2話 ドタキャン
ドタキャン
三人ともくたくたになって、それでも、次は褒められたいと思って、船内で連携攻撃の作戦を練っていると、ドアが開いて、
「悪いが、明日の朝に出港するぞ」
ドアが開いたけど姿は無し……じゃない、師匠だ。本当に、気配がないなぁ。
「ドユコト? 僕は明日用事あるんだけど」
「ならキャンセルだ。明日からすごく忙しい。自分はさっき機械世界の強制転移機を破壊してきたところだ。これによって、他の所、同じ座標なら転移可能だ。だから、機械世界に仕掛けをしに行く」
「ア、ハイ。しょうがないかな。わかったよ。僕たちはどこに行けばいいの? と言うか、仕掛けるっていうのは攻撃を?」
「いや攻撃ではなく、各地に行く。そして、この機械を置いてきてくれ」
「な~に、これ~? ホログラム~?」
「ちょ! いきなりボタンを押しちゃだめだよ。もし兵器だったらどうするつもりだったんだい!」
「ごめ~ん。で、これ何~?」
思わず僕は、光ちゃんにツッコむ。あんまり意に介していないように、ニコニコしたまま光ちゃんは返してきた。その暢気な僕たちを見て、飯野師匠は、
「……はあ、これは、光の言った通り、ホログラムだ。それ以上でも以下でもない」
「どう使うの?」
「だから、ただただ立体映像を映すだけだ、だが、それを人気のない場所に置いて来てもらう」
「え~、いいよ~」
「どっちなんだよ。まあ、それを置いておくだけでいい、簡単な仕事だ」
「本当かな? それだけでいいのかな?」
「いいんだ」
「でも、それでどうするんだろ~。何か重要なことなの~?」
「分からん。だが、保険だと聞いている」
「保険?」
「ああ、発動させなければそれが一番いいって事だ」
「へー。でも用意するんだね」
「ああそうだ。少し時間がかかるがやっておく価値はあるそうだ」
「分かったよ。で、どこらへんにその機械を置くのかな?」
「ああ、それだが、世界のいたる場所においてもらう」
「「「は?」」」
あ、いままで黙っていたアミさんも声をあげた。そりゃビビるよね。どういう事なんだろう?