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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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夜中のお茶会(ウルスド視点)

 エルーズの件を見終わった後、俺達は兄上の執務室に来ていた。

 せっかくだから、三人でお茶でもしようと姉上が提案したからである。

 もう夜中であるため、兄上は反対するかと思ったが、普通に受け入れた。という訳で、三人でお茶しているのだ。


「いい機会だから、少し聞きたいんだけど……二人は、婚約者とどんな感じなの?」

「え?」


 そこで、姉上は俺と兄上にそんな質問をしてきた。

 それは、中々話し辛いことだ。実の姉に、婚約者とのことを話すのは、なんというか少し気恥ずかしい。


「お兄様なんて、もうすぐ結婚するのよね? カーティアさんとはどう?」

「……」

「お兄様、聞いている?」


 姉上の質問に、兄上はわかりやすく目をそらした。どうやら、彼にとってそれは答えにくいことだったようだ。

 それは、そうだろう。実の妹に婚約者とのことを話すのも、気恥ずかしいことであるはずだ。


「イルフェア、お前は最近少し明るくなったな」

「え?」


 そこで、兄上は唐突にそんなことを言った。それは、明らかに話をそらそうとしている。

 だが、その指摘はもっともなものだ。確かに、イルフェア姉上は最近は、なんだか前より明るくなった気がする。


「何か心境の変化でもあったのか?」

「そうね……まあ、ルネリアのおかげかしら?」

「うん? ルネリアが何か関係しているのか?」

「ええ、あの子が嬉しいことを言ってくれたのよ」


 姉上は、嬉々としてルネリアと何があったかを話してくれた。

 どうやら、姉上の心にあった憂いをルネリアが晴らしてくれたようだ。


「なるほど……そっか、姉上もそうだったのか」

「あら? ウルスドもそうなの?」

「ああ、実はそうなんだ」


 姉上の話を聞いて、俺も自分とルネリアの間にあったことを話した。

 すると、姉上が楽しそうな笑みを浮かべ始めた。それは、どういう意味の笑みなのだろうか。


「ウルスドは、婚約者と仲良くしているみたいね?」

「え? あっ……」


 姉上の言葉で、俺は気付いた。俺が今した説明の中には、クレーナとのこともしっかり含まれていたのである。

 なんだか、急に恥ずかしくなってきた。俺は、なんてことを言ってしまったのだろうか。


「……お前達、少しいいか?」

「え?」

「な、なんだ?」


 そこで、兄上がゆっくりとそう切り出してきた。

 その声は真剣だ。多分、とても重要なことを話そうとしている。

 俺も姉上も、それを察して少し身構えた。今までの雰囲気のままではできない会話だと思ったからだ。


「今から俺がする話は、この公爵家に起こっていた問題の話だ。それをお前達には知っておいてもらいたい」

「もしかして……」

「ああ、ルネリアのことだ」

「ルネリアの……」


 兄上の言葉に、俺達は息を呑む。ルネリアのこと、その一言で、兄上がこれから話すことがどれだけ重要か理解できたからだ。

 こうして、俺達は兄上から話を聞くのだった。

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