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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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指摘される動揺(エルーズ視点)

「……なんだか、今日のサガードは少し変だよね?」

「え?」


 そこで、ルネリアがサガード様にそんなことを言った。

 今日の彼は変。それはそうかもしれない。先程から、サガード様はケリーの言葉一つ一つにひどく動揺している。それは、ルネリアから見れば訳がわからないことだろう。


「そ、そんなことはないと思うんだが……」

「そうかなぁ?」


 この場に来てわかったことだが、ルネリアはサガード様からの好意をまったく気づいていないようだ。

 彼女は、少し鈍感な所がある。それはわかっていたことだが、ここまで露骨でも気づかないようだ。

 もっとも、彼女は時々とても鋭くなる。もしかしたら、些細なことがきっかけで、彼の思いを理解するかもしれない。

 それが、今であるという可能性もある。サガード様の変な様子が、彼女にその思いを伝えることになるかもしれないのだ。


「きっと、サガード様は緊張しているんじゃないかな?」

「緊張?」

「ほら、僕とサガード様は初めて会う訳だし……僕だって、平静に見えるかもしれないけど、緊張しているんだよ」

「そうなんだ……」


 そんなルネリアに、ケリーはそのように説明をした。

 どうやら、彼女もこれでサガード様の思いがばれるのは忍びないと思ったようだ。

 そのことに、サガード様は少し安心したような表情になる。ただ、直後に表情がまた変わった。恐らく、恋敵に助けられて複雑な感情なのだろう。


「まあ、そうだよね。ケリーは、美人だし緊張するよね?」

「え?」

「うん? どうかしたの?」

「あっ……」


 そこで、ルネリアはサガード様に声をかけた。

 その言葉に、彼は違和感を覚えたようだ。恐らく、ケリーが美人という部分が気になったのだろう。


「美人……確かに、まあ綺麗な顔をしているとは思う。だから、緊張する……だが、俺に別にそんな趣味はないぞ?」

「……サガード、何を言っているの?」

「いや、そうじゃないのか……」


 サガード様は、とても混乱しているようだ。

 それは、そうだろう。今まで男の子だと思っていた子が、女の子だったと理解するのは、それなりに難しいことであるはずだ。


「ルネリア、一つ聞いてもいいか?」

「何かな?」

「その……ケリーは、お前にとって兄弟みたいだと言っていたよな? それを具体的に言ってもらえないか?」

「具体的に……? えっと……お姉ちゃんみたいということでいいのかな?」

「なるほど……ありがとう、全て理解できた」


 ルネリアの言葉に、サガード様は天井を見上げていた。

 今、彼の中では、様々な感情が渦巻いているだろう。しばらくは、そっとしておいた方がいいかもしれない。

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