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ホルマリン

 「『恋のいざこざ第三者第四者が現れてあら大変!! 大作戦!』のハジまりなんかじゃナいんだからね!? プンプン!! ······ウギャァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」


 顔を真っ赤にして辺りを爆走するトサカ。

 「これは誰得なのよ?」

 「自分でやらせといてそれを言いいますか!!?」

 翔子は相変わらずである……。

 「でさぁ、その作戦てなんなのよ?」

 「私も気になる!! 大体わかるけどなんとなく分からないようなぁ…そんな感じで気持ち悪いもん!」

 翔子と少女が俺を真剣な眼差しで見つめてくる。

 「…………あぁ、二人ともホルマリン漬けにしたいなぁ……ごぶほぉ!!!」

 翔子の鳩尾パンチを食らって倒れ込む俺。

 翔子は何事も無かったかのように少女と会話を進める。

 「ところでさ、あんたの名前はなんていうの? 色々面倒だから訊いとくわね」

 …………………………。

 「…えぇ………そのぉ、どうして赤城君が言ってくれてないのかなぁ!!? あはははぁ………え~、私の名前は『松浦まつうら 愛海あみ』っていうんだけどぉ、きっと部のことも話してないだろうから言っておくけどさぁ…『茶道部』に所属してます……はい…」

 ……………………………………。

 「ふ~ん、松浦ね……………全然面白くないわ」

 ……………………。

 「名前に面白さを求めるの!!?」

 ………………………………。

 「…………ちょっとサイ?」

 「ぐ、なんだ……ちょうの? ぐぇぶる!!!」

 翔子の上履きが背中に突き刺さる。

 「あたしの名前は翔子っていうの。分かったかしら? クズ」

 「わ、分かりました!! ……ぐすっ…」

 頭が朦朧もうろうとしてたからなのにぃ! ………はぁ…………。

 「なんか、その……………いろいろと凄いね……」

 そうだろ? 翔子とか翔子とか翔子とか!

 「むかつくからもうもう一発やっとくか」

 へ!?


 「せい!!」

 「ギャァァァァァァ―――――――――――――――――――ッ!!!」


 この学校は何度悲鳴がとどろけば気が済むんでしょうねぇ!!?







 「サイ……セナカに二か所へっこんでるトコロがあるようにミえんだけど………オレのミマチガいだよな………」

 「これがリアルです……現実逃避すんなよぉ………ケッ」

 俺よりも重傷なトサカが俺を心配してくれる。

 「――――――まぁトサカはMだから俺の基準には当てはまらないか」

 「だからオレはMじゃねぇ!! ………って、イってもムダだよなぁ……………はぁ……」

 俺もトサカと一緒に肩を落とす。

 そこで、

 「サイ、ちゃっちゃと作戦の説明をしなさい。このあたしを待たせるとはどういうことよ? 神であるあたしの時間はプライスレスなのよ」

 「凡人である俺の時間は金で買えるんですね、なら金をください」

 「もう一発やっ―――」

 「説明します!! させてください!!!」

 「うん。分かればいいのよ、分かれば」

 翔子は振り上げた足を下ろす。

 危なかったぁ…………もう一発くらったら冗談抜きで死ぬからね? ごーとぅーへるだよ!?

 「ん~っと………松浦さん? を好きな人を、仮にA君と置きましょう。そのA君に松浦さん以外に好きな人ができたら、加奈子さんはA君が好きな人をどう思いますか?」

 「え~んとぉ…嫉妬、する?」

 「その通りです! 加奈子さんの嫉妬する対象が松浦さんから別の人に移るわけですね」

 世の中そんなにうまく回るとも思えないが、あくまでこれは『第三者』だけの話。

 「次に加奈子さんに新しい好きな人を作ります」

 むしろ『第四者』が本命。

 加奈子さんと松浦さんだけの関係を修復させればいいだけだから、最悪A君は放っておけばいい。

 「加奈子さんに別の好きな人が出来れば、松浦さんに嫉妬する理由は無くなります。元の関係、とまでは行かなくとも、仲が悪くなることはないはずです」

 「でも、そんなのどうするのよ? ナンパでもすんの?」

 翔子が的外れなことを言う。

 「全然違う。俺たち3人の内、誰かが好きになられなきゃいけないわけだけど、俺たちの話術は最悪だ。―――よって、アニメティックなフラグ立てを提案する!」

 「……ヤなヨカンしかしねぇんだけど…………」

 トサカがげんなりとした様子でうなだれる。

 『翔子ダケじゃなくてサイもか………』とでも思ってるんだろうなぁ………。

 本当に俺は何所に向かってんだろう…………『おし~えて~、おじい~さん~♪』……………本当に……。

 「―――俺たちはまた作戦会議始めるので、松浦さんは帰ってもらって構いませんよ」

 「またフモーになるヨカン、ビンビンだな………」

 「あんたが情報渡さなかったからでしょーが、汚物」

 「サスガにヒドくね!?」

 バカな口論を始めた翔子とトサカは無視して、俺は松浦さんを出口に促す。


 「…………あの、皆に任せておいて大丈夫なの?」

 「もちろんです! 泥船に乗ったつもりで安心していてくださいね☆」

 「安心出来ない………」

 自分でもそう思ってますので大丈夫です!!

 何となくの次回予告!

 突如現れた、無駄に爽やかで主人公臭たっぷりの男。その男を前に、サイは何を思い、何を行動に移すのか!!

 次回『ツンデレと鈍感と何かしら』

 「俺が鈍感でありますように!」

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