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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

リアルな幻想消された真実

作者: 無貌

練習で書いた物です。大事なことなので二回書きましたよ!

「おい嬢ちゃん大丈夫か」


「は は、はい!だだダダ大丈夫です!!」


今私はとても取り乱しています。それというのも―――


「あ~別に取って食ったりしないから落ち着け、な!」


「おおおお気遣いいただき感謝アアします!!」

震えで口が意図せず震え言葉が上手く紡げない。まるで病気にでもかかったようだ。


「ダメだこりゃ。まずパニックから立ち治らせねーとなぁ、…キッツイなー」

そう言ってがっくりとうなだれる人型の巨狼が哀愁すら感じれる表情を浮かべながら眺めてくる。


――――――――今私は宿敵と一緒に閉じ込められてしまいまった。

そう本来なら敵同士で、殺しあっていて、いつも一方的に殺している存在(あいて)。それと二人きりなのにそれに心配されているヒドイ矛盾。

まるで一昔前の漫画のような光景敵の幹部と二人きり。あの漫画ならそれで恋が芽生えたっけ?

そんな状況に負けず劣らずひどい現実逃避が私の心を覆う。



何故そんな事になったかと言うと先ほどの戦闘の前に私自身のことをお話しすることになります。

私の名前は大鷲のぞみ歳は十七、現在高校に通う高校生でありながらそのたぐいまれな素質を見込まれて正義の味方に招かれ二足の草鞋をしているスーパー高校生なのです。


正義の味方なんて普通小学生で卒業だろ?などと思っているみなさん!それは大きな間違いです!!

この世界(ほかにどんな世界があるか知りませんが)では正義の味方と悪の組織が熾烈な戦いをしてます。と言っても被害の多くが器物の損害であって死人出ていません。


何故かって?そんなものは決まっています!

一般市民には手を出さない。が、基本ルールで怪人に改造されてしまった方は人間にはカウントされないからです。そして正義の味方は常に守る者のために負けることはなく故に、死傷者はほぼ出ていないです。

数年一度極稀にではありますが戦闘中の不慮の事故で亡くなる一般市民の方や殉職なされる正義の味方もおられますが、先に述べたとおり極稀です!大事なことなので二回いいましたよ!!



そして私も去年の夏休みからバイトではありますがスカウトされ、いまでは立派なヒーローの一員として市民の生活と安全を守るため!中三から増えない小遣いのため!日夜勤めに励んでいるのです!!


で本題移るのですが、今日も今日とて悪の組織が市街地にある廃ビルに出没し何かしらの作戦を画策しているという情報を得た上層部からの指令で自分の所属しているグループ、ガンマーチのメンバー五人で調査に来ていたのですが偶然に敵と遭遇、しかもいつもはほかのベテラン部隊が引き受けてくれる敵組織の幹部・不死狼ガルムの部隊と鉢合わせしてしまうという絶体絶命のピンチになってしまったのです。


この緊急事態を本部に伝えると十分間持ちこたえてくれと言われてわれは必死になって戦いました!それこそ死に物狂いにです!ですが敵は強く徐々に追いつめられる仲間たち!


絶対絶命の大ピンチ!!


ですがそこ燦然と輝くあの方の姿が!!そう!誰も知っているあの御方!!

正義の味方の総大将カーマイン・ラークア様が登場し、放たれた深紅の本流と必殺の一撃。

それを息も絶え絶えになりながらそれでも希望に目を輝かせて心の中でこう叫んだ、もしかしたら本当に叫んでいたのかもしれない「勝った!!!」と。


だがそれでは終わらなかった。


その放たれた一撃はすさまじい爆発とともに敵に終焉を与えたかに見えたがそれはほんの始まりにすぎなかったのだ。今までこちらを苦しめていた敵は全滅し、喜びをを分かち合おうと仲間の下に集まり礼を言うためにカーマイン様の前に集まる。


みんなを代表してリーダのレッドサブリーダーのブルーが前に出る。


するとカーマイン様が手を伸ばした。

私は握手でもするのかと思いとくに不思議にも思わなかった。

けどそれは大きな間違いだった。


ふいに目の前でなないか湿ってそれいでいてどす黒い赤白のまだら何かが舞う。

一瞬の間を開けてそれが、  それがレッドの頭の破片と血の色であることを把握する。してしまう。

全員が何が起こったのか理解できなくて、したくなくて一瞬の間が空いてしまう。それが次の犠牲を生むとも知らずに…。

今度はブルーが肩から胸にかけてを袈裟切りに切られた。レッドと同じく悲鳴も上げられずに絶命しながら心臓の拍動に合わせて血だけが噴き出している。

それを見た私は悪い夢だと思った、ひどい夢だと思った、この吐き気がしそうな血煙の臭いも倒れて事切れているいる仲間も全部敵が作った幻覚なんだとそう思った。


けど体は正直だった。


私は逃げた。みんなを置いて、味方を置いて、全部を捨て戦うことができるよう変身アイテムだけを抱えて全力で逃げた。どこに逃げたらいいかも分からず、どこにっていいかも分からず、どうやったら逃げれるかも一切分からない。

