表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/143

打ち明ける思い

「……」

「……」


 私とサガードの間には、沈黙が流れていた。

 先程の言葉から、彼は何も話さない。ただ、何かを話そうとする素振りはある。きっと、彼は今言葉を探しているのだろう。

 私は、それを待つことにする。言いたいことは色々とあったが、それを飲み込み、黙っていることにしたのだ。


「ルネリア、俺はお前のことが好きだ」

「サガード……」

「色々と考えたけどさ、結局これしか言葉は見つからなかった。それが、俺の素直な気持ちなんだ」


 サガードは、私の目を真っ直ぐに見つめてそう言ってきた。

 その言葉に、私はゆっくりと息を呑む。すぐに言葉は出て来なかった。だが、言葉を返さなければならない。彼のその勇気ある言葉に、私は応えなければならないのである。


「嬉しい……嬉しいよ、サガード」

「う、嬉しい?」

「うん、サガードがそう言ってくれて、私嬉しいんだ。嬉しいんだよ」


 私の口から出てきたのは、そんな言葉だった。

 それは、今の私の素直な気持ちである。とにかく嬉しかったのだ。彼にそう言ってもらえることが。


「私もね、サガードのことが好きだよ」

「え?」

「多分、そうなんだと思う。だって、こんなに嬉しいんだもん」


 私は、ゆっくりとそのような言葉を発していた。

 色々と考えた結果、私はそう思ったのである。

 サガードに好きだと言われて、私は温かい気持ちでいっぱいになった。とても嬉しくて仕方なかった。

 それは、彼のことが好きだからなのだ。漠然とした考えなのだが、私はそれを確信していた。迷うことはなく、これが答えであるとはっきりと思ったのである。


「ほ、本当か?」

「本当だよ。こんな時に、嘘なんてつかないよ」

「そうか……そうだよな」


 私の言葉に、サガードは笑顔を見せてくれた。

 彼も、嬉しそうである。それはまず間違いなく、告白が成功したからだろう。

 ただ、そこで私はあることに気づいた。貴族や王族の場合、これからどうなるのだろう。


「ねえ、サガード、質問なんだけど……貴族とか王族とかって、この後どうするの?」

「どうする?」

「いや、普通に考えたら、付き合ったりするんだと思うんだけど……」

「ああ、そういうことか……まあ、俺達の場合は、両家の承認待ちということになるかな? 事情は色々と複雑だけど、とりあえず家同士の話し合いがつかないとどうすることもできない訳だし……」

「そうなんだ」


 サガードの説明で、大体のことはわかった。

 要するに、私達がそういった関係になれるかどうかは、王家とラーデイン公爵家の判断次第ということなのだろう。

 それは、なんというか少しもどかしい。私達にできるのは、願うことだけということなのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