表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/143

彼女の気持ちは(イルフェア視点)

 私は、自室にルネリアを呼び出していた。彼女から、聞きたいことがあったからである。


「お姉様、ルネリアに聞きたいことって、何なの?」


 自室には、ルネリアの他にオルティナがいた。ルネリアを呼び出しに行く時に、偶々廊下で会って、事情を話したら自分も同席したいと言ってきたのである。

 別に隠すようなことではないので、私はオルティナも部屋に招いた。結果的に、姉妹勢揃いとなったのだ。


「実は、ルネリアとサガード様のことについて、少し質問したいのよ」

「え?」

「サガード様? 最近、よく家に来ている王子様だよね? その人が、どうかしたの?」


 私の言葉に、ルネリアは驚いていた。

 その反応で、私は理解する。やはり、彼に何かしらの思いは、あるということだろう。

 一方で、オルティナはきょっとんとしている。サガード様の思いに、彼女は気付いていないようだ。

 なんというか、もしかしたら私達家族は男とか女とか関係なく、皆鈍いのかもしれない。オルティナの反応に、私はそう思うのだった。


「……ルネリアにとって、サガード様は同年代の仲が良い人よね。実際の所、彼に対してどう思っているか、聞いておきたいの」

「どう思っているか、ですか?」

「ええ……こういうことは、あまり言いたくはないけれど、私達は貴族なの。だから、そういう所はきちんとしておかなければならないわ。という訳で、ルネリアに聞いてみたいの」


 私は、ルネリアにそのように切り出した。

 彼女は、その質問に対して黙ってしまう。その微妙な表情は、まだあまりよくわかっていないといった所だろうか。

 エルーズの話を聞いて、早めに動いた方がいいと思ったが、もしかしたら失敗だったかもしれない。

 ルネリアが、自分の気持ちを自覚していない可能性もある。手を打つなら早い方がいいと思っていたが、私の方の気持ちが先走り過ぎていたかもしれない。


「あの……せっかくですから、お姉様に聞いてみたいんですけど、お姉様はキルクス様のことが好きですか?」

「……え?」


 そこで、ルネリアから質問が飛んできた。

 それが思ってもいなかった質問であったため、私は思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。


「私……サガードのことをどう思っているか、自分でもよくわからないんです。だから、お姉様に聞いてみたいんです。もしもお姉様がキルクス様のことが好きなら、それはどういう感情なのかということを……」

「え、えっと……」


 ルネリアは、恐る恐るという感じで私にそう説明してきた。

 その説明で、私は理解する。彼女が、どういう意図であるかということを。

 要するに、彼女は好意というものがどういうものかを知りたいのだろう。自分の今抱いている思いが好意なのかどうかわからないため、それを確かめたいのだ。

 そんなことを聞く時点で、それはもう好意を抱いているということなのではないだろうか。そう思いながらも、私はルネリアの質問にどう答えるべきかを考えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