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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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緊張と安心

「えっと……まあ、それなら膝枕してもらっても、いいのかもしれないな。まあ、俺も……いや、なんでもない」

「うん?」


 色々と悩んだ後、サガードはそんな結論を出した。

 よくわからないが、彼は少し嬉しそうにしている。私に膝枕してもらうのが、嬉しいということなのだろうか。

 サガードに喜んでもらえるなら、こちらとしても嬉しい所だ。彼が安心してもらえるように、こちらも心掛けることにしよう。


「あ、サガード、ソファだけど大丈夫?」

「え?」


 そこで、私はあることに気がついた。よく考えてみれば、このソファで寝るというのは辛いことかもしれない。ベッドの方がいいのではないだろうか。


「まあ、別に問題はないさ」

「ベッドの方が良かったりしない?」

「いや、別にどっちでもいいけど……そもそも、そんなにがっつり寝たい訳ではないからな」

「そうなの?」

「いや、遊びに来たのにずっと寝て過ごすのは嫌だし……」

「そっか、それもそうだよね」


 サガードの言葉に、私は納得した。

 確かに、今日彼は私の元に遊びに来たのである。決して、休みに来た訳ではないのだ。

 そのため、眠りに関してはむしろ浅いくらいがいいのかもしれない。熟睡してしまったら、それはそれで困るということだろう。


「はい、それじゃあ、どうぞ」

「ああ、失礼する……重かったら、言ってくれよ」

「大丈夫だよ。そんなに重くないって、お姉様達もよく言っているし……」

「いや、それはルネリアが軽いからじゃないか?」

「そうなのかな?」


 サガードは、ゆっくりと私の膝に頭を落とした。

 彼の重さが膝に伝わってくる。ただ、そこまで重くはない。


「うん、やっぱり重くはないよ」

「そ、そうか……」

「サガード、どうかしたの?」

「いや……」


 サガードは、なんだか固まっていた。

 もしかして、私の膝は寝心地が悪いのだろうか。お姉様達の膝は、あんなにも寝心地がいいというのに。


「サガード……私の膝、寝心地が悪いの?」

「い、いや、そんなことはない……ただ、なんだか緊張するというか……」

「緊張する? どうして?」

「どうしてだろうな……?」


 サガードは、どうして固まっているのか自分でもわかっていないようだ。

 それなら、その緊張をほぐす方法はわからない。


「子守歌でも歌ってあげようか?」

「いや、流石にそれはいい……」

「そう?」

「ああ、なんだろうな……よくわからないんだけど、緊張するのと同じくらい安心もしているんだ。なんだか、眠たくなってきた」

「そっか……それなら、良かったよ」


 サガードは、いつの間にか目を瞑っていた。声も眠そうだし、本当に安心してくれているようだ。

 こうして、私はサガードに膝枕をしたのだった。

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