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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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様子がおかしい彼

 私は、ケリーとサガードと客室で話していた。

 初めは驚いていたケリーも、私の友達ということで、快くこの会合を受け入れてくれた。という訳で、三人で話しているのだ。


「……それで、お前達はどういう関係なんだ?」

「どういう関係ですか?」

「ああ……俺はお前とルネリアがどういう関係なのか、気になるんだよ」

「なるほど……」


 サガードは、私とケリーの関係性を気にしているらしい。

 彼にとって、ケリーはいきなり現れた私の友達である。そのため、そういう過去の話というのが気になっているのかもしれない。


「そうですね……まあ、兄弟みたいな関係でしょうか?」

「きょ、兄弟?」

「ええ、ルネリアは僕にとって妹のような存在でしょうか」

「そ、そうなのか……」


 ケリーの説明に、サガードは考えるような仕草をした。兄弟のような関係ということについて、何か悩んでいるようだ。

 それにしても、ケリーはなんだかやけに楽しそうにしている。王子様と話せるということが嬉しいのだろうか。


「兄弟……それは、なんというか絶妙な感じだな……」

「絶妙?」

「あ、いや、なんでもない……」


 サガードは、私達の関係をそのように評してきた。

 それが、私にはよくわからない。一体、何が絶妙というのだろうか。


「つまり、お前達はそういう関係ではないということか?」

「そういう関係? それは、どういう関係でしょうか?」

「え? いや、その……」


 サガードの質問に、ケリーは首を傾げていた。それは、私も同じである。そういう関係とは、どういう関係なのだろうか。

 なんだか、先程からサガードの言っていることがよくわからない。なんというか、今日の彼の言葉はふわふわとしているのだ。


「な、なんでもない……」

「そうですか……」


 サガードは、結局黙ってしまった。彼が何を質問していたのか、それは謎である。


「ああ、ルネリア、そういえばさ、ルネリアとサガード様はどんな感じで出会ったの?」

「え? サガードとの出会い? えっと、それね……お姉様の婚約者に会いに行った時、サガードが私のことを見ていて……」

「ルネリア、それは言わないでくれ」

「え? どうして?」

「恥ずかしいだろう……」

「そ、そうなの?」


 ケリーの質問に答えようとしていた私を、サガードは止めてきた。

 どうやら、この話は彼にとって恥ずかしいことであるようだ。確かに、友達が欲しくて私のことを見ていたなんて知られるのは、少し恥ずかしいことかもしれない。


「そうですか……まあ、それなら聞かないことにしますよ」

「あ、ああ、ありがとう……」


 ただ、やはり今日のサガードは変である。一体、彼はどうしてしまったのだろうか。

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