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nobody   作者: 福郎 犬猫
2章 少年は我が身で世界に跡を残す
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会敵4

私達は今から部隊室にいる

クリストフさんは今回のことを騎士団長に報告するとその場で別れた


実際にあったことをベルトラン隊長とラウルさんに話す

「つまり君たちはフォルカーにテオ君の協力者はジャン君だと聞いて彼に会いに行ったら彼は謎の化け物で危うく殺されかけたと」

「だから何度もそう言っているじゃないですか」

「いやすまない、こうも立て続けにいろいろ起こると混乱してしまうね」

「で、そんな化け物どうやって追払ったの」

「それがさ、フェリシアがすごかったんだよ」

ラウルさんの問にマティアスが嬉々として答える

「魔法陣の構成もしてないのに光の弾丸で相手を貫いたんだ」

「待ってよ、それで相手死ななかったのかよ」

「ええ平気な顔をして、空を飛んで逃げたわ」

「何じゃそりゃ、何でもありだな」

「テオ君とオルニアスという化物は何か関係はありそうかい」

「わかりません。本人は名前も知らないようなでしたし、王の死も知らないようでしたから」

「恐らく無関係ということだね」

「ただこの短期間に王の命を狙うものが二人も現れるとは何か繋がりがあるかもしれない」

「テオがオルニアスの仲間だって言うんですか」

「そうは言っていないよ、テオ君なら何か知っているのかもしれないと思っただけだよ」

この状況でもベルトラン隊長は冷静だ

「私は騎士団長のところに行ってくるよ。君たちはノルベルト先生のところに行ってフェリシア君の不思議な力について聞いてみてくれ」

ノルベルト隊長はラウルさんを護衛に指名して行ってしまった


私の力とはあの青白い光のことだ

恐らく何かの魔術だと思うのでノルベルトさんに聞くのが一番なのは確かだ


残った私とヨランダさんとマティアスでノルベルト先生の家を目指す


「本当に何もわからないのか」

マティアスが急に尋ねる

「うん、本当にわからないんだ」

「あれは本当に魔術なのかしら」

「魔術じゃなかったら、なんだって言うんですか」

「されそうなんだけど」

私達だけで話していても拉致があかないので、ノルベルト先生の元に急ぐ


「ノルベルト先生いらっしゃいますか」

ベルを何度か鳴らしても反応がない

朝から取り調べで今日は疲れてもう休んでるのだろうか

何気なくドアノブを触ると鍵がかかってないようだ

「先生、フェリシアです。入りますよ」

声をかけても了承の声はない

もう休まれているなら代わりに戸締まりをしないといけない


1階にいないので、やはり2階の寝室だろうかと思ったがそこにもいない

戸締まりを忘れて家を出たのかもしれないが、何か気になる

先生には申し訳ないが、書斎の方も見てみる

するとそこに先生はいた

机に齧って何かをしているようだった

「先生、何をしているんですか」

返事はない

徐々に近づいて、声をかけるがこちらにまるで気づかない

「先生」

肩を叩いて呼ぶと先生はやっと気づいた

「わあっ、フェリシア君か」

「すいません、家の鍵がかかっていなかったので心配で」

「すまない、久しぶりに研究に熱中していたようだ」

先生の机の上を見ると用紙に魔法陣ではない別の術式が書かれていた

私にはかろうじてこれが魔術の術式であることがわかった

「何か私に話があるのではないのかね」

「そうなんです。教えてもらいたいことがありまして、大丈夫ですか」

「何今日はもう止めようと思っていたところだよ」

それは私を気遣って言っていることくらい私にもわかる。あの先生はまるで何かに取り憑かれているようだった、私が止めなければ倒れるまでやっていたかもしれない


私と先生は1階に下りる

私とヨランダさんでお茶の準備をしていると

「マティアスか久しいな」

「先生、お久しぶりです」

聞くと二人も昔からの知り合いだという

小さい頃にソーニャに混じって、先生に魔術を教わったそうだ

「しかし本当に久しぶりだな、お前が騎士になってから王城にもまるっきり顔を出さなくなった」

「それは俺がおいそれと行っていい場所ではないので」

「そんなことはない。何よりソーニャが喜ぶ、それにワシも君に会えるのは嬉しいのだよ」

マティアスは言葉が出ないようだ

「すまないね、それで用とはなんだい」

先生に今日起きたことをありのまま話た

あまり他言していいことではないだろうが、先生は事情を知っているので大丈夫だろう


「化物の方は詳しく分からないが、王の力に近いものなのかもしれない」

「王の力ですか」

「それほどでもないかもしれないが、そのくらいに考えておいた方がいいだろう」

「ただの魔術ならそれだけ高度な魔術を連発していたら、逆に魔力切れで死ぬはずだ」

「それだと死なない方については」

「恐らく何らかの規則があるのではないのだろうか。剣で切られても平気だが、フェリシアに貫かれて引いたのなら、全くの無敵ではないのだろうね」

「それとフェリシアが使った魔術はただの魔力の放出、いや暴走とも言ってもいい」

「どういうことですか」

「言ったとおりだよ、構成も演算省いてただ魔力をぶつけただけだ」

「そんなこと出来るんですか」

「出来なくはない普通の人間がやろうと思えば魔力が足りなくて死ぬ。いいかね魔術とは人間が本来ある魔力を効率良く働かすことで、力を行使するものだ」

「でも、フェリシアはピンピンしてるじゃないですか」

「それは彼女の魔力量が人並み外れているからだ。フェリシアもいいかい二度と魔力の放出は行ってはいけないよ。いくら君とてそう何度も使えるものではないからね」

「わかりました。先生はそういうこともお詳しいんですね」

先生は少し険しい顔をした

