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比翼のインスタントサモナー  作者: 月読雨月
4章 火の機械世界
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1話 火の機械世界

 帰省と修行




 特訓の日々、と言っても、特訓開始時間が20時とかのため、お昼間は楽しく過ごしていたりするんだけど、それでも、特訓はキツイ。眠いうえに、暗いから見えにくい。唯一の救いは、生まれ故郷に帰ってきていることかな? お母さんには怒られたっけ。お婆ちゃんも心労で倒れたって話してたし、申し訳ないなぁ。ちゃんと後で退院したらごめんねって言おう。そしてお母さんは、ちゃんと帰ってきてくれてよかったって言ってたっけ……。


「ご馳走様! お母さん、ご飯美味しかったよ」


「ご馳走さま~。美味しかったよ~」


 特訓以外の時は、家に帰って、本読んで光ちゃんと笑いあったり、一緒にゲームしたりしている。夕方になると、空母に行って、特訓の準備を開始する。それが最近の日課だ。


「ありがとうね。けど、帰ってきたのに、また出かけるんでしょ?」


「うん、そうだね。人探しは終わっていないから、頑張るんだ」


「おか~さん、あたしが奈波ちゃんを守るから大丈夫だよ~」


「まあ、かわいい騎士様ね。けど無茶しないでね」


 と、お母さんが光ちゃんの頭をなでている。仲良くなってくれてうれしいけど、なんか複雑な気分かも?


「夜ご飯も食べ終わったし、ちょっと出かけてくるね」


 二人で出かける準備を開始する。今日の特訓の内容は、いつも通りの連携と、え、座学もある。めんどいなー。




「来たよー、師匠。ってあれ?」


 居ない、いつも空母の桟橋の所にいるのに。


「お、来たか。今日から我が特訓を見ることになった」


「へ~、サターンさんが見てくれるんだ~」


「ええ、飯野とヴィーナス様は戦争の準備に出向いている。それは使いたくない手だって言ってたがな。だからこそ、透明人間の二人に水面下で動いてもらうってわけだな」


「え、なんか作戦を立実行しているって事? それとも引き抜き?」


「作戦実行だな。まあ、あの世界に仕掛けを一つってところだ」


「へ~」


「とりあえず、特訓だな。公園でやるぞ!」


 僕たちは真面目な態度で背筋をピシっっとして、気を付けの姿勢を取り、


「「分かりました!」」


 公園に向かっていく、そういえば、戻ってきてから真美ちゃんに会ってないなぁ。明日会いに行こう。そう考えていると、


「奈波、何か心配事か?」


「うーん、心配事ではないけど、真美ちゃんに会いたいなーって思って」


「成程、奈波はこの町の出身だから友もいるか。まあ明日にでも行ってこい」


「うん、そうするよ。今は集中だよね」


「ああそうだな。で、そろそろアミが来るか?」


 確かに夜が更けて来た。公園の木が揺れる。その裏から、


「来たよ」


 と、アミが顔出した。


「来たか。 なら始めるぞ」


「「「はい!」」」


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