表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神成りの娘。  作者: みやこ嬢
1章・すべての始まり
7/97

第6話:御水振《オミフリ》

 あたしの声に応じて喋ってくれたのは七つのうちの一つ、青色の光だった。その他の光は点滅したり、部屋の中をぐるぐる飛んだりするだけ。


「あ、あの、どちら様ですか?」

『私の名は御水振(オミフリ)其方(そなた)に宿る魂の一つ』

「おみふり、さん?」


 怒らせないように丁寧に聞いてみたら、凛とした声で答えてくれた。

 それにしても変わった名前だなあ。


『これまでずっと見守ってきたが、こうして其方と話せるようになるとは思わなかった』

「いつも?」

『如何にも』


 ちょうど目線の高さに合わせて浮かぶ青い光。声は大人の男の人だ。つまり、御水振さんは男ってことだよね。


「……あの、見守るって、二十四時間?」

『当然だ』


 あああああああーーーーッ!!?


 それって、着替えやお風呂も見られてたってこと?

 いやいやいや、ダメでしょそれは。いくらオバケでも、男の人に見られただなんて恥ずかし過ぎる!!


『我らはオバケではないぞ』

「あ、ごめんなさい。…………えっ?」


 今、声に出さなかったよね?

 心の中まで監視されてるの??

 プライバシーの侵害じゃない???


「心は読まないで!」

『今更だと思うが』

「いいから、お願いします!!」

『……わかった』


 お、快諾してくれた。

 ホントに心を読むのをやめたかどうかは確認しようがないけど、堂々とやられるよりはマシだと思おう。


「あれ? 二十四時間見守ってるはずなのに、なんであたしの部屋に? ずっとくっついてるわけじゃないんですか」

『普段は其方の側にいる。……だが、先程急に弾かれて部屋(ここ)に飛ばされたのだ』

「はあ……」


 どういうことなんだろう。


 ていうか、光の塊が喋ってるって不思議。頭の中に直接声が響くみたいな感じ。


「あの、他の六つの光は喋らないんですか」


 さっきから、あたしの周りをふわふわと漂う六つの光。赤、黄、橙、紫、緑、そして藍。青色の御水振さんと違って何も喋らない。


『今も語り掛けておるが、其方には聞こえておらぬようだ』


 御水振さんの言葉に賛同するように、光がくるくるとあたしの周りを飛び交っている。

 そうか、喋ってるけど聞こえてないだけなんだ。


『何故私の声だけが聞こえるようになったのかは分からぬが、……また其方と言葉を交わせるようになって嬉しい』


 青い光がフッと笑った気がした。


 そんな風に言われちゃうと邪険に出来ないじゃん。お兄ちゃんの言う通り、悪い人(人?)ではなさそう。


「でも、それとこれとは話が別ッ!」

『何故我らを部屋から追い出すのだ』

「あたしは着替えたいの!!」

『其方の裸体など見慣れておるというのに』

「あああああバカバカバカ!! 着替えとお風呂とトイレの時はどっか行って!!!」


 見られてると分かって許すわけないでしょ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