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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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重なる予定

 村長とケリーがやって来る日は、すぐに訪れた。

 しかし、この日というのが結構問題だった。色々と予定が重なってしまったのだ。

 というのも、イルフェアお姉様の婚約者であるキルクス様も、この日に公爵家を訪ねて来ることになっていたのだ。

 ただ、そこまでは予定通りである。キルクス様はお姉様に会いに来るだけなので構わないと許可ももらっていた。


「いや、その……悪いとは思っているんだが……」


 問題は、そんなキルクス様にサガード様もついて来ていたということである。

 なんでも、ラーデイン公爵家を兄であるキルクス様が訪ねると聞いて、自分も連れて行って欲しいと頼んだらしいのだ。

 最近は忙しかったのか、サガード様は来ていなかった。そのため、それが積もりに積もってこんな形での来訪になってしまったのだろう。


「まあ、別にサガードが訪ねて来るのは私にとっては嬉しいことだから、別にいいんだけど……今日は、他に予定があるんだよね」

「そ、そうなのか……」


 突然訪ねて来るのは、もちろんこちらにとってはそれなりに迷惑なことである。  だが、それでも本来ならそこまで困ることではない。私個人としては、嬉しいくらいのことだ。

 ただ、今日は私に珍しく予定がある。流石に、そちらを優先させなければならないのだ。


「私が村にいた時の村長と友達が、この公爵家に来るんだ」

「あ、ああ、そういえば、兄上が他に客人があるとか、言っていたな……」

「だから、そっちを優先したいんだ」

「そっか……それなら、仕方ないよな」


 王子であるサガードを蔑ろにするというのは、本来なら失礼なことかもしれない。 しかし、私はそんなことで彼は怒らないと知っている。そもそも、私は彼を単なる友達として認識しているので、そういう気遣いはしないと心掛けているのだ。

 そのため、今日は容赦なくケリーを優先させてもらう。友達に差があるという訳ではないが、先客を優先したいのだ。


「……というか、お前が村にいた時の友達というのには、少し興味があるな」

「え? そうなの?」

「ああ、俺も会ってみたいような……」

「そっか……」


 サガードの言葉に、私は少し考える。ケリーからしてみれば、突然王子と会うのは、結構きついことかもしれない。

 ただ、ケリーは結構もの怖気しない性格だ。別にサガードと会っても、それ程問題はない気がする。


「うん、それなら会ってみて」

「いいのか?」

「多分、大丈夫だと思う」


 もしかしたら、二人が友達になるかもしれない。そうなると、私としては嬉しい限りだ。そう考えた私は、二人を会わせてみることにした。

 こうして、私の親友とサガードが会うことになったのである。

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