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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第二章 イルフェア編

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姉の婚約者

 私は、イルフェアお姉様と一緒に王城に来ていた。

 なんでも、お姉様の婚約者が私に挨拶しておきたいそうなのだ。

 私が公爵家に来る前に決まっていた婚約だったため、他の人には一通り挨拶しているらしい。それなのに、私に挨拶していないのは変だから、挨拶をしたいということのようだ。

 今は、客室にて、その第二王子を待っている。お姉様の婚約者は、この国の王子様なのだ。


「王子様か……」

「ルネリア? どうかしたの?」

「あ、いえ、その……今まで、雲の上の存在でしたから、その人に挨拶をされるというのも変な感じで……」

「ああ、そういうことなのね……」


 正直な話、私はとても緊張していた。これから会うのは、お姉様の婚約者で、王子様である。そんな人物と会うのに、心穏やかでいられるはずはない。


「でも、大丈夫よ。キルクス様は、優しい方ですから」

「そう……ですよね」

「え?」

「イルフェアお姉様の顔を見ていれば、わかります。キルクス様がいい人だということは……」


 キルクス様は、いい人である。それは、もうわかっていることだ。イルフェアお姉様の彼を語る時の顔が、それを教えてくれている。

 そもそも、私に挨拶をしておきたいという時点で、その人が真面目で誠実であるということは確実だ。普通なら、突然現れた隠し子に挨拶しようなんて、思わないだろう。


「……失礼する」

「あっ……」


 そんなことを話していると、部屋に一人の人物が入ってきた。

 その人は、目つきの鋭い若い男性だ。なんというか、思っていたよりも顔は怖い。


「待たせてしまって申し訳ない。そもそも、本来ならこちらから出向くべきことであるというのに……」

「あ、えっと……お気になさらないでください」


 私に向けて放たれた言葉に、私は困惑した。緊張で、なんと言えばいいかよくわからなくなったからだ。

 なんとか、言葉を発することはできたが、これで合っているのだろうか。イルフェアお姉様もキルクス様も何も言わない所を見ると、特に問題はなかったように思えるのだが。


「さて……私の名前は、キルクス・アルヴェルド。このアルヴェルド王国の第二王子だ」

「ルネリア・ラーデインです」

「ふむ……知っての通り、私は君の姉の婚約者だ。これから、どうかよろしく頼む」

「は、はい……よろしくお願いします」


 キルクス様は、私に対してとても穏やかに対応してくれた。

 初めは怖いと思っていたその顔も、だんだんと優しく見えてきた。それは、実際に話して、彼がとてもいい人だとわかったからなのかもしれない。

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