、気を失っていただろう。

周囲の明るさが然程変わっていないところを見るに、長時間、ということはないだろう……日付が変わっていなければ。



頭痛も収まり、この世界、そして自分についての情報が頭にあることに、心持余裕もある状態となって、改めて現状把握に努める。


「ステータス」


そう呟くと、頭に自己の情報が流れ込む。


名前:未設定

種族:ドラグニル

性別:雄

年齢:17

レベル:525

HP:25550

MP:25550

STR:12500

VIT:12500

AGI:12500

INT:12500

LUC:500

【スキル】

剣術Lv10

体術Lv10

火魔法Lv10

風魔法Lv10

水魔法Lv10

土魔法Lv10

光魔法Lv10

闇魔法Lv10

竜王の威圧(自分よりレベルの低い相手の動きを阻害する、任意発動)

状態異常無効(毒や麻痺、混乱等の状態異常を無効化する、常時パッシブ)

賢人(魔法の消費MP半減、詠唱省略、MP自動回復量増、常時パッシブ)

竜化(竜に姿を変える、飛行能力、各ステータス向上、竜王の威圧自動発動、任意発動)

人化(竜化している際に発動可能、人の姿となり、鱗が服、或いは鎧へと変化する)


恐らくカンスト、とんだチートである。


それと、なんとなく察することも出来るだろうが、「Lv」とついたスキルは、10が最大であり、通常、一つのスキルをLv10にしようと思ったら、素質のある人間ならば30年から40年の歳月を鍛錬に費やせば可能だそうだ。


恐らく、今これだけ冷静なのもスキルのお蔭だろう。あれだけの情報を一気に叩き付けられ、否応なく現実と認識させられ、自分、そして現状を思い知らされる。だが、この化け物の如きステータスがあれば、なんとかなるだろうとも思う。


そして一番気になった種族、なぜか勝手に人間卒業させられてた訳だが、このドラグニルという種族、かなりの希少種らしい。


銀髪碧眼の特徴を持ち、人間より遥かに優れた身体能力、魔法の素養、そして、2000年を超える寿命。


個体数が非常に少なく、人間を毛嫌いし、人里離れた場所にしか住まない。

似たような種族で、ドラゴニュートというのもいるらしいが、ドラグニルを竜人と称すに対し、こちらは半竜人と呼ばれ、最大の違いは竜化できるか出来ないからしい。数もドラグニルより多く、人と積極的に関わろうとはしないようだが、それなりの規模の集落を形成することも多い(能力的に人間に優越しているため、人間も手を出そうとはしないんだとか)。


歴史上、極々稀に人間社会に関わったドラグニルもいるそうだが、そういった者は余すことなく英雄として名を残しているらしく、「銀髪碧眼は忠勇、そして気高さの証。彼らと結ばれた者は一国を制す」との伝承が脈々と受け継がれているとのこと。


つまるところ先祖代々のチート性能、と。


「ふむ………」


自分でも怖くなるほど冷静になっている、そんな恐ろしいナニカとなったことを受け入れている自分がいる。


「魔法に種族、そして…」


魔法を無言で行使する。目の前に現れる鏡(光魔法による疑似的なもの)、そしてそこに映る己の姿。


「銀髪碧眼、身長は180後半くらいか、顔は……この世界の美的感覚が元居た世界と同じなのだから、かなり良い…だろうな」


スッと筋の通った鼻、やや切れ長の凛々しい目、肩まで伸びているであろう髪は後頭部で結われ、白銀の鎧に包まれた体は筋肉質でありながら均整のとれたプロポーション。


元居た日本なら、モデルで食っていけるだろう。


そして左右の腰に下げられた剣、此れに関しても、知っている、否、知らされた、と言うべきか。


一見すると色ガラスで出来ているのではないかと思う程に美しく透き通った二振りの剣。


紅の剣は「炎剣アレス」

蒼の剣は「氷剣レオナ」


超高密度の魔力結晶で作られ、この世界の神の名を冠したこの雌雄一対の二振りは、如何なる金属よりも硬く、また魔法行使の際には高性能の媒体ともなる、間違いなくこの世に二つとない名剣である。


「こんなものまで与えられ、神は俺に何を望む?」


誰が、なぜこんな世界にこんな自分を呼び出したのか。いや、そもそも自分がいた日本という世界、国は本当にあったのか? という疑問すら抱く。


胡蝶の夢。


そんな故事が思い浮かぶ。


だが、この世界に生きてきた記憶はなく、日本いた頃の記憶ははっきりとある。


天城 繁久。やや古風な名前の、それ以外何の変哲もないどこにでもいる高校生。中流家庭に産まれた一人息子。隣の家に幼馴染みの女の子が、などということもなく、何人かの女子と付き合ったり別れたりし、成績優秀という訳でもなく、運動はそこそこ得意だった程度の、平凡を地でいく青年でしかなかった。


だが、そんな記憶は既に遥か昔のように感じられる。


自分はドラグニル。あらゆる生物を凌駕し、抗うことすら許さぬ絶対の支配者。

今は滅びた純血の竜の血を最も色濃く継いだ存在。


日本という「異世界」にいた頃の記憶はあれど、それを懐かしむことも、まして「戻れぬ」ことを悲しむこともない。


そう、「余」にはやらねばならぬことが………


「違う!!」


突如頭を侵食してくる何か。


「俺は俺だ!!………他の何者でもない………」


記憶の混濁、そうとしか表現できない。

日本人として生きてきた記憶に、この世界の情報、知識、情勢、常識、相容れないもの同士の併合。


この混乱は、状態異常無効のスキルでも対処できないらしい。

自分で受け入れ、諦めろとでも言うのだろうか。


「日本に戻れない?・・・なんで、俺が何をした?」


何で何で何で。


疑問ばかりが思い浮かんでは消えていく。どんな疑問も、「それが当たり前だから」という結論に行き着く。


認めたくないのに、感情では到底受け入れられないのに、理性が、知識が、記憶が、肯定し受け入れている。


「ああ・・・・ああああああああああッ!!」


繁久は、再び意識を手放した。

本文でステータスに触れましたが、比較対象がなかったのでこちらに


人間の平均的な成人男性

種族:人間

性別:雄

年齢:20

レベル:18

HP:90

MP:15

STR:70

VIT:50

AGI:45

INT:15

LUC:30



ドラグニルの成人


種族:ドラグニル

性別:雄

年齢:30

レベル:120

HP:2300

MP:1250

STR:800

VIT:1000

AGI:900

INT:750

LUC:160



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