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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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話せない理由

「ねえ、サガード。一つ聞いてもいいかな?」

「な、なんだ?」

「サガードが婚約する相手って、私だったりするの?」

「……何?」


 私の質問に、サガードは固まっていた。

 その反応は、どういうものなのだろうか。図星だったからか、それとも素っ頓狂な質問だったからだろうか。

 ただ、私は思ったのである。私に言うのが、そもそも駄目。彼の婚約者が私であるなら、それも成り立つのではないかと。

 いや、逆にそれ以外なら、どうして私に話すのが駄目なのだろうか。その理由がわからず、私はそんな結論しか出せなかったのである。


「違うのかな? それなら、私に言えない理由も納得できなくはないんだけど……」

「い、いや、そんなことはない……」

「そうなの? だったら、どうして私に話せないのか。その理由だけでも教えてくれない?」

「えっと、それは……」


 私の質問に、サガードはあたふたしていた。

 私の主観でしかないかもしれないが、それは理由を探しているように見える。


「サガード、どの道、それはまだ決まったことではないんだよね? それなのに、そんなに隠さないといけないの?」

「い、いや、別にそういう訳ではないんだが……」

「それなら、どういう訳なの?」

「……」


 サガードは、私の言葉にゆっくりと目を瞑った。

 それは、眠たいからではないだろう。表情からもわかるが、何かを考えるためにそうしているのだ。

 その後、サガードはゆっくりと目を開いた。その表情は、先程までとはまったく違う。真剣な表情である。


「ルネリア、お前の予測はあっている。俺の婚約者になるかもしれない人物、それはお前なんだ」

「やっぱり、そうなんだ……」


 サガードの言葉に、私の心は跳ねた。

 先程まで抱いていたもやもやが、晴れていくのを感じる。私は、彼の言葉に安心しているのだ。そして、同時にそれを嬉しく思っているのである。

 そのことに、自分でも驚いていた。この感情は、一体なんなのだろうか。それを私は考える。


「それをどうしてお前に話せなかったのか。その理由は単純だ。その婚約を言い出したのが……俺だからなんだ」

「え?」

「俺が頼んだんだ……いや、正確には違うな。俺の気持ちを察した兄上が父上に掛け合って、その結果俺が打ち明けることになったということなんだが」

「それって……」


 サガードは、ゆっくりと事情を話し始めた。

 それに対して、私は混乱する。彼の言っていることを総合すると、それはつまりそういうことなのではないかと思ったからだ。

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