それでも懸命に走った。振り向くことも、振り返ることも、そっちが敵のいた方向だということも忘れて逃げ続けた。


ハッと気がつくと暗くそれでいて広い場所にいた。

所々に機械の画面やスイッチとみられる何かが点灯している場所。

「そうか。さっきのは幻覚だったんだ!」感情がマヒして記憶まで曖昧になりつつあった私はそう言って表情を取り戻し、心の安定を取り戻した。がすぐにそれはほかの怪人(化け物)の声によって打ち砕かれた。


「こんなところで何をしているんだい?」

その口調はまるで迷子になった子供に声をかけるように警官のように穏やかだが、それが嘘で塗り固められた物であることは先の戦闘で知っている。

「ちょ、ちょっと道迷っただけです!」


「嘘はよくない。嘘つきは泥棒の始まりだって親御さんに言われなかったのか?」


そう言ってバカにするような言動でけむに巻こうとする私を本題に移らせようとしている。パニックになっていた私の中で全てのことが無理やり一つの結論にまとめようとしていた。

「そういうことだったのね」 「ああん?」


目の前のまぬけな狼をビッと指をさすと私は探偵小説の主人公にでもなったかのようにしゃべり始めた。

「そうよ!あの方がそんな事をするはずがないわ!!全てはこの狼が仕組んだ作戦だったのよ!!!!」


いきなり怯えるどころか叫びだした私を見てあっけにとられているイヌッコロをよそ目に私はさらにヒートアップしながら捲し立てていく。

「最初から嵌められていたのよ。それなら辻褄あうもの!ここに来させて騙し打ちしたことすらフェイクだったのね、それでカーマイン様の偽物が出てきてやられたふりをして偽物によって騙し打ちをさせたか全て何かしらの薬物によって見せた幻覚だったんだわ!!危うくまんまと罠にはめられて正気を失うとこだったわ!アーハッ八ッハッハ!!」


「正義の味方はとうとうこんな年端もいかない子にまで手を出し始めたのか?」


「AHAHAHAHAHAHA!!!!これが罠だと分かれば通信を……あれ?」


「ああ、盛り上がってるとこ悪いがここじゃ俺らの通信以外伝わらんぞ」


「え?」


「というか仲間どうした?はぐれたのか?こんなとこ一人でうろつくと狼が襲いに来るぞ」


「・・・・・・・・・・・え?それって私積んでいませんか?」


「何言ってるんだお前は?それじゃなきゃ俺がこんなに落ち着いてる訳ないだろ?バカなの?死ぬの?」


「まだよ!?私一人であなたにあらが――――ッッッ!!」

「すでに反応できてないという時点でおいちゃんは無理だと思うんだけど、お嬢ちゃんどう思う?」

いつの間に移動したのか全く分からないうちに背後にまわられ肩にその大きな手を置かれた。

そのたった一度の敵の行動で私はパニックになった。今まで全く本気なんて出していなかったんだと思い絶句して、自分の命が風前の灯である事を理解して恐怖から足の力が抜けしりもちをついた。


だがそんな事に痛みを感じている場合ではない!いきたいけどいきれないその矛盾に理性が消えてしまいそうになったとき眼の端にさっき見た恐怖の色がうつりこむ。


それ鮮やかな赤。さっき私の仲間たちを屠った深紅の輝き。

けどそれは一切の汚れもなく何の陰りもなく三千と輝く太陽のように見えた。

(本物が、今度こそ本物のカーマイン様が助けに来てくれたんだと)どこか壊れたかのように思いこんで喜ぶ私の前にまるで守るように黒い毛で覆われた壁が立ちふさがる。


処刑人カーマイン!?なんで貴様がここにいるテメ―の仕事は…」

そこまで言うと首だけを少し動かしてこちらをみる。それだけでこっちを向くとたったそれだけの動作に驚き怯える私を見てその毛で覆われた顔を怒りからか酷く歪ませすぐに向き直り油断なく構える。

