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妄想異世界短編集

異世界グルメ 3021年

作者: 王烈夏

古今東西、異世界でも、食の追及をする人は後を絶たない。

魔法の存在する世界で食の追及をする人が望む食材に、聖獣の肉がある。

冒涜と考える者も多いが、市場には良く出てくる。

そう、良く出てくるのだ、希少にも関わらず。


聖獣と呼ばれるものは四種類、天竜、海竜、山亀、白虎。

それぞれの肉に特徴がある。

と、言われているが、定かではない。


・天竜の肉

食べると空を飛べる。

不老不死に成る。(これはどの聖獣も同様)

白い肉で鳥と蜥蜴を合わせたような味。

貴重だからと言って小さな欠片で出てきて、実際はカエルの肉というのが良くある話。


・海竜の肉

食べると水中で呼吸できる。

脂の乗った赤身の肉で大型回遊魚と似た味。

小さな刺身で出てきて、何かの魚の腹身というのが良くある話。

水中呼吸を試して溺れる人が多く出て以来、出回らなくなっているので、忘れた頃にまた出回ると噂されている。


・山亀の肉

食べると身体が大きくなる。

とても硬い肉だが果物の様に甘い。

熊肉の砂糖漬けを焼いて出す店が多い。

山亀は身体も岩でできているという説が有名で、そもそも誰も本物と思って買わない。山亀の居る里の名産品と化している。


・白虎の肉

食べると病気が治る。

臭みのある赤身肉。

四聖獣の内で唯一、教会で育成されていて数が多いので最も偽物が出回る肉。

偽物の元になる動物も多岐に渡る。

病気が関係する詐欺が多い為、法律で取締る国が多い。


昨年、各国の首脳が集まる会議に合わせて聖獣の肉が出回るという噂が流れていた。

そして、それは海竜の肉らしい。

その場合、希ではあるが非常に美味しい物が出回る可能性があるので、王宮の料理人も買いに来るという。

開催する都市にはそれを目当てに人が集まり、お祭り騒ぎになっていた。



首脳会議が終わった後、本物の肉が出回っていたという噂が盛り上がった。

ある店の肉は虹色に輝いていたというのだ。

同時期に、魔王が消滅したという神託が発表されたため、聖獣の肉の御利益だという話や、売っていたのが魔王で天罰が下ったという話もあり、その後数年間は海竜の肉と呼ばれるものが飛ぶように売れていた。

後世に「海竜景気」と呼ばれた出来事である。

一番好きな食べ物は牡蠣です。

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