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密談

 今回は、赤城と翔子がただ会話をする話です。

 それに伴って、筆者目線で書いてますので予めご了承ください。

 話には直接関係していませんので、飛ばしてもらっても構いません。

 昼休み、赤城と翔子が『教室として働けない教室』にて会話をしていた。


 「ナァ翔子」

 「ん? 何よ」

 大きな二段の弁当箱を突っつきながら赤城が話しかける。

 机と椅子は隣の教室から拝借していた。

 「一体キノウの教師はナンなんだ?」

 「あいつがどうかしたの? 確かに変態で気持ち悪かったけど······」

 その返しが気に入らなかったのか、赤城は声を荒げる。

 「キャラ濃すぎだろ! 百合で変態で美人で眼鏡で白衣だぞ!!」

 「ご飯粒飛ばさないでよ……! ―――でもまぁ言われるとそうね·····…まぁ所詮、このあたし様と比べればミジンコ以下の低能な猿よ」

 「······いや、テメェが自分をドウ思おうとカッテだが、アイツはマジでヤベェ。オレたちのキャラのウスさが目立ってきやがった」

 かなりの危機感を持っている様子の赤城だが、翔子は全くそのことに興味が無いようで、

 「ふん、それはあんただけよ。美しすぎるあたしの神々しい姿を見れば、誰だって『キャラが薄い』なんて戯言を言えるはずがないわ」

 「――――――フッ」

 「鼻で笑ったわね!!! このあたしをバカにした罪、五臓六腑を潰された程度で終わるだなんて思ってないわよね!!?」

 先ほどまで淡々とした口調だったのが一気に荒々しくなる。

 「マァマァ落ち着けって。デだ、オレたちもキャラ付けをしねぇか?」

 赤城は笑って誤魔化しつつ、対処策を提示する。

 「ほう、この神々しいあたしに更なるキャラをプラスすることによって『THE・神』に昇華させるのね。駄不良の分際のくせによく思い付きやがったわね。特別に胃だけは勘弁してあげるわ」

 「……·········マァあれだ、とにかくキャラ付けする」

 「そんなのどうするの?」

 翔子が小首を傾げる。それに伴って綺麗な金色の髪が揺れる。

 「ソーだな············祀木みたくコスチュームを着ればイイんじゃね? オマエはドレス着て、オレは執事服。コレならソコソコ目立つだろ」

 「はぁあ……」と翔子は首を振りながら心底呆れた様子でため息をつく。

 「あれはサイだから出来るのよ。あんたが執事っぽい格好したところでコスプレにしかならないし、あたしの今でさえ半端じゃない存在感をさらにドレスを着て増さしたらそれはそれで似合わないわ。今のあたしこそが『完・璧!』なのだから」

 「··················プッ」

 「死ねぇ!!」

 「グォハッ!!! ミ、ミゾオチがぁ………!!」

 赤城が鳩尾みぞおちを抱えて倒れこむ。

 翔子は赤城を心底バカにした目で見下ろして言い放つ。

 「ふんっ、このあたしに逆らうからよ。内蔵を潰してやってないだけでも感謝しなさいよね、このクズトサカ」

 「クッ、クズトサカァ!? オレのカミのどこがトサカなんだよ? 赤いってコトしか合ってねぇぞ!」

 「頭に乗ってるってのも同じね」

 その答えに赤城は表情を曇らせ、

 「………そのヒョーゲンはやめてくれ·········ソノ、本職のカタガタにシツレイだろ……」

 「そ、そうね………。あたしが悪かったわ·········ごめんなさい……」

 「分かればイイんだ分かれば······。―――デ、ドウすんの? イショーがムリなら喋りカタとかか」

 赤城が更なる解決策を提示する。

 「喋り方なんてどうすんの? あんたはそこそこ個性的だけど、女神であるあたしは普通よ。言ってることが徹底的に素晴らしいってだけだし」

 「ソーだなぁ·········タトえばこんなのはドウだ? ゴビにござるを付けるってのは?」

 赤城は翔子の妄言を華麗に無視して具体策を言う。

 「―――こ、こほん―――これでいいのでござるか? ············どう考えたって可笑しいでしょ······どこぞのオタクじゃない……」

 「確かに············」

 「……………」

 「……………………」

 二人はしばし無言のままそれぞれの食事を進めながら思案する。

 「―――あっ! こんなのはどうかしら!?」

 翔子はかじっていたサンドイッチを手で掴んだまま『バン!』と机を強く叩いて立ち上がる。

 「………うっわぁ………で、ドンナのだよ?」

 赤城は机にサンドイッチの中身が散らばったのを嫌そうに見つめてから、ズボンから無地のハンカチを取り出して掃除を始める。

 そんなことは気にも留めず、翔子は偉そうな口調でバカなことを言う。

 「あんたに首輪を付けて、あたしがそれを引っ張るの! どう?なかなかセンスあるでしょ」

 「……Sのな………」

 赤城はせっせと借りてきた机を拭く。

 「え~、なんか不服な訳ぇ~。この神ってるあたしの提案よ? そこは『翔子様の命令とあらば!!』とか言って自分から首輪を差し出すのが道理ってもんでしょうが」

 「オレはMじゃねぇ………」

 「あっ、そうなんだ」

 翔子は隣の教室から持ってきた椅子に座り直し、中身が飛び散ったサンドイッチを齧り始める。

 赤城はサンドイッチの中身をハンカチで包んで、隣の教室から拝借していたゴミ箱の中にぶちこむ。

 「…………」

 「…………………」

 「モーこのカイワは終わりにしよう」

 「そうね」





 一方その頃。

 「ちっ!! なんで俺はこうなった!!?」

 「まってぇ~~~、私の可愛い可愛いお嫁ちゅわぁ~~~~ん」

 祀木は変態先生(眼鏡で白衣で美人で百合)に追いかけられて絶賛逃走中であった。


 「オレたちはキャラが薄くてもイイよな……」

 「そうね。あんな変態になるくらいなら……」

 廊下から聞こえてくる叫び声を聞き流しつつ、二人はそれぞれの教室へと戻っていった。

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