でも、その構えはやっぱり私を守るようなそれでそれに疑問を抱く。(なんでどうして?)と、そして不安と恐怖が膨らみ無数のイメージを私に想起させる。連れて行って改造するんじゃないかとか兵器の実験の用の(まと)に仕立てるんじゃないかとかetc etc.そんな想像で無尽蔵に膨らむ恐怖に押しつぶされそうになる私は周りのことなんて見えていなかった。


目の前の巨狼は私が様をつけていた処刑人から(・・)私を守ろうとしていたというのに。


視点変更:ガルム・本名北郷 |真護{まもる}


今日は朝から付いていなかった。いつもの場所に止めてあったバイクには落書きをされ買った朝飯は新米アルバイト熱いものと冷たいものを一緒に入れたせいでビニール袋が破れて川の中。

極めつきに新造の基地視察に来れば正義の味方の新米アルバイトに攻撃されているときたもんだ。全く踏んだり蹴ったりだったが、それも応援の放ったと見られる必殺技でやられたふりをしてやり過ごして「やったぜ!!」と思ったのがいけなかったのか今回はそうもいかなったらしい。


どこから迷い込んだのかさっきの新米アルバイトが基地の上層の一層目に迷い込んで地獄でも垣間見たように壊れかけているのを不審に思い保護しようかで悩んでいると面倒なものに鉢合わせした。

西洋の鎧にサメを掛け合せた深紅の戦士が背中の処刑道具ハルバートを構えたままゆっくりとこちらに歩いてくる。背中にはどっちに怯えてんだかわからないさっき戦ったガンマーチのマーチホワイトとみられる少女がいる。

目の前のそれはカーマイン・ラークア 俺らの通称は処刑人または断罪者味方だけをさばく人でなし。


その正体はサメをベースに強靭な人間の骨格を組み合わせた怪人に正義の味方が着る変身スーツで強化・隠蔽した正真正銘の化け物だ。

この変身スーツというのが曲者である程度の時間制限があるが筋力を数倍に跳ね上げ、防御力も上げるうえ暴走しないようにするためのリミッターでもある。壊れたら周囲にいる生物を無差別に襲うキリングマシーンの出来上がり、それだけは避けたい。


こいつの今回のターゲットはこの嬢ちゃんと見て間違いないだろう。

誤ってここにきて何かを見たのか、それともミスでこいつ送っちまったからその証拠隠滅なんてこともあの(・・)くそったれな上層部の連中ならやりかねない。

どちらにしろ言えることはこいつをこのまま放っておけば嬢ちゃんは物言わぬ肉片に変えられるってことだ。


「ああ!ついねえ」

そういうと同時に体毛を数本ブチブチッと引き抜く周囲にばらまく。すると数秒で影が実体化したような希薄な狼が抜き取った毛から発生する。

俺のような幹部は正義の味方の正社員にリンチされることが多いので標準機能として付けられている時間稼ぎのための分身精製能力で、いざ本体が必殺技をくらって消し飛んでも毛の一本からでも体を完全に再生することもできる分体を作る優れものだがものすごく体力を食うのでしようは控えたい代物だ。


(ここでこいつを通すわけにゃあいかねえわな。今からするのはおひめさまの防衛、賊を自分より後ろに通した時点で失敗、気を引き締めなければな。これは、アルバイトを相手にする時のお遊びじゃないんだ)


気を引き締め意識を切り替える。そんな私を見てこの夏の暑い日にありながら北風にでも吹かれたように身を震わせる護衛目標を一瞥するとすぐに視線を戻し、目の前にいる(デクにわかるとは思えないが)それに周りに引き連れる分体の唸り声と共に大声で挑発する。


「おい!こいつを殺したいおならまず俺を倒してみろデク人形!!」


それともに分体に私を中央に据えたフォーメーションを作るべく左右に囲むように前進するよう共有した思考から命じる。分体の数は全部で六、今はいつも使う雑魚兵正式名称インスタントアーミーいわゆる雑魚適生成用のアイテムを切らして、というか先ほどの戦闘で使い果している状況だ。

ガンマーチだか言うこの嬢ちゃんが所属していたであろうグループがかなりねばったせいで目の前のこいつの必殺技でまとめてボン!だ、笑えない。

それでもここまで急行させた事と必殺技を出させたことを考えればやっこさんのスペックが諜報部の調査通りなら四割強のエネルギーを使わせることに成功していることになる はずだ。しかも相手は自我の薄い劣化版改造人間、それを暴走しないよう長期にわたってローコストで使いまわそうとするならあまり酷使はできない。


