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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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思わず眠って(エルーズ視点)

「……うん?」

「あ、起きましたか?」


 僕は、ゆっくりと目を覚ました。

 最初に目に入ってきたのは、こちらを覗き込むケリーの姿である。彼女は、笑顔で僕のことを見ていた。その顔は、とても美しい。

 そんなことをぼんやりと考えて、僕はあることを理解した。僕はベッドに寝転がって、そのまま寝てしまったのだと。


「ごめん、ケリー。僕、寝ちゃったみたいだね……」

「別に大丈夫ですよ」

「でも、急に押しかけてきて、寝るなんて滅茶苦茶だし……」

「いえ、疲れていたんでしょうし、仕方ありませんよ。それに、エルーズ様の寝顔を見ているのも楽しかったですから」

「そうなの?」

「ええ、そうなんです」


 僕の謝罪に対して、ケリーはそんなことを言ってきた。

 確かに、彼女は先程笑顔で僕のことを見ていた。楽しかったという言葉に、嘘偽りはないだろう。

 ただ、それでも失礼なことをしてしまった。こちらから押しかけておいて、寝るなんてあってはならないことだ。

 それに、せっかく来たのに寝るなんて、時間がもったいない。時間は有限なのだから、無駄にしたくはなかった。


「……僕は、どれくらい寝ていたのかな?」

「十五分程でしょうか? そんなに寝てはいませんよ」

「そっか、よかった……」


 ケリーの言葉に、僕は少し安心する。

 一時間や二時間といった長い時間寝ていなくて、本当に良かった。十五分ならまだ時間はある。これから、ケリーとの時間を楽しめるのだ。


「……それにしても、エルーズ様は本当にお綺麗ですね」

「え?」

「寝顔を見ていたら、そう思ったんです。男の子にこんなことを言うべきではないのかもしれませんけど、とても美しくて思わず見惚れてしまいました」

「そうなんだ……ありがとう」


 ケリーは、僕を美しいと言ってきた。

 僕は、そういった旨のことをよく言われる。あまりよくわからないが、僕は他人からそう取られるようなのだ。

 こういう時になんと答えるべきなのだろうか。それは、難しい所である。とりあえず、お礼を言ったりするのだが、それであっているのだろうか。


「ケリーも、綺麗だよ」

「え? そうですか? それは、ありがとうございます……」


 僕は、お返しにケリーにも綺麗だと言っておいた。

 それは、素直な気持ちである。ケリーは、本当に綺麗だ。僕なんかよりも、余程美しい。

 そんな僕の言葉に、ケリーは顔を赤くしていた。どうやら、照れているようだ。

 彼女のそんな顔を見ていると、僕の中に別の感想が思い浮かんできた。可愛いとそう思ったのである。

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