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比翼のインスタントサモナー  作者: 月読雨月
4章 火の機械世界
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11話 空母炎上

 空母炎上




「あ、見えてきた。雛、戦闘機飛ばして!」


「りょ、了解!」


「私も飛ばすわ、ただ無人機になるから、そこまで強くないわよ」


「え、なんで?」


 雛の言葉は尤もだと思う。マーキュリーはそれに対して、


「あ、知らないのかしら、雛は。人が乗ると、その人の力も加算されるのよ」


「……は? 何そのユニット式は、じゃあ、色違い機体にあたしが乗ったら最強?」


「それが、あなたの中の最強になるわね。あと色違い機体じゃなくてエース機ね」


 話し盛り上がっているなーと思いつつしょうがないから、


「どうでもいいけど、そこの二人、僕と光も出るから早くしてもらえると嬉しいな」


「あ、ハイ」


 3人で空に上がる。そこで基地を見るとアレ? やけに静かな気がする。みんなも同じようで、


「なんかおかしくない?」


「うん~、静かだね~」


 次の瞬間、船が炎上した。


「マズイ! 皆が!」


「と、とりあえず、水のサモンエッグと~風のサモンエッグでみんなを助けないと~」


「そ、そうだね」


 僕は、サモンエッグをばら撒いた。うまく水の上に落ちた水のサモンエッグと周りで展開した風のサモンエッグ。しかし、いつの間にか艦艇が姿を消す。そしてその艦艇があった海上には人影が見える。なら、木を刺した木のサモンエッグと音のサモンエッグを投げて、大声で叫ぶ。


「ああああああー!」


 よし、青龍とセイレーンが召喚できた! これで救助はできそう。そう考えて、周りの敵に、金羊を仕向けていると、


『雛! 何しているんだい!』


 皐月さんが焦った口調で、雛を呼ぶ。救助はうまくいったみたいだし、それは良さそうなんだけど、他に焦る要因があるみたい。


「あれ、なんであたし怒られているの」


『あ、ごめん、忙しすぎて、口調が荒くなっちゃった』


 あ、雛さんが、怒られていると誤解している。まあ口調が強かったからねー。


「いいよ、今は敵艦載機を倒しているところ」


『分かった。ならついでに、潜水艦も倒してもらえると嬉しいな』


 潜水艦。それなら僕も戦えるかな?


「ごめん場所が分からない」


『大丈夫、一隻だけだから。今こっちに向かっているっぽくて、今君の向きから6時方向、40キロメートル位にいる。だからそこに、何か爆撃かなんかで攻撃して!』


「うん、分かったよ! 直上に来たら教えて!」


『それだと、1時間ぐらいかかっちゃうよ!』


 多分、索敵時間がそれぐらいかかるって事かな? でも水中の敵なら、僕の水魚が行ける!


「なら、僕に任せて」


「え?」


 僕は、戻ってきた水のサモンエッグを6個投げ込む。よし、召喚成功。水中に五基の魚雷が向かっていることが判明。なら! 五匹の水魚を魚雷にぶつけて、潜水艦に最後の水魚をぶつけた。


 「OKだよ!」


『撃破成功こっちでも確認したよ。あとこっちも皆救出してもらったよ。奇跡的に皆軽傷で済んでいるから大丈夫。どこかで立て直そう』


「でも、どこで立て直す?」


『ゲホッ! 私たちのアジトに移動するっていうのはどうかしら?』


 え、今の声誰?


『大丈夫かい? えーっと、魔法少女の……』


『エンジェルライトよ。とりあえずリーダーなんだけど、影、薄いのかしら?』


 成程、さっき合流したこの世界の魔法少女かぁ。


『とりあえずそこに行こうか。サターンさん頼めるかな?』


『ああ、いいだろう。場所は?』


『ハワイの……ここよ。場所データ、送ったわ』


『成程、距離なら稼げるな。みんなこっちに集合! ワームホールを展開する!』


「分かった」


「うん~」


 敵の攻撃を避けつつ、サターンさんに接近、皆が集まってワームホールに入った。


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