(それと外部のエネルギーとの兼ねあいこみで九分四十秒それ以上は暴走の危険ありで引くはずだ。こいつを利用するにあたってのイメージ戦略上暴走なんてのはもってのほかここで暴走というジョーカーを切る可能性は低い)

ハルバートとそこから出るエネルギーウェーブとその余波に気をつけながらヒットアンドアウェイを心がけながら追いつめすぎないようにじわじわと追い詰めていく。追いつめすぎれば精神的な過負荷から暴走を誘発しかねないうえ、あれ(・・)を通してこちらを見ている連中の危機感を変に煽り増援を贈られるかもしれない。そうなればここで一人相手に出来レースを続けることはできない。


今俺はそのスピードを生かしきれないように見せかけつつそれでも小手先で攻め切れていないように相手の動きを誘導している。ここはここまで続く道と違い各種ダミーの機材であふれている。それがまるで俺たちの動きを阻害しているかのように見せかけるようにワザとだが不自然な印象をもたれないギリギリで動いている。

これがしっかりとした自我持ちの連中が相手ならまず気が付かれるが、今戦っているのは肉体こそ強靭だが中身は戦いを知らないど素人、実践とゲームを同じにするような連中に負けてやるほど俺に余裕はないのだ。


(この戦闘は勝ち急げば負ける。決して緩めず攻めすぎず攻められすぎない、これが今回の戦いのカギ!大きなのをもらわなければ時間制限から撤退に移るそうすればこっちのターンだ!)


その考えのもとハルバートの攻撃を多くを避け時にいなし、隙を見つければ詰められた距離を離すべく攻撃を打ち込みフェイント混ぜつつ大ぶりな攻撃を誘発させながら体力とエネルギーの消耗を増やしていく。

戦闘は膠着状態になり時間だけが刻々と過ぎていく焦りはないゆえ集中力は否応なく高められていく。

そのために俺はこの場で決して忘れるべきではない物を意識の外に追いやってしまった。それを彼女は隙だと思い同じようにチャンスだと思って行動を起こすきっかけになってしまった。


俺の忘れたものそれは今のおれは彼女を守る正義の味方ではなく彼女の敵として立ちふさがるはずの悪の組織の幹部不死狼ガルムであったことを忘れたのだ。ある種の癖と職業病のようなそれをその時防ぐことは叶わなかった。


視点変更マーチホワイト:大鷲のぞみ


目の前で悪の組織の所属する存在がやられそうになっている。


ただそれだけを抜き出し言葉にしたならそれはいつも通りの光景。それこそ見飽きたほどに見慣れた真実にして変わることない真理。

だが、もしだ。もしその言葉に{私を守るためにかばった}が入ったらどうなるのだろう?敵であるはずの私を{味方であるはずの正義の味方の振るう凶刃}から救うべく間に入りその刃をその強靭な体で代わりに受けたのならどうなるだろう?


それは、それは!!それはぁ!!!

「あ・・・ああ!あああぁぁぁアアアア!!!!!!!!!!!」

思考が上手く働かない。目の前の光景が理解できない。したくない。その形ならない思考の濁流が理性を押し流し、私を奈落の底に押し流す。

だがそこに荒々しい大きな声でその濁流から引っ張りあげる男の声が聞こえた。


「ガキじゃねーんだからビービー泣くんじゃねえよ!!現実を見ろ!!死にたくないなら自分の力で変身しろ!!!」

深紅の光に左腕を焼かれながら巨狼は痛みの絶叫をかみ殺し私を呼び起こすかのように大声で呼びかけてくる。その声が不思議と耳に付き自然にいつもの変身モーション(ライフルに構えて撃つ動作)と共に叫ぶ!


解放(リバレーション)!!!!!!!!」


いつもと違うキーワードを。


体がまるで違うものに組み換わるような感覚と共に変身を終えた私はその姿に驚く。

それはまるで改造人間のように背中から翼が生え銃の形もいつもの玩具みたいなものから実際に戦争使うようなマガジン式のスナイパーライフルに変わっている。


でもおどいてる暇はない。目の前のあれを倒さなくてはいけないから。

その相手は巨狼の幹部じゃない、あの血に染まった凶暴な化け物だ!


