表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/143

妹の主張(イルフェア視点)

「ねえ、あんまりよくわからないんだけど……ルネリアは、あのサガード様という王子様のことが好きなの?」


 私達が悩んでいると、オルティナがそんなことを言ってきた。

 彼女は、未だに状況を掴めていないようだ。今は、彼女が疑問に思っていることを確かめようとしている所なのだが、それはまったくわかっていないらしい。


「あのね、オルティナ。今はルネリアが、サガード様のことが好きかどうかを確かめようとしているの。ルネリア自身も、まだ自分の気持ちがわからないのよ」

「……そうなんだ。それじゃあ、簡単だね」

「簡単?」


 私の説明に対して、オルティナはそのように言ってきた。

 簡単、まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。私達が悩んでも出なかった答えは、彼女が出してくれそうだ。


「ルネリアは、サガード様のことが好きじゃないよ」

「え?」

「え?」


 オルティナの言葉に、私とルネリアは驚いていた。

 どうやら、彼女の考えは、私とはまったく異なるものであるようだ。


「どうして、そう思うのかしら?」

「……だって、なんか嫌だもん」

「嫌?」

「ルネリアを取られたくない」

「な、なるほど……」


 オルティナの主張は、とても単純だった。サガード様にルネリアを取られたくないから嫌いでいい。そういう考えのようだ。

 それは、オルティナらしいといえば、それまでのことである。ただ、それではルネリアの心は解決することはできない。


「ルネリアは、私のものだもん。サガード王子になんて、渡したくない」

「オ、オルティナお姉様……」


 オルティナは、ルネリアに抱き着いていた。その様子は微笑ましい。しかし、時々これで大丈夫なのだろうかと思うこともある。

 ルネリアだけではなく、オルティナだっていつかは婚約しなければならない。それを彼女は、果たしてわかっているのだろうか。


「ま、まあ、ルネリアもまだよくわからないということよね。その……多分、いつかこれだって、というものがあると思うから、その時を待ってみるのもいいかもしれないわね」

「そ、そうですか?」

「ええ……その時が来なかったら、違うということになるともいえる訳だし」

「わ、わかりました」


 私は、とりあえずそのように話をまとめておいた。

 恐らく、ルネリアはサガード様に好意を抱いていると思う。ただ、それをまだ本人はわかっていない。それを私が言うのは、違うだろう。

 という訳で、こういう形で落としておくことにした。きっと、ルネリアもいつか自分で気付くはずだ。そのように思ったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