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sideA‐3

会話文中心。

本当は会話文オンリーで行きたかったけど、現実はそう甘くはなかった……orz

「……それにしても、だれも来ませんね」

「そうだね……」

「……」

「……」




「もしかして、来るところを間違えたとか……」




「やっぱり……そう、思う?」

「それしか、ありえないのでは……」

「……」

「……」

「……ちょっと、確かめてこようか」

「わたしも一緒に行きます……」







廊下を移動していると、二人はある人物にすれ違った。

ウェーブがかっているカーキ色の色素の薄い髪色と、極端に小さい身長が特徴的な少女である。

「――あ、ちょっといいかな?」

「はい、なんでしょう?」

「みんながどこにいるか、わかる?」

「たぶん、下で新しい教科書をもらっているものだと思われますよ?でも、まだ混んでますし、私なんかも待ちきれなくて来ちゃいましたし……」

「(ああ、そうかぁ。油断してたなぁ……)うん、わかった。親切にどうも」

「いえいえ、これくらい当たり前のことですから。困ったときはお互い様ですよ」

「そうだね。あ、名前聞いてもいいかな?ちなみに私は小島玲衣子。隣にいるのが、」

「黒沢愛衣と申します。以後お知りお気を」

「あ、はい。白取心結みゆです。ええと……よく言われますが、この身体でも一応17歳なのでよろしくでしゅ!」

「(……かわいい)」

「(うわぁ、かわいいなぁ……)」

玲衣子は愛衣の近くで囁いた。

「ね、お姉ちゃん今すぐあの子のところまで走って行って抱きしめたい気分なんだけど、どうかな?」

「それはさすがに危ないんじゃないのかな?お姉ちゃん」

「だよね~……う~ん、でも愛でたい!愛でたいけど愛でられないから愛衣ちゃん愛でて我慢する!」

「わけがわからないよお姉ちゃん……」

玲衣子に抱きしめられ、頭を撫でられながらそうつぶやく愛衣であった。




「私、人ごみが苦手なので教室で待っていますね」

「そうはいかないよ。私は曲がりなりにもお姉ちゃんなんだから、一人にさせたら心配で気になって仕方がないもの」

「でも……」

「じゃあこうしようか。わざとぐるっと遠回りして目的地にたどり着く。あっちの窓から見れば、込み具合もわかるだろうしね。あ、そうだ!せっかくだからあの子も誘っちゃおう」

「……そんなに愛でたいんですか?」

「いやいや、それとは話が別。せっかく今まで話したことのない子と知り合えたんだから、とりあえず交流を深めないとね」


「それで、あの子はどこのクラスなんです?」


「……」

「……」

「そういえば……聞いてなかっ、たね……」

「……」


「――まあ、今日のところは仕方ありませんね。でも、大丈夫です」


―――あの子とはまた、会えそうな気がするので


「愛美…ちゃん?」

「行きましょうか」

「えっ?あ、うん……」


***


……ふう。さっきの会話、ちょっと緊張しちゃいました。

お二人ともやはり私のことは覚えていない様子……

でも、焦ることはありませんね。まだまだ機会はありますし。

手始めに次は身の上話を……あ、そういえばクラス名聞いてませんでした……(涙)


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