なんであんなものが美しく気高く見えていたの?そんな疑問を抱くほど気味の悪いものが目の前にいる。人の形にした獣それが人の要に武器を使い、人のように歩き人形のように字がなく行動している。

前進血で汚れていてそれを気にした様子もない。それどころかその地に興奮してすらいるように見える。

思うことはいろいろあるけどそれよりも


「そのから離れろ化け物!!!!!」

そうして胴体を狙って銃口を向け引き金を引く。

バババババババババン!!!そんな機関砲みたいなすさまじい音共に銃弾が連射される。

(何、今のあり得ない連射。それに反動もまるで感じなかった)それに驚いているとガルムがさっき作った狼たちと共に叫び声を上げる。


「「「「「「「ヲォオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!!!!!!」」」」」」」

それが一切の乱れなく共鳴しすさまじい音によって一瞬空間が歪んで見えた。

そして輪足の銃撃で膝をついたまま至近距離にいたカーマインを壁まで吹き飛ばし息が続く限り叫び続けた。そのあまりの威力に小さなクレーター作るほどだ。


一度吹き飛ばした後すぐに向きを合わせて音を収束したようで、全員?が同じ向きを向き今なお叫び声を上げ続けている。五分ほどそれが続句がついに息が切れたのかそれも終わる。


そして分身が消え彼がことらを振り向くそして

「よし逃げるぞ!」 「え!?」


「そ、そこはかっこよくいくぞとか言って倒してしまうところじゃないんですか!?」

そういう私を心底バカにした顔で

「バカかお前は耳を澄ませてみろ」


「え?・・・・・すごい。おと?それも複数人の足音?」


「そう、詰まり増援。しかもあれよりも強いぞ」そう言ってぜんまい仕掛けの起き上がり人形のように立とうとして倒れ立とうとして倒れを繰り返す。ぼろぼろの化け物(カーマイン)を指さす。


「逃げましょう今スグに!!」


「物分かりがよくて助かる」そう言って牙を見せて野性的な笑みを浮かべてぐっと体を近づける。

「な、何ですか?ふ、ふざけていないで早く逃げ「ドッコイセ!」キャア!!」

そんなおっさんくさい掛け声とともに手荷物でも持ちあげるように抱きあげられあられもない声を出してしまう。

顔が熱を持っていくのを感じる。今頃頬は熟れたリンゴのように真っ赤になっていると思うとさらに熱さが増したように感じ、その後はそれの繰り返しで気分的にオーバーヒートしてしまう。


「ぇ?…え!?あ、え?ええ?」

「よし!んじゃしっかり掴まってろよ!」


その声と共に彼は空いていた右手を握りしめて足元を渾身力で殴る!

その声に心の芯の部分までパニックが伝播し(イヤアアアアアアアアアアア!!!!!!!)そんな声が外と中を蹂躙していたが、オーバーヒートして焼きついたままの体は何の反応も示さずマネキンのように硬直したままだった。私たちを追ってきた誰かの叫び声とジャキン!!とかキラララン!!とかいう先輩ヒーロー達の必殺技発動音とさまざまな色の光が今しがた私たちがいた場所を飛んで行くのを眺めながら地中深くへと意識と共に落ちていった。


そしてその後聞えた不協和音のBGMが私の渾身の叫び声である事を地に落ちて彼に聞かされて初めて知る事人るのであった。


そして最初のシーンに戻るというわけだ。



視点変更:ガルム・本名 北郷 真護


(ヤベー、その場のノリと勢いだけで未成年お持ち帰りしてしまったどうしよう。つってもあそこにあの場に放置したら間違いなく死ぬか、洗脳のバットエンディングまっしぐらだったしなぁ。そんな事したらそれこそ俺自身の沽券にかかわるしかし、んんどうしよう?)


そんなどうしようもない思考にはまっている俺と嬢ちゃんことマーチホワイト(現在の見た目は中途半端に改造された鳥系改造人間もどき)は基地の最下層にあるシェルターに逃げ込む事に成功し、居は見つかる前にさっき呼んだ応援の様動とともに脱出のタイミングを待っているのだが、それ前は今少し時間がかかる予定でそれまで今前の行動(何故守ったのかとかこの戦いと本当の敵は何なのか)とそれに伴う結果(彼女の肉体の変化とそれによってこれから何が起こるのかなど)色々な説明を彼女にしなければならないのだが、その結果が先ほど会話の様なモノだ。


それらによって異常なテンションと雰囲気から悪役らしく嬢ちゃんを連れ去った時にに正社員どもにニヒルな笑顔までして見せたことを今更思いだして悶絶した後これからのことを考えて叫びだした気分だが、子どもの目の前でそんな醜態はさらせない。

