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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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支える役目(アルーグ視点)

「アルーグ様、私はあなたの言葉は立派なものだったと思います」

「そう言ってもらえるのはありがたい」

「お世辞ではありませんよ。本当にそう思っています」


 カーティアは、俺に対してそのように言ってくれた。

 しかし、俺はそれでも自信が持てない。自分の言ったことが、正しかったのかどうかが。


「アルーグ様って、意外とそういうことを引っ張りますよね?」

「何?」

「ずっと思っていましたけど、一人で抱え込むというかなんというか……」

「む……」


 カーティアに言われて、俺は少し考える。

 確かに言われてみれば、俺は抱え込むタイプかもしれない。

 何しろ、初恋の女性を何年も引っ張っていたのだ。それを抱え込むタイプといわずして、なんというのだろうか。


「最近は、私にある程度は預けてくれているようですけど、それでも根本は変わっていないようですね?」

「そうなのか?」

「ええ、そうなのです」


 カーティアは、自身満々にそう言い切ってきた。

 彼女は、俺よりも俺のことを知っている。そんな彼女が言うのだから、それは間違いではないだろう。


「アルーグ様、忘れているかもしれませんが、私はラーデイン公爵夫人になるんですよ?」

「忘れてなどいない」

「それなら、もっと頼りにしてください。あなたが公爵家を導く役目があるというなら、それを支えるのが私の役割です。そのことを、よく胸に刻んでおいてください」

「なるほど……」


 俺は、ゆっくりとそう呟くことしかできなかった。カーティアの言葉が、驚くべきものだったからだ。

 俺のために、そこまで言ってくれる。そんな彼女の心意気が嬉しかった。

 もう何度目になるかはわからないが、つくづく思う。俺は、婚約者に恵まれたものである。


「……お前には、これから迷惑をかけるかもしれないな」

「え?」

「む? どうかしたのか?」

「い、いえ……」


 俺がふと呟いた言葉に、カーティアは少し動揺しているような気がした。

 しかし、俺は別におかしなことは言っていないはずだ。


「アルーグ様は、そういうことをすっと言いますよね?」

「……どういうことだ?」

「無意識で言うから、質が悪いのでしょうか?」

「何を言っているんだ?」


 カーティアは、俺に色々と言ってきた。だが、その言葉の意味はよくわからない。彼女は、一体何を言っているのだろうか。


「それで、こういうことを言っても意味がわかっていないのが、また質が悪いというか、なんというか……」

「……」

「まあ、そういう所も含めて、私はいいと思うんですけどね」

「そうか……」


 色々と言っていたが、カーティアはそうまとめた。

 よくわからないが、そう言ってもらえるということはいいということなのだろうか。

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