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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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暇を潰しながら

 私は、サガードに膝枕をしていた。

 彼は、私の膝の上で眠っている。そんな彼の寝顔を見ていると、なんだか心が落ち着いてきた。私も、少し眠くなってきたのだ。


「……でも、寝たら駄目だよね」


 しかし、ここで私が寝てしまったら大変である。寝返りで、この体勢が崩れたりしてしまったら、サガードが転げ落ちてしまう。

 ということで、私は気を引き締める。ただ、何もしていないとやはり眠気が襲ってくるので、何か気を紛らわすことをしなければならない。

 だが、ここから私は動くことができない。動ける範囲で、暇つぶしを見つけなければならないのだ。


「手元にはサガードしかない……」


 動ける範囲で見つかったのは、サガードだけだった。

 ただ、彼の顔を見ていると眠たくなるだけなので、これでは暇つぶしにならない。


「あ、そういえば……」


 そこで、私はあることを思い出した。

 そういえば、イルフェアお姉様やオルティナお姉様は、私の頭を撫でてくれていたのである。

 寝ぼけながら目覚める時、私はいつもそれを心地よく思っていた。こんな大事なことをどうして失念していたのだろうか。


「よし……」


 という訳で、私はサガードの頭を撫で始めた。

 すると、彼の表情が少し変わる。なんとなく、笑ってくれているような気がするのだ。


「意外と柔らかいんだね……」


 サガードの髪の触り心地は良かった。

 もっと固い印象だったのだが、意外とふわふわな毛並みだ。


「……うん?」

「あれ? ごめん、起こしちゃった?」


 そんなことを考えていると、サガードがゆっくりと目を覚ました。もしかして、頭の刺激で目覚めてしまったのだろうか。


「……何をしているんだ?」

「頭を撫でていたんだよ?」

「……何故?」

「何故……」


 目覚めてすぐに、サガードは私に質問してきた。

 その質問に、私は困った。何故撫でたのかといわれたら、それは暇つぶしだったからだ。

 ただ、それを素直に答えるというのはどうなのだろうか。流石に、まずいのではないだろうか。


「まあ、別にいいか……それより、重たいよな。そろそろ退くよ」

「あ、うん……」


 私が考えていると、サガードがゆっくりとその体を起こした。

 彼は肩を回して、体の調子を確かめている。その様子に、私は当初の目的を思い出す。


「サガード、少しは休めた?」

「ああ、おかげさまで大分楽になったよ」

「そっか、それなら良かった」


 サガードの言葉を聞いて、私は嬉しくなった。

 彼の疲れが少しでもとれたなら良かった。色々とあったが、当初の目的は達成できたようである。

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