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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
第七章 日常編

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結婚するなら(アルーグ視点)

「そういえば、貴族の結婚式というのは、どういうものなんですか?」

「え?」

「私、そういうの初めてで……何か、特別なこととかあるんですか?」

「ふむ……」


 そこで、ルネリアはそのようなことを聞いてきた。

 貴族の結婚式、それは彼女にとって当然初めてのことである。ルネリアは、まだ貴族になって日が浅い。貴族の結婚式に参加する機会など、なかったのである。

 ただ、その言い方的に、結婚式自体には参加したことがあるようだ。


「ルネリア、お前は結婚式に参加したことがあるのか?」

「あ、はい。村で暮らしていた時、参加したことがあります」

「それは、どういうものだったのだ? 俺もある程度の知識はあるが、平民の結婚式に参加するという機会はなかったため、聞かせてもらいたい」

「え? あ、そうですね……よく考えてみれば、アルーグお兄様やカーティアさんは、平民の方を知らないんですよね」


 とりあえず、俺は平民の結婚式について聞いてみることにした。

 いや、正確にはルネリアの体験した結婚式というべきだろうか。

 平民でも貴族でも、結婚式の様式というのは一つではない。まずは、ルネリアの体験したものを聞いた後の方が、こちらも説明しやすいものだ。


「えっと、私の村では、結婚式は皆で準備して、村人総出で祝うんです」

「村人総出か」

「はい。村の仲間が幸せになるのだから、皆で盛大に祝う。それが、私のいた村の風習だったようです。あ、でも、これは村での風習ですから、他の村だと違うのかもしれませんね」

「ああ、そうかもしれないな……」


 ルネリアは、ゆっくりとした口調で語ってくれた。

 その顔は、少し楽しそうだ。昔のことを懐かしんで、そういう表情になるということは、それは彼女にとって良き思い出なのだろう。


「ルネリアちゃんは、何回結婚式に参加したの?」

「えっと……覚えているのは、二回です。ただ、小さい頃に一回参加しているみたいなので、合計は三回です」

「そうなんだ。結構参加しているんだね」


 カーティアの質問に、ルネリアは笑顔で答えた。

 彼女がどのような結婚式に参加していたかは、大体わかった。次は、こちらのことを話すべきだろう。

 俺は、自分が今まで体験してきた貴族の結婚式のことを思い出す。それを思い出して、ルネリアに何を語るべきかは決まった。それは、あまり明るいものではないかもしれない。

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