表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/143

せっかくだから(エルーズ視点)

「あ、そうだ。せっかくですから、エルーズお兄様も一緒に話しませんか?」

「え? 僕も? いいの?」

「はい。ケリーも、いいよね?」

「う、うん。僕は構わないよ」

「多分、サガードも許してくれると思うので、大丈夫です」


 ルネリアは、僕のことを誘ってくれた。

 久し振りに会った友達同士の会合に加わるのは、どうなのだろうか。

 そう思った僕は、あることに気づく。今、ルネリアはサガード様の名前を口にしなかっただろうか。


「サガード様? 彼が来ているの?」

「あ、はい。実は、そうなんです」

「どうして?」

「どうしてかは、まあ、色々とあったんです……」

「そ、そうなんだ……」


 僕の質問に、ルネリアは少し困ったような表情をしていた。どうやら、色々と事情があるようだ。

 サガード様がいるからといって、三人の会合に僕が参加していいかどうかは微妙な所である。友達の兄が友達同士の会話に馴染めるものなのだろうか。


「まあ、とりあえず行きましょう」

「え? あっ……」


 僕が悩んでいると、ルネリアが手を引っ張って来た。そのまま、僕は少し強引に連れて行かれてしまう。


「サガード、戻ったよ」

「おっ……うん? その人は……」

「エルーズお兄様だよ」

「いや、それは知っているんだが、どうしたんだ?」

「廊下にいたから、捕まえてきたの」

「捕まえてきたって……」


 客室に入ってきた僕に、サガード様は少し驚いていた。それはそうだろう。友達が急に兄を連れてきたら、誰だってそういう反応になるだろう。


「サガード、エルーズお兄様とも一緒に話すということでいいかな?」

「え? まあ、別に俺はそれで構わないけど……大丈夫なのか?」

「何が?」

「いや、お前の兄上はかなり困惑しているみたいだが……」

「え? あっ……」


 サガード様は、僕のことを快く受け入れてくれた。どうやら、彼は器の大きい人であるようだ。

 そんな彼を見ていると、自分が少し情けなくなってくる。僕の方が年上であるはずなのに、いつまでも困惑しているのはみっともないだろう。


「エルーズお兄様、大丈夫ですか?」

「……うん、大丈夫だよ。サガード様、急に押しかけてすみません」

「あ、いや、別に問題ありませんよ。その……できることなら、仲良くしておきたいとは思っていましたし」

「……うん?」


 そこで、僕はサガード様の様子に違和感を覚えた。僕と話しながらも、彼はルネリアの方を気にしているのだ。

 その様子に、僕はだんだんと事情が理解できてきた。詰まる所、彼はルネリアに好意を寄せているということなのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