『物』の進化と『生物』の退化
私が大通りのベンチに座りながら休んでいると、前を『雑誌』が歩いていた。
めずらしいな、と思い私が眺めていると、『雑誌』はすっと自分の顔の皺に爪を入れた。
私はますますめずらしいと思った。
・・・・・捨てられたのかな?
そんなことを思っていると、『雑誌』はおもむろにその皺を上に捲っていった。
「・・・・・?」
何をやっているんだ?
なぜここで『ページを開く』必要がある?
ますます不可解だ。
『持ち主』がどこかにいるのか?
私が見ているのを知ってか知らずか、そのまま『雑誌』は『おすすめのラーメン店』のページを開きながら、どこかへ行ってしまった。
「・・・・・行くか」
私は特にする事も無いので、『雑誌』の後を追う事にした。
「それに、もしも『ゴミ』だとしたら始末しないとね」
私はポケットに入っていたライターを取り出した。