「生徒の中に過去に一人、魔力の放出をしても死ななかった人間がいた。そいつは1度使えば気絶していたよ。それでその子の安全のためにも研究もしていたということだよ」

「差し支えなければ教えてほしいんですけど、どなたなんでしょうか」

「レオノールだよ」

先生の娘さんで、テオのお母さんかもしれない人だ

聞きたい話は教えてもらったが、先生が心配になったので

「あのご夕飯まだなら、何か作りましょうか」

「そこまでしなくていいよ」

「取り調べのあと何か召し上がりましたか」

「いや、それは」

作っていきますと言い残し私はキッチンに向かった

「フェリシアってああゆうタイプにはグイグイ行きますね」

「どっかの誰かに似て放っておけないんじゃない」

ふたりが小声で何か言っているようだったが

「二人はどうしますか、ついでに作りますけど」

二人は顔を合わせていた

「ノルベルトさんはよろしいのですか」

「ワシは構わんよ、ただ君たちに用事があるならそれを優先しなさい」

「いえ、ご相伴に預かります」

「報告は明日でいっか、フェリシアちゃん手伝うわ」


その後、4人で夕食を食べた

久しぶりに誰かと食べる食事に心が暖かくなる

これだけ和やかにいられる時間はいつぶりだろうか

夕食を済ませると明日もあるのですぐに帰ることになった

「先生、戸締まりはしっかりしてくださいね」

「わかっているよ、皆さんも今日はありがとう。食事が楽しいと思ええたのはいつぶりだろうか」

「先生また顔を出しますね」

「君たちならいつでも歓迎するよ」

そういう先生の顔は満ち足りてようで、それに安心する

いつか、テオや皆とこんな風になれる日が来ればいいな





私とラウルが騎士団長の部屋に行くと、既にクリストフとガスパールがいた


「おおベルトラン来たか、待っていたよ」

「一体何故私達だけを集めたのですか」

ガスパールはまだ事情を知らないようだ

「ラウル、頼む」

ラウルの名前を呼ぶと彼は部屋の外のトビラの前にたち人払いをする


「相変わらず用意がいいな」

「それはいいですが、何故この人選なのでしょうか」

クリストフが尋ねる

「簡単な話だ、騎士団の中で最も信頼できるのがお前たちだからだ」

「どういうことですか」

「王の指示だ、もし自分に何かあったときは本当に信頼出来る者と事を運べと」

「まさか、王はこうなることを予見していたというのですか」

「落ち着けクリストフ、もしものためと言う話だったがそのもしもになってしまったということだ」

クリストフはまだ納得が言っていないようだが、事が起きた以上話を続けても意味はないと自分で判断したようだ

「それでクリストフ重要な報告とは」

はい、実はと彼が報告を始める

内容はヨランダ君たちから聞いた内容と概ね変わらない。だが相対したのは彼だけなので相手についてはより具体的な報告だった

「なるほどな」

騎士団長は考え込む

「それで次にそのオルニアスという奴と戦ったら勝てるのか」

「恐らく私1人では無理かと、どうすれば死ぬかもわかりませんので」

以外な返答だ。自信家の彼なら絶対に勝つといいそうなものだが、それほど相手が強大ということか

「まるで王の力のような得体の知れなさを感じました」

「王の力とはどういうことだ」

ガスパールが詰め寄る

「言葉通りの意味だ。あんな魔術があり得るとは私には思えない、それに魔力に底があるようにも感じなかった」

「つまり君の判断では相手にはまだ戦い続けられたと」

「その通りだ、あれだけの事をやって苦しい顔一つしなかった」

確かにそれなら本当に王の力のようなものだ

「そこについては今はいいだろう、お前の部下がノルベルトさんの所に行っているのだろう。そこで見解を聞こう」

「わかりました、明日の朝に私とヨランダ君でまたここを訪ねます」

オルニアスやフェリシア君についてはノルベルトさんの話を聞いてから判断することになった


「それでテオ・クレマンについてだが、ベルトラン何か考えは」

「私の隊を2つに分けて、一つはフェリシア君の祖父母から話を聞こうと思います。もう一つは自治区に向かおうかと」

「確かにお前の隊が適任だな」

フェリシア君の祖父母にはフェリシア君が行けば事は安易に進むだろう

自治区の方にはマティアス君の父君であるアンソニー・ローラン氏がいる


「アンソニーさんは本当に信用できるのでしょうか、オイゲンの件も手助けしていた可能性が考えられます」

クリストフが言いにくいことをはっきりと聞く


「アンソニーが何を考えているかは分からないが、少なくとも王を裏切ることは絶対にないと言い切れる」

「何故ですか現に関所の衛兵も山賊を放置していたの話があるのですよ」

「あれと私は騎士学校の頃から知っている間柄だ。あいつほど王に忠誠を誓っていた人間は私は知らないよ」


確かにアンソニーさんは王の指示に絶対に忠実だった。特に武芸に優れていたわけではなかったことから影でそれを妬んだ者たちから、王の犬や風見鶏なんて呼ばれていた

彼がそれを気にしている様子はなかった

剣の国が自治区となって、10年以上たつが、彼は自治区の運営を担当するのは今年で10年目だ

だから式典など以外で王都に来ることはないので私もしばらくはあっていない


「とにかく、ベルトラン任せたぞ。あとこの事は他言で頼む。お前たちには苦労をかけるが今後この国のために力を貸してくれ」


それに一同頭を下げて返事をする

「結局俺たちは特に何もしないがな」

「馬鹿か貴様は、私達までこそこそ何かしていたら隠れて会う意味がないだろう」

「ああ、お前たちはいつも通りで頼む。いざという時戦力として期待している」


こうして私達は解散した

明日の朝にオルニアスのことを騎士団長に話したらそれぞれ任務についてもらう事になる

人員はどうしたものか

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