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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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疲れているなら

「久し振りだな、ルネリア」

「うん、久しぶりだね、サガード」


 私は、久し振りにサガードと会っていた。

 頻繁にラーデイン公爵家を訪れていた彼だったが、最近はあまり来なくなっていた。本当に久し振りの来訪なのである。


「ふぅ……」


 客室の椅子に座りながら、サガードはゆっくりとため息をついた。

 もしかして、疲れているのだろうか。ここに来なくなったのだから、最近は忙しかったのだろうし、その可能性は高い。


「サガード、大丈夫? 疲れているの?」

「うん? ああ、少しな……」

「何かあったの?」

「まあ、色々とあったんだ……」


 私が問いかけてみると、サガードは素直に答えてくれた。

 やはり、忙しくしていたようだ。彼は、王子である。きっと、私の想像できない色々なことがあったのだろう。


「疲れているなら、休んでもいいよ」

「休む?」

「うん、お昼寝するのもいいんじゃないかな?」


 私は、サガードにそんな提案をしてみた。

 見た所、彼は少し眠そうである。疲れが溜まって、休みたくなっているのだろう。

 それなら、寝かせてあげたい所である。変にこじらせて、倒れられたりして欲しくはない。


「いや、流石に昼寝するのは……せっかく来たんだし」

「そんなこと言わずに、さあ」

「え?」


 私は、自らの膝を叩いて、サガードに眠るように促した。

 すると、彼は目を丸くする。どうやら、驚いているようだ。


「どうかしたの? サガード?」

「いや、それはどういうことなんだ?」

「え? 膝枕だよ」

「……膝枕?」

「うん、オルティナお姉様とか、イルフェアお姉様とか、私にいつも膝枕してくれるんだ」


 私の言葉に、サガードはぽかんとしている。

 それはなんというか、訳がわからないといった感じだ。


「あ、膝枕がわからないの? あのね、膝を枕にして眠るんだよ」

「いや、それはわかっているけど……」

「そうなの? それなら、どうしたの?」

「いや、そういうことはあまり良くないんじゃないか?」

「良くないの? どうして?」

「どうして? どうしてか……」


 サガードは、何かを考えるような仕草をしていた。

 膝枕が駄目な理由、それについて彼もよくわかっていないようだ。ということは、それは誰かから言われたことだということなのだろう。

 そういえば、私も聞いたことがある。貴族の男女が触れ合うのは、はしたないことだと。

 つまり、サガードはそれを気にしているということなのだろう。


「サガード、大丈夫だよ。ここには、私達しかいない訳だし、それに私達は貴族である前に、友達なんだし」

「友達……友達同士で、そういうことをするものなのか?」

「え? えっと……あ、ケリーも膝枕してくれたよ」

「それなら、いいのか?」


 サガードは、頭を抱えていた。

 やはり、王族として、そういう所はきちんとしておきたいのだろうか。

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