ゴブリン
この作品はフィクションです。
今宵の冒険者、
戦士(男性。独自の疑問と理論を持つ。)
魔法使い(女性。割と素直。)
…今宵も、夕焼け酒場、開店です。
「なぁ、」
「何?」
「ゴブリン、っているだろ?」
「いるわねぇ。今日潜ったダンジョンでも山程出てきたし。」
「あいつらってさぁ。」
「うん。」
「ゴブ、なのか、ゴリン、なのか、どっちなんだろうな?」
「はい?」
「いや、だからさ。率直な疑問なわけよ。」
「うん。」
「ゴブリンは、ゴブなのか、ゴリンなのか、どっちなんだろう?って。」
「うん、あの、一旦飲ませて?」
「うん…、それで?ちゃんと教えてくれる?」
「なんだよ、もう酔ってんのか?」
「酔ってないからこそ疑問が渦を巻いてるんだけど。」
「打率だよ打率!」
「…は?」
「ゴブリンだと、0割5分0厘なのか、0割0分5厘なのか、どっちかわからないだろ?」
「いや…、ちょっと待って?」
「なんだよ?」
「打率低いなっ!?」
「だからこそ、集団で群れてんじゃないの?あいつら。」
「なんでよ。」
「集団で群れてれば打率ちょびっとくらい上がるんじゃね?」
「何そのシステム。」
「どっちだと思う?」
「何が。」
「ゴブリンは、5分か、5厘か。」
「そもそも、なんでいきなり野球?」
「昨日の公式戦で、王国ホーリーナイツが、帝国バルーンアーティスツに負けたからだよ!」
「可愛っ!?何その帝国の野球チーム名、可愛っ!?」
「くっそー!あそこで4番の大天使ミシャエラにタイムリーが出ていればーっ!」
「人間界の野球になんで天使召喚してんのよ。」
「助っ人天界人だよ!」
「何やってんだ天使!」
「ちなみに帝国バルーンアーティスツの4番は魔王グランダリオスだ。」
「何やってんだ魔王!!!」
「あーもー、王国も魔王に対抗して神様くらい助っ人で呼んどけよー!」
「とんでもない話してない?」
「…まぁ、いいや。野球選手なんて、俺達末端の冒険者からすれば雲の上の存在だし?」
「そういう世界なんだ、ここ。」
「そんな世界だから、ゴブリンの打率がやたら低いのも、まぁ納得、ってわけよ。」
「勝手に納得した。」
「俺らみたいな末端冒険者は、安酒飲みながら贔屓のチームの愚痴でも言ってるのがお似合いってなもんよ。」
「やさぐれてるわねぇ…。」
「あ、食うか?王国野球チップス。」
「何この既視感。」
「おまけでカードもついてくるぞ?」
「何この既視感。」
「カードの9割はゴブリンだけどな。」
「詐欺じゃないの。」
「5分ゴブリンとか5厘ゴブリンとか5分5厘ゴブリンとかゴブリンアーチャーとかゴブリンシャーマンとかゴブリンチャンピオンとかゴブリンロードとかゴブリン(赤)とかゴブリン(紫)とかゴブリン(笑)とか。」
「最後の何。」
「まぁ、王国野球チップス、っていうより、ゴブリン満載チップスだよな。」
「購買意欲そそられないなぁ、それだと。」
「ま、王国の財源の7割は王国野球チップスだからな。」
「終わりだよこの王国。」
…本日のお通し。
「里芋の煮っころがし」
…本日もご来店、ありがとうございました。
久しぶりに書いてみました。
相変わらず、ノリとテンポだけで書いております。
お楽しみいただければ幸いです。