悪には悪なりのメンツというものがある。いや悪だからこそ見栄を張って無い袖を振らなければならい時はあるはずだ!…たぶん。


そしてその結果があの会話だ。


「フ-まあ変身、といとくか」

エネルギーのロスを減らす為に毛だらけで筋肉だるまの様な体を人のそれに戻すがそこでロッカーの中に替えの服を置いて来てしまった事に気がつく。


だがそれは少しばかり遅かったらしく、私のそれなり立派なモノを見た彼女の耳をつんざく様な悲鳴が室内に響き渡る。


暫く全裸のまま慰めようと悪戦苦闘するがその途中にこんな時の為にこのシェルター内に変えの服を置いていたことを思いだす。そこまでは良かった(既に色々最悪な)のだが何処にしまったのかが思い出せない。そうして何処にしまったのか思いだそうとウンウン唸っている私を見てパニックから復帰したマーチホワイトが恥ずかしさから歩を赤らめながらも協力してもらい着替えを発見!

見つけたジャージと下着を身に付け一様お互いに平静を取り戻して「話し合いましょう」と彼女に言ってもらってやっと話を進める事が出来た。

歳上としてのメンツもこれから先輩として頑張る為のメンツもボロボロになてしまったが、お互いを隔てていた壁は綺麗に取り払われ柔軟なやり取りが期待できそうだった。


そんな事を考えてこれからどう話を汲みあげ理解してもらうかについて考えている私にその小柄な体でありながら一切物怖じすることなくこちらを見据えた彼女が声を発した。


「全てをお話してくれませんか?」と。


俺はその眼を見て諦めさせる事はまず無理だろう。そう思うと同時に、このまま同じ道に入ったらと思い胸を絞めつけられるような気持にもなる。どっちに転がっても彼女はこれから茨の道を歩き続ける未来しか無い、それを思えばあの場新で死んでいればと後悔する可能性もある。そんない様だ。



そう様々な葛藤から話を進められずにいる俺に彼女は再び訊いて来る。

どうして何も言わないのかとどうして何も話してくれないのかと、そこからは何か後ろめたい事でも有るのでは無いかという疑いの気持ちが見隠れしているがそれ以上に知らない事に対する恐怖が大部分を占めているようだ。


「わかった。だが、最初に言っておく訊いた事を後悔する様な真実を俺は君に伝える事になる。だからも一度だけ聞くが、……本当にこの(・・)話を聞くんだな?聞いてしまえば後戻りはできない。それを理解した上で、聞くんだな」


彼女はそれに無言でうなずく。


「わかった。これはもう何十年も前の話だ…」



視点変更マーチホワイト:大鷲のぞみ


「それじゃあ今まで正義の味方だと思ったのは悪者だったって事ですか?」


「そこで感覚的な善悪を持ち出すのはナンセンスだとおもぜ。確かに治安の向上や政治不安は無くなっているんだからな。その方法が生まれながらの洗脳っていう明らかな人権無視ってだけだ」


「人権を無視しているならそれは悪ですよ!」


そう言う私に彼こと真護さんは腰に手を当て物分かりの悪い生徒をたしなめる様にさらに言葉を続ける

「だがそれがまかり通るぐらい組織の影響力が浸透していたら数の暴力で白を黒にする事も黒を白にすることもできる。そこまで力を持ってしまったんだよその組織はな」


こういった軽く不毛なやり取りを繰り返すまでには何度となくぜ壺的な事実を突きつけられていたが、散々心をえぐり取られるような状況に追い詰められ続けて様々な洗脳から解き放たれた私を止める物はなかった。

そしてこんな状況になるまで語った内容を話すうえで真護さんが最初に話した内容は私が信じ込まされていた正義の味方たという組織の実態であった。

『正義の味方』はそもそも汚職と天下りと科学者と政治家の癒着によって生まれた犯罪組織であったのだが、そこで【ある研究】が実を結びそれが結果的にこの非常に歪んだどうしようもない世界を作り上げる切欠になったと言うのだ。


そしてその研究の内容というのが人体の改造とそれによる洗脳と肉体強化だったのだ。

そもそも一部の有名科学者と資本を持った政治家が手と手を合わせて犯罪行為をするきっかけになったのが、科学者達が手ごろで消えたとしても問題の無い人間を使っての様々な人体実験をしたいというマッドな考えと、腐りきった政治家達の消してしまいたい人物達をより儲けの多い方法で処分コロスする為の模索とが合致して生まれたのが『正義の味方』だと真護さんは語った。


