転生後
...体から魂が抜ける感覚を感じた。いや正確には体から体が引き剥がされるような...そんな感覚。
俺の人生...悪かったよ。でもスリルは求めたかった。あのスリルは...よかった。
「目が覚めたか?」
俺は薄暗い空間にいるのに気がついた。俺は死んだんじゃなかったのか?
「...測定!!!」
いきなり部屋の中に怒声が聞こえた。そして俺になにか冷たいものが当てられる。
「魔力量は…0...です」
何を言っている?魔力量? 意識が少し晴れてきた。薄暗い洞窟のような場所...偉そうなやつが1人と同じ服装のヤツらが13人...そして俺は杖らしきものを額に当てられていたのだ。
「魔力のない世界からの者か...処分だな」
偉そうなやつがそのような事を口に出す。
処分?まさか俺の事か?魔力のない世界?ここは一体...
「処分は任せたぞ、アーティア」
「御意!」
俺に赤髪の女が杖を向けてなにか言葉を発している。ここまで来れば俺でもわかる。恐らくここは別世界...俺は転生したということ...魔力という単語からそのようなものがあるのだろう。魔法か...そして赤髪の女がなにか言葉を発しているのは詠唱と言ったところか...俺の体は...なにかおかしなところは無い...縛られたりしてないから自由は利く。
俺は地面にある小石を広い女に本気で投球をした。
「な!?」
女は必死に避けるが杖に小石が当たり杖は折れた。
「なにかしようとしたようだが目の前にいるのは自称最強ヤンキーだぜ?俺ならここいいるやつら一度に片付けることくらい容易だぞ?」
まあ前世は多数相手に負けてるんですけどね
「アシュ様!」
女が偉そうなやつの名前を呼んだようだ。
「ふむ...魔力は0だが素質はあるようだ。合格だ。いいだろう。この世界で生き抜くために魔力を分けてやる。」
何を言ってるんだ?このおっさん。いきなり合格だの魔力を分けるだの...わかりやすいように言えよな。
「つまり何が言いたいんだ?」
「わしは異界から流されてきたものの管理をしてるものだ。魔力が高いものはそのままブレーキシティに転送させ、魔力が0の世界から来たものは今のように試練を与え、合格すれば魔力が使えるようにし、ブレーキシティに送る。不合格なものは別の世界に行ってもらうか農民として生きるかの選択を与える。」
なるほど、おおよそ理解はした。だが気になることがある
「魔力が使えるようにとはどういうことだ?使えなければなにか支障がでるのか?」
するとアシュが口を開く
「魔力が無いものは例外なしに神のいる国に行けば全員処刑される。これがこの世界のルール。」
「なるほど...では次に魔力を使えるようにするには?」
「焦らずともつかえるようにしたるわい。 転換!」
アシュの杖が白く光り、俺を包み込む。
「...?体に違和感が...」
なんか体がおかしいというか言葉では表せない違和感が...
「性転換すれば魔力が0の者でも魔力を受け付けるようになり魔力が宿るようになるのだ。」
...は?なんて言ったこいつ、性転換...だと?なんてことだ。体の違和感を覚えたと思えば俺は女になったということなのか?
「さすがに魔力がない方がいい、戻せ」