表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/28

ストーキングではありません

 「どうよ!? このイケメン過ぎる私服姿は!!」

 「············まぁ、いいんじゃない?」

 真っ白なワンピースに麦わら帽子という、女神様かと見紛みまごうごとき超絶な可愛さを身につけた金髪碧眼の巨乳美少女、翔子は、投げやり気味に相づちを打つ。

 そのこうごうしい御姿を直視できずにいる俺のいでたちはというと、カチッとしたライダースーツにピチめのジーパン·········まさに『the・オシャレ』!!

 「コンセプトは古き良きハードボイルドと今時イケメンのコラボレーション!! うんうん······自分でも怖すぎるくらいに決まったな(キリッ☆)」

 感嘆ぐらい吐いてもよさそうな場面なのに、どうして翔子は俺に憐れみ視線を向けているのだろう?

 「自分がイケメンだって、ホントにホントに思ってる?」

 「ん? イケてるだろ? 髪もワックスで固めてるし」

 翔子はわざとらしく大きなため息つくと、二つの碧眼を近くの大通りへ向ける。

 そこには、一組の少年と少女がいた。

 右目を眼帯で覆い、右腕が肩から提げられているような包帯ぐるぐる巻きの赤髪の男、トサカ。

 その隣を歩く少女は、オカッパに近いボブカットの、ぬぼーっとした垂れ目が特徴の色白な女の子だった。

 おそらく、この娘が松浦さんとケンカしたという加奈子さんなのだろう。俺はずっと松浦さんを振り向かせるのに忙しかったため、加奈子さんにまで頭が回っていなかったのだ。

 「赤城くんっ! 今日は一緒に遊ぼうね」

 「は、ハァ·········」

 しかし意外だな·········。加奈子さんはもっと「松浦とかちょ~キモいんですけど⤴! ぎゃはははははっ!!」という、髪を金色に染めたガングロギャルを想像していただけに、そのギャップに萌えてしまったぁ!

 「そういえばサイぃ」

 翔子がトサカに目を向けたまま俺に話しかけてきた。

 「ん? なんだ」

 俺も加奈子さんに熱い視線を向けたまま答える。

 「作戦名のことなんだけどさ」

 おっ! 加奈子さんの笑顔ちょー可愛い!! まぁ、松浦さんには劣るけどね······ぐすっ···。

 「えっと···作戦って、『恋のいざこざ第三者第四者が現れてあら大変!! 大作戦!』のことぉ?」

 「そうそれ」

 そういえば加奈子さんと俺の髪型って似てるよな······っえ? 俺ああ見えてんの!?

 「······何か問題でもあるのか? ―――あぁ、もう片一方は終わったから第三者だけにするってことか」

 翔子はトサカを鬼のような形相で見つめながら説明する。

 「え~っと、もともと松浦さんたちって三角関係だったじゃない? ―――つまりね、松浦さんとあの雌豚を第一人者と第二人者とすると……すぅ~、イカレ腐れなすびド変態クソ類人猿中二病患者の下衆極まりない三下ドブキモ屑野郎……が、第三者にあたるんじゃない?」

 「よくできました! よくできました!」

 俺は息を切らした翔子に賞賛の拍手を送る。

 「······ふぅ···つまりね、あたしと変態クズトサカは第四者と第五者にあたるんじゃない?」

 ·······························································。

 「さぁって、監視を続けますか!」

 冷や汗たっぷりの俺とどこか自慢気な翔子の二人は、物陰からトサカと加奈子さんのデートを見守ることにした。





 「おいしい!」

 「だろだろぉ! ココのソフトクリームはマジ絶品だから」

 「·········ね、ねぇ······そのぉ···赤城くんの抹茶味も、くれない、かな?」

 「ヘッ!? いや······ベツにカマわねぇけど·········」

 「それじゃあ、食べさせて」

 「·········あの···ホントっすか?」

 「うん」

 「ハハハハハッ······ソ、そんじゃぁ·········」

 「あ~~~ん······モグモグ·········んぅ、おいしぃ! もう一口、食べていいかな?」

 「またオレが入れるんすか······」

 「うん! 赤城くんに食べさせてもらったほうがおいしいもんっ!」

 「グハッ!!」


 「あ、あのぉ······翔子さん? 綺麗で細い五本の御指が、コンクリ製の電信柱に突き刺さっておられるのですが·········」

 翔子は周りからの視線を一身に受けながら、バキベキという何かが砕ける不快音を辺りに響き渡らせていた。

 「なんでもないわよ、なんでも。あたしは至って正常。ほら、背中からいつものように後光が射しているでしょ?」

 「(それば殺気と言うので――)」

 「あ゛ぁ゛!?」

 「すいません·········」

 俺たちはそんな感じで尾行を続ける。

 時々ハンパじゃない言葉が翔子の口から漏れ出てくるが、無視だ無視! まともに聴いたら精神が崩壊する。

 「ギャッハハハハハァ!! ぶっ殺す···ぶち殺しぃ~~!!! ぐひゃひゃひぎゃぁ!!」

 これでましな方······やばくないっすか·····?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