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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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愛情深い血筋(お母様視点)

「……あの子達も来ていたのね」


 私は、物陰からルネリアの部屋に入る三人を見ていた。

 それを見終わってから、反対側にアルーグ、イルフェア、ウルスドの三人を発見したのである。

 どうやら、考えていることは同じだったようだ。皆、エルーズが朝に言った言葉を気にしていたのである。


「一体、誰に似たのかしら……?」

「……失礼ながら、奥様かと」

「やっぱり……そうなのよね」


 メイドの返答に、私はゆっくりと頷いた。恐らく、これは私の血なのだろう。

 別に自分ではそう思っていないのだが、私はよく愛情深いといわれる。

 これくらい普通だろうと思っていることでも、友人やメイドからはそんな風に言われることが多々あった。そんな私の血が、あの子達には受け継がれているのだろう。


「別に、悪いことではないのですから、落ち込む必要はないと思いますよ?」

「ええ、それはそうなのだけれど……」


 メイドの言う通り、別にそれは悪いことではないはずだ。

 ただ、時々本当に大丈夫なのかと思う時はある。例えば、今回のことなんて、心配し過ぎていると思われるようなことなのではないだろうか。


「率直な意見を聞かせてもらいたいのだけど、私達のことをあなたはどう思っているのかしら?」

「どう思っているとは?」

「その……エルーズが朝食の時に言った言葉だけで、こんな風に集まっている私達のことを変だと思う?」

「……」


 私の質問に対して、メイドはそっと口を押えた。それは、笑いを堪えているような仕草に見える。


「……失礼しました」

「別に構わないわよ。笑いたいなら笑っても」

「いえ……申し訳ありません。ただ、あまりにも微笑ましかったというか……」

「微笑ましい?」


 メイドの言葉に、私は首を傾げることになった。微笑ましい。それは一体、どういうことなのだろうか。


「……家族皆でこうやって心配して、それが変じゃないか気にするのは、なんとも可愛らしい悩みだと思います」

「可愛らしい悩み……そうかしら?」

「ええ、皆さんはただただ微笑ましいと、私はそう思っています。変だと思ったことは……そこまでありません」

「そこまで、ね」


 メイドの答えに、今度は私が笑うことになった。

 要するに、私達には変な部分もあるのだろう。でも、それも含めて、彼女は微笑ましいと思ってくれているのだ。

 それはありがたいものである。どうやら、私達は使用人にも恵まれているようだ。

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