そして科学者たちの研究が実を結びより多くの邪魔ものを合法的にもしくは決してばれる事なく()せるようになった政治家達は一気に表舞台に立ち、多くの良識ある人々や知識ある有権者を殺害。

権力を我がものとして行った。その過程でおこ合われたのがある病院《研究施設》で一括的に生まれたばかりの新生児の遺伝子を集めて作る遺伝子バンクの導入を隠れ蓑に行われた一斉洗脳であった。


そしてその当時彼らの毒牙から逃れた少数の人々によって組織されたのが今まで悪の組織・正式名称レジスタンスが設立し政治的歴史的な地下に潜って活動を始めたのだという。因み彼はその初期メンバーの一人だと言うがたぶんこれは私の緊張を解きほぐす為のジョークだろう。


これらの活動により私達の国を完全に手中に収めたかに思えた政治家たちはその後一斉に検挙もしくは消されたという。それというのもこのままでは自分達の研究を取り上げられるかもしれないと危機感かられた研究者達によって反乱がおこり、改造人間や洗脳した一般市民をくれんして作られた私兵たちによってそれは行われたという。

そんな事になればそれこそクーデターという事で大変な事になるだろうと私は言ったが真護さんはそれを鼻で笑い、「全ては仕組まれたことで研究者達の中ではそれすら予定調和であり、次のステップへの前段階に過ぎなかった」のだそうだ。


研究者達が目指したモノ。それは、よりよい人類の創造であった。

彼等がその無理に研究を押し進めたのも、政治家というバックを求めたのも、多くの人々の命を散らしたのも全ては人類の為を思っての事なのだという。

だが私はそれに「理解できない!多数の為の少数の犠牲それがまかり通る道理などある筈がない!!」そう反論したら抱き程の様に返されたという訳で口論の真っ最中という訳だ。



視点変更:ガルム・本名 北郷 真護


彼女の言っている事は正論、間違いだと一概に言える事ではない。

だが私がヒトとして生きていた数十年前は政治不信・隣国の軍事増強・スパイと賄賂によるマスメディアの腐敗・過去の戦争の際に移り住んできた全く戦争に参加しなかった第三国の内部侵略による左翼化の進行などこの国は限界だった。

もしかしたらこの資源の少なく技術で成り立っている技術力すらも他国に搾取されればこの国は本当に成り立たなくなる。それを危惧した研究者達が行動を起こさなければ今のこの国の再度の繁栄はないというのも事実なのだ。


そしてその当時の研究結果が正しければ、人類は数も技術進歩の力も徐々にではあるが落ち込んできていたのだ。俺にその話をした男性研究者はそれを話しながらこんな言葉を残している「このままいけば人類はいずれ自分達が愚かである事すら理解できない程愚かになるだろう」と。


そしてその生き証人でも有る私という存在もいる。

「君は先ほど俺がこの組織の初期からいる事を冗談か何かだと思っていたようだが、それは大きな間違いだ」


「けど、真護さんの話に出て来るその、えーと「レジスタンスか?」そうそれ!それが活動を始めた時期が正しいとした百年以上前の話なんでしょう?人間がそんなに長い時間生きれる訳無いでしょう?」


その通り人間ならヒトならそうだろうし、普通の改造人間も基本的に短命だが私の様なハイエンドタイプの改造人間はその限りではない。

そして彼女もまたそれの類だろう。そうでなければあの日々の生活から来る洗脳を私という一つのレギュラー要素のみで解除できる訳が無い。下準備が終わったという合図でこの管理された化け物達の楽園を世界に向けて旅立たせる為の最後の段階になったという事だ。その為に俺の所に彼女を送って来たのだろう。


「生憎と俺は特別製でな早々死なないようにできてるんだよ。たぶんそれはノゾミ、君も同じだ。そうでなければあの場で洗脳が溶けるとは考えづらいからな!」


「エッ!?それってもしかして私も強化人間て事、ですよね?」


恐る恐るといった様子でこちらを仰ぎ見ながら訊ねるその様子に笑う意を堪えながら「ああ!きっとその背中から生えた大きな翼で空だって飛べるさ!」そう言う私を見て顔を真っ青にしているもんだから私はついに噴き出し倒れを見て今度は顔を真っ赤にして怒っている。


それを見てひどく懐かしく感じながら昔死んでいった彼女を思い出し誓う。

(俺は今度こそ約束を守る。君の残し、引き継ぎ育まれたモノを守って見せる!)


