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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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聞きたいことは(イルフェア視点)

 キルクス様が帰った後、私は自室にウルスドとエルーズを呼び出していた。彼らと話したいことがあったからである。


「それで、どうして俺達を呼び出したんだよ」

「実はね……ルネリアのことで、話したいことがあるの」

「ルネリアのこと? なんだよ?」


 ウルスドは、私にどうして呼び出されたのか、まったくわかっていないようだ。

 一方で、エルーズはある程度理解しているのか、納得したような顔をしている。

 こういう時、エルーズはとても鋭い。彼のそういう所は、ルネリアとよく似ているかもしれない。


「ルネリアとサガード様のことなんだけど……」

「サガード様……それがどうかしたのか?」


 私が核心に迫ることを言っても、ウルスドはきょとんとしていた。どうやら、彼は事態をまったく理解していないようである。

 ここで、私は人選を間違えたことを悟った。よく考えてみれば、ウルスドも大概鈍いのである。


「姉上、なんでそんな目をするんだ?」

「ウルスド、あなたも大概鈍いわよね……これなら、まだお兄様の方が良かったかしら?」

「おい、なんか俺も兄上も馬鹿にしていないか?」


 基本的に、アルーグお兄様は鈍い。しかも、普段から忙しくしている人なので、今回は呼ばなかったのだ。

 ただ、事情を説明して頼りになる人ではある。ウルスドより彼を呼んだ方が、良かったかもしれない。


「要するに、お姉様はサガード様がルネリアに好意を寄せているということに関して、話したい訳だね?」

「ええ、そうなのよ」

「何?」


 エルーズの言葉に、ウルスドは驚いていた。驚いているということは、彼はサガード様の好意を理解していなかったようだ。

 そのことに、私は驚いていた。あれだけ露骨なのに、気づかないものなのだろうか。それなら、どうしてサガード様がこのラーデイン公爵家に来ると思っていたのだろうか。


「僕も、今日実際に見るまではわからなかったけど、サガード様はルネリアのことが好きみたいだよ」

「そうなのか……」


 どうやら、エルーズも今日その事実を知ったようだ。

 私は、少し頭を抱えてしまう。家の男連中は、どうしてこんなにも鈍いのだろうか。


「ま、まあ、そうなのよ。それで、二人に色々と聞きたいのだけれど……」

「そういうことか……まあ、それなら了解だ」

「僕達が力になれるかはわからないけど、できる限りのことはするよ」

「ええ、ありがとう……」


 二人は、私と話してくれる気になった。鈍い部分はあるが、家の男兄弟は皆優しいのだ。

 それに、私は思わず笑顔になってしまう。本当に、私はいい兄弟に囲まれたものである。

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