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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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似ている二人(エルーズ視点)

 僕は、少しふらふらしながら廊下を歩いていた。

 今日は、ルネリアの村の村長さんやお姉様の婚約者が来る日だ。そのため、ラーデイン公爵家は大変な状態である。

 大抵の場合、僕はそういう時に部屋に籠っていることが多い。迷惑にならないように、そうすることにしているのだ。


「ふう……」


 ただ、今日は少しだけ部屋から出てきていた。なぜなら、少し気になることがあったからだ。

 ことの発端は、ルネリアとの会話である。彼女からあることを聞いてから、僕はそれがとても気になっているのだ。

 その会話とは、今日この公爵家に来ている人に関係している。僕は、一目だけでもその人に会ってみたいのだ。


「……あの、大丈夫ですか?」

「え?」


 そんな僕に話しかけてくる人がいた。その人は、中性的な顔立ちの女の子だ。服装からして、恐らくは平民だろう。

 僕は、少し驚いていた。まさか、廊下で探していた人と会うとは思っていなかったからである。


「なんだか、辛そうですけど……」

「あ、えっと、大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとう」


 動揺しながらも、私は彼女にそう言った。

 別に、今日はそこまで体調が悪い訳ではない。そのため、まずは安心してもらいたかったのである。


「……君は、ルネリアの友達だよね?」

「え? あ、はい。そうです」

「僕は、ルネリアの兄のエルーズ。君の名前を教えてもらってもいいかな?」

「あ、ケリーです」

「ケリーか。よろしくね」

「よろしくお願いします」


 僕は、姿勢を正してケリーに挨拶をした。

 僕だってこのラーデイン公爵家の一員だ。客人に無礼があってはならない。

 そう思って、少し気合を入れる。最近、僕はもっと頑張ると決めた。今回も、その頑張り所といえるだろう。


「実は僕、君に会いたかったんだ」

「え? 僕に?」

「うん、ルネリアから、君は僕に似ていると聞いてね。どんな人なのか、一目会っておきたかったんだ」

「そうなんですか……」


 僕がケリーに会ってみたかったのは、そういう理由だった。

 彼女が僕に似た雰囲気をしている。そうルネリアから聞いていたのだ。

 そして、実際に会ってみてそれは間違っていないような気がする。確かに、僕と彼女はどこか似ているような感じがするのだ。


「……失礼かもしれませんが、確かに少し似ているかもしれませんね」

「君もそう思う?」

「ええ、不思議ですね……具体的に言葉で表せと言われたら、少し難しいような気はしますけど、僕達は似ているような気がします」

「やっぱり、そうだよね……」


 ケリーも、僕と同じことを感じ取っていたようだ。

 よくわからないが、僕達は似ている。何が似ているかは、わからないがそう思うのだ。

 ルネリアに聞けば、それがわかるのだろうか。今度聞いてみるのも、いいかもしれない。

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