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6話 海の噴水

 海の噴水


「転移成功ね。飯野、サターンの居場所は何処?」


師匠は、魔力で光源を作り、周りを見渡すと、渦潮を見つけ、指をさした。


「あの渦の下だ。あの下に空洞がある」


「結構激しく渦巻いてて、怖いんだけど、でも下に空洞? どうなっているの?」


「下層の下の方は水が溜まっているだろうな。ただ中は空気だまりになっていて、呼吸は可能だ」


「だとしても、水が満タンになるんじゃないかな~? その水は何処に消えるのかな~?」


「あれだ」


そう言うと、さっきから僕が気になっていたけど、多分鯨が潮吹きしているのかな。そう思っていた物を指さす。でも、そのうち止まるはずだと思うんだけど。


「あれ? ずっと出ているね。それに鯨ならもっと動くはずだもんね。一か所で止まっているよ」


「あれは、噴水だ」


「噴水? なんでこんなところに~?」


「噴水!? けどこんな所に在って何になるのさ!」


「これは、一番簡単な噴水の原理を応用して、作られたサターンの隠れ家だ。簡単に言うと、あの噴水で、中に空気があることの証明になっている。ちなみに中は、上層と下層に分かれていて、上層にサターンの眠っている棺が在るはずだ。そして最初に訪れるは下層。そこから上層に上がるのだが、下層で一旦水の中に入る」


「それって結構危険よ。どうするのよ」


「防壁を張りながら、渦に入る。水面に入って、出来るだけ、威力がない、水深が深いところまで潜り、通り抜ければ行けそうか?」


「なんで疑問形なのよ! ん? あれ、なんか渦の中から、せり上がってくるわよ」



巨大パイプのような物がせり上がってきた。おそらくあれが、下層まで行くための穴だと思うけど、なんでせり上がってくるんだろう? 来いって事かな?


「ちょうどいい、行くぞ」


「ええ」


「わかったわ~」


「ええ、罠かもしれないよ」


「確かに、軍が先に入り込んでいたら、罠かもしれない。だが、敵からすると、自分たちの襲撃なんて、予測もできない」


「なんで?」


「とりあえず入ってから説明する。行くぞ」


「う、うん」


皆で、パイプの中に入る。これなら水に当たること無く入れそうだ。


「どうして、僕たちの襲撃が予想されないのかな」


「簡単だ。少数で、部隊と戦う馬鹿がいるか! というのと、この場所を知っているはずの者は全員死んだことになっている」


「成程ね。確かに、飯野も死んだって話になっていたわよね」


「いや、自分は知らない側の人間だ。知っていたのは、妹と、その友達の一人と、そのおつきの者だ」


「そっか……、じゃあ、安心して攻撃できるね。で、師匠は何でここを知っていたのかな」


「ああ、それは、妹が来た際に、使い魔の映像で見ていたからだな。妹たちがいなくなってからは、月に一度、ここに使い魔を送り込んでいた」


あ、師匠が少し悲しい顔をしている。たった一人の妹だったって言ってたけど、やっぱりつらいんだろうなぁ。しかしその顔はいきなりきりっとして、


「気づいたかしら? 飯野」


「ああ、この魔力吸収は、皐文か」


「お主が行ったほうが良いわね。儂たちは先行しておくから話してきなさい」


「そうだな。そちらは頼んだ」


師匠は、今来た道を引き返し、上に向かう。もし、敵がいた場合は3人でどうにかしなきゃいけないのか。どうしよう。とりあえず、下層の人数をスキャン開始。え、12人いる? ってことは、


「敵を発見だよ。下層に12人。戦闘用意だね!」


「ええ、解ったわ。光、戦闘準備! 後、犬飼さんはどうやって探ったかは後で教えてね」


「分かりました!」


僕は、圧縮して持っている、刀を解凍して、持ちつつ、下層に下りると、そこには武装した人たちが、一か所に集まり、機械を弄っていた。


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