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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第五章 過去編

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意外な出自

 私とリオネクスさんは、客室に戻って来ていた。今は、サガードも含めて談笑中である。


「……あ、そうだ。リオネクスさんに、一つ聞きたいことがあるんです」

「おや、なんですか?」


 そこで、私はとあることを思い出した。そういえば、私はいつだったか、サガードの家庭教師の先生に、とあることを思っていたのだ。

 せっかくなので、それを聞いてみることにしよう。もしかしたら、偶然に偶然が重なっているということが、あるかもしれない。


「私のお兄様……ウルスドお兄様には婚約者がいるんです。その人は、クレーナさんというんです。もしかして……」

「ああ、彼女ですか。ええ、あなたの予測通り、私の教え子ですよ」

「やっぱり……」


 どうやら、私の予測は当たっていたようだ。クレーナさんは、やはりリオネクスさんの教え子だったのである。

 まさか、そこも繋がっているとは。偶然というのは、恐ろしいものである。


「しかし、どうしてわかったんですか?」

「えっと……その思想が似ていたというか」

「思想?」

「クレーナさんは、平民を大切にするように心がけているというか、なんというか……」

「そうですか……私の教えを、彼女は守ってくれているようですね」


 私の言葉に、リオネクスさんは笑みを浮かべていた。なんだか、とても嬉しそうである。


「先生の思想か。そういえば、俺も先生に聞いてみたいことがあったんだ」

「おや、なんですか?」

「先生ってさ。その……平民じゃないよな? 多分、貴族か何かの出身というか……」

「ええ、そうですよ」

「え? そうなんですか?」


 サガードの質問に対するリオネクスの答えに、私は驚いた。なぜなら、そんなことはまったく知らなかったからである。

 てっきり、彼は平民だと思っていた。だが、考えてみれば、貴族の家庭教師なんてしているのだから、貴族というのはむしろ自然なことなのかもしれない。

 ただ、その割に、リオネクスさんは貴族らしくないような気がする。よく村にも来ていたし、色々な役目があるはずの貴族というには少し変だ。


「といっても、もう没落しているんですけどね」

「え?」

「やっぱり、そういうことなんだよな……」


 リオネクスさんの言葉に、私は再び驚くことになった。

 どうやら、彼の家は既に没落してしまっているようだ。それなら、確かに私の疑問は解決する。

 だが、没落というのは、それはそれで驚きだ。それは、とても重大なことであるというのに、彼はまたもサラっと言っている。

 サガードも、それ程驚いていない。彼にとっては、この答えはわかっていたものだったようである。

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