そう思うと同時に外で仲間の救出作戦が始まった伊豆の爆発音が響いて聞えてきたので、再度巨狼にその身を変えシェルターの扉を蹴破り希と名乗った少女と共に外へと飛び出し行動再開した。



視点変更研究員番号001記録 ■*?! †《@#▼》 \\*+年 @月 %&日死亡確認


これを読むとき全てを終えて私はとうに消されている事でしょう。そしてこの記録を百うん十年後に見ていると思う真護、アナタには寂しい思いをさせてごめんなさい。その強靭な体といほぼ不老不死の体ゆえに友達も恋人もいないのでしょうね。…元からそのコワモテな顔のせいで友達なんて片手で事足りる程度しか居なかったけどそれすら無くすような事をしてしまったわね、御免なさい。


これを呼んでいるって事はたぶん彼女と共に最終ステップのラストフェーズまでを終えて、邪魔していた政治家連中の息のかかったれ連中を無力化、もしくは殺害したんでしょうね。

そんな汚れ仕事最後にさせて、おまけにあなとの体を狼男にクマをかけ合わせた改造人間にした私をあなたは恨んでいるでしょう。そしてこうしてあなたに直接謝る出来事も勇気もない私を蔑む事でしょう。

極度の人間不信でほとんど人づきあいのできなかった私に不器用に声をかけて少ない友達を紹介してくれて、毎日声をかけて皆で遊んでデートして、最後には毎日仕事を倒れるまで頑張って買ってくれた結婚指輪凄く嬉しかったです。


けどそんな真護が暮らす世界と国を守りたいと思った私の酷く傲慢で、真っ黒い作戦に最後まで突き合わせてごめんなさい。貴方との平凡な日常を望んだのにこの非凡な頭脳で台無しにしてしまってごめんなさい。体が弱いせいで貴方との間の子どを産んであげられなくてごめんなさい。


余生は貴方の好きなように生きて私のこの自分勝手な思いに引きずられる事なく生きてください。




この研究者の記録を読んだ新たなる相棒()を得て進化したガルム改まって英雄フェンリルは、地面に泣き崩れたという。

この世界を科学を悪用して全てを闇で覆い隠そうとした『正義の味方』と呼ばれた犯罪組織を壊滅させ技術ともに海外に逃げようとした幹部達をその牙と爪で屠った時に入手した研究データに紛れ込むように合った研究とほぼ関係ないワードのデータを読んだ時、彼はどんな攻撃でもつく事の無かった膝をつきどんな痛みにも耐えた心を震わせ男泣きに泣いた言う。


そのデータの真相は彼の消息とともに失われており今では誰も語る事はない…。


そこまで雑誌を音読していたのぞみが

「だってさ真護さん!」

などとこっちを猫の様な好奇心に輝かせた目で見ながら言うのをうんざりしながら訊きながら反論する。

「何でお前はそう人の古傷を抉るような事をいうかな~」


「貴方が何時も人の上げ足ばかり取るからこんなふうに捻くれたんですよーだ!」


そう言って子どもの様に(確かに見た目だけはあの時のままだが)頬を膨らませている。

「それが許されるのは高校までだぞ」


「可愛いは正義ですよ真護さん!」


「そんな君は梅干しをプレセントだ!」そう言いながら彼女の頭を拳で挟む。


「アダダダダダダ!!われる頭が割れちゃいますよ!」


「反省したか~」


「した!いやしました!!」


「解れば宜しい。以後気をつけるように」 「たく何時も最後は暴力何だよなーもう」


「何か言ったか?」 「何でもございません!」(ニッコリ)


それを俺は暫く訝しげに眺めていた何時もの事だなと諦め話を戻す。


「それでこれからどこ行く?東西南北で言え」 「うーん、南?」

「海まで出るにゃ途中で燃料と食糧補給しなきゃいけなうぞ?」

「ええ!先月買ったばっかりじゃん!!」

「普通の食料は一カ月ほっといたダメになるの!それなのにお前が安いからってしこたま買ったんだろうが!」

そう言いながら再度梅干しを敢行。


「イダダダダダダ!!!ご、ゴメンナサ-----イ!」


そんな折背後で誰かが「フフ」と笑ったような気がして振り向く。

「―――――?」 「どうかしました?」


「ん?ああなんでもない。それじゃそろそろ行くか!二人とも改造人間とはいえ荒野で野宿はしたくないだろ?」

そう言って数十年来の愛車バイクに跨りエンジンをかけなおす。

「同感です」

そう言って何時も通り私の後ろに後部にまたがり腰をしっかり両手で抱える。


それを確認すると何時も通りのエンジン音を響かせる愛車を繰って此処から近い町に向けて走っていくのであった。

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