表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
nobody   作者: 福郎 犬猫
そして少女は魔女になる
63/86

粗雑な魔女4

今日も朝から会議だ

それも改革派の中枢であるファブリス隊長の声掛けにより、ジュリアン王子だけでなく、アレクサンドリーム様とソーニャ様でいる

この会議が何のために行われるか真意は定かではない

そしてさらに珍しいのは、バティスト顧問がいることだ


この人は長年騎士として王家に仕えながらも、改革派の騎士達ともにいる。それが解せない

誰よりも王への忠誠心があったのではないかと


会議が始まると内容はいつもの定例会議と大差なく、滞り無く行われる

その最中急に

「ベルトラン、最近騎士団ないで何を調べているのだ」

ファブリス隊長が急に名指しで話してきた


王の手記のことについては公表していない

知っているのは、ジュリアン様とオーギュスト団長だけだ


「皆さんに報告するようなことではないのですが、天使の目撃情報があるという噂がありまして」

「それは本当か」

他の騎士がざわつく、今のところ天使を見たことがあるのは、マティアス君、ラウル君、ソーニャ様と、ジゼルさんだ

正直な話、存在そのものを疑っている者も多いのだろう

「それが噂では騎士団本部の近くということで、聞き込みをしていたに過ぎません。今のところ目撃者もいませんでしたので」

「それはただの与太話ではないのか」

「かもしれませんね」


改革派の騎士たちは私を責めるような声すらあがった

今の話は全て適当に考えてか話したことなので、それに限っては、彼らが正しい

「天使の存在や目的が定かではないのだから、些細な情報でも集める必要があったのではないかな」


ジュリアン様が騎士たちを諌める

騎士たちは一応は王子の声に従う


この方に王の力が継承されないことこそが何か不自然な気さえする。この半年間彼が表立って国の運営をすることで何とかこの国は保っているというのに

改革派の騎士たちはなにを考えているかはわからないが、特に表立った行動は起こしていない


またつまらない会議が続けられる

ファブリス隊長には直接聞き込みをしたそうだが、そのことについては触れるつもりがないらしい

それは娘の立場を気にしてか、それともこの場で天使の名前を出したくはないのか


あっけないが、議題はもうすぐなくなる

「少しいいかね」


バティスト顧問が小さく声を上げる

それをきっかけに改革派の騎士たちが、同時に黙る


「証をもつ王がいないこの現状をどうするか、いい加減決めないといけないのではないのかね」

「国内ならともかく、国外にまでそれが知れ渡ったらこの国はどうなるというのですか」

クリストフが声を上げる


「そんなものどうでも良いではないか」

空気が凍った、誰も反応することが出来ない


「王子、あなたは優秀だよく頑張った、ここまでこの国があるのは全てあなたの功績だ」

バティスト顧問は王子の元に歩いていく

「ありがとう、でも私1人ではなく、皆の協力があってこそだよ」

「いやそんなことはない、貴方がいなければここまでではなかった。それがねとても煩わしかったのだよ」

「どういうこ」

王子の声はこれ以上発せられることはなかった

バティスト顧問、いやバティストが王子の首を跳ねたからだ


キャー

王女たちの声が響く

バティストはそのまま今度はアレクサンドリーヌ様に斬りかかったが、クリストフがそれを受け止める

その隙にオーギュスト団長とガスパールがバティストを剣を振る

バティストはそれを後ろに飛んで避ける

私はソーニャ様の元につく

「クリストフ、ジゼル早く王女を連れてここを去れ」

団長が叫ぶ

ジゼルは混乱して動き出しが遅かったが、クリストフは団長の指示より先に動いていたので2人の王女を連れ出すことが出来た

団長とガスパールと私は、退路を塞ぐように剣を構える

「貴方はなにをしているのか分かっているのか」

「まさかまだわかっていないのか、調べていたのだろう天使とつながりのある者を」


剣を構える手に力が入る


「俺だ、俺なんだよ、俺こそが女神の信徒だ」

その言葉に動揺したのは、私達ではなく

改革派の騎士たちだった

数名の騎士たちがバティストにどういうことかと詰め寄ると

バティストはその騎士たちを全て切り捨てた

強い

侮っていたつもりはなかったが、何だこの強さは


「バティスト殿どういうことですか」

「どういうことおかしなことを聞くな、私は君たちと同じように責務を果たしているに過ぎないよ」

ファブリス隊長の問にバティストは当たり前のように答える


「責務とは何だ」

オーギュスト団長が問う

「まだわらないのか、まぁいい。女神に仇なす者を全て切る。ただそれだけだよ」


女神に仇なす者

私達の何処が女神に仇なすというのだ


「ジュリアン様の何処が女神に仇なしたというのだ」

「邪魔だったのだよ、おそらく次の王になるのこの子だ。人心掌握という点においてはブレイズよりも優秀だ」

「ブレイズ様は既に死んでいるのはあなたも見ただろう」

「あいつは生きている」


王がまだ生きている

だがあの死体は、あの顔は王そのものではあったではないか

「なにを言っている。じゃああの死体は何だと言うのだ」

「ブレイズの体で間違いないな」

「ならなぜ」

「それ以上は教えんよ。ただブレイズのその愚行こそが女神に仇なすと判断するには十分だ」


問答をする気はないようだ

今はこの人を無力化をして、情報を引き出すことを先決しなければならない


「オーギュスト、ガスパール、ベルトランお前達は今の時代においては優秀な騎士だ。だが歴戦の者達と比べるとちと物足りない」

「王子を目の前で殺された我々にとっては、耳が痛いですな」

「違う、お前達3人で俺に勝てるとまだ思っていることが問題なんだよ」

3人この部屋にはまだ数人の隊長がいる

クリストフと王女を逃がしたのだ直に応援の騎士たちが来る

このことを失念するほど耄碌しているわけじゃあるまい

まだなにかある

「天使の軍勢か」

一か八か声を上げる

「いいぞベルトラン、正解だ。今日でこの国を終わらせることにする。」


そうなると、王女たちも危ない

全てが後手に回っている

どうする誰かが王女たちの元に向かうべきか


「惑わされるな、今からここにいる全員でバティストをとらえる」

「おしいなオーギュスト。ここは殺せて命じるところだ」

そういい終わったあと、バティストはこちらに駆けよる


バティストは老体とは思えない、俊敏な動きだ

確かにこれを殺さずに倒すのは至難のことだろう


だから少なくともこいつを早く殺して、せめて王女たちを王族の血を守らなければ


その決意を嘲笑うかのように鐘の音が響き渡る

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