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後編


暫くシュロの頭を撫でているとキールの背が地面に着いたようだ。


撫でられて満足したシュロは目を閉じてキールに迫ってくる。

キールは呆然としたが反射神経によりシュロを阻止した。


「ちょ、ちょっと!何しようとしてんの?!」

「キスに決まってるじゃない!」


至極真面目に答えるシュロにキールは赤面になりながら言う。


「いやいやいやいや。私は女の子、シュロも女の子だから!」


キールの言う事がシュロには物凄く不満で膨れっ面をして文句を垂れる。


「精霊に性別は関係ないのよ。」

「見た目!見た目が問題よ!」


キールにパートナーはいないが精霊に関する知識をある程度は持ち合わせている。

確かに精霊に性別は全く関係ない。

個が個らしくいるのが重要事項なのだ。


それをキールは知識としては納得しているが何とも言えない。


キールが悶々と悩んでいるのに反してシュロは嬉々として言い放つ。


「それって見た目だけの問題よね?」

「へっ?」


ギュヴァンと音と共に一瞬で目の前の女の子は男の子になった。


「これで良いだろう!」


満面の笑みで言う男の子バージョンのシュロ。

髪の感じや瞳の色は変わらないが身長はキールよりも高くなり、愛らしい顔立ちは中性的で綺麗な感じになった。


「そういう問題でもないでしょ?!」

「じゃあ、キールはどうして欲しいんだ?」


シュロはキールに迫る。

女の子から男の子に覆い被さられてる現実にキールは辟易しており正常な判断が難しい状況にいる。

顔を真っ赤にさせ、あたふたしているキールをきちんと認識しているシュロはこのチャンスは逃さない。


「キール可愛い。」


そう言いシュロはキールにキスをした。

触れるだけのキスだがキールは更に顔を赤くさせ固まっている。


「ほんと可愛いなぁ。」


真っ赤なキールを抱き締めて額にもキスを落とシュロ。


「ずっと待ってたんだ。一緒にいて、ね?」

「う、うん。」


シュロの熱を帯びた真剣な眼差しと行動に耐えきれずキールは頷いてしまった。

もう一度先程よりも深くキスをされた。

意識が飛びそうな瞬間にここに来た時と同じ男性の声が聞こえた。


「本当にごめんな。でも、ありがとう。」


泣きそうな感じだけど、嬉しそうな感じもしたのでキールは安心してと思いながら意識を手放した。





意識を手放したキールを見てシュロはクスリと笑う。

マーベリーとしては来れなかったけどキールは来て今シュロの腕の中にいる。

シュロの描いていた構図とは少し違うがさして問題はない。

一緒にいられるのが重要事項だからだ。


これから、ずっと一緒にいられるように目移りさせないようにシュロは画策せねばと思うのだった。



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