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PVP

何故か今日二度目。



俺と悪役貴族令息が規定の位置につくと、何処からか現れた審判が壇上に立つ。



「ではこれより、ナノシア殿下対ババルゲ子爵令息のPVPを行います。ルールは10分制のダメージ総量に基づく秒間ダメージ量となります。武器、アイテムの使用は禁止。魔法や体術のみの戦闘になります。

決闘(デュエル)中は死亡判定は下されず、ダメージ量の表示が行われます。但し、痛覚は無効にならないためお気をつけください。では、カウントを始めます。


10,9,8,7,6,5,4,3,2,1………………Ready Fight!!」


審判の掛け声と共に、俺はババルゲの元に向かって一直線に走り出す。


ここで解説をするのが、『マジック&ガールズ』におけるPVP………つまりプレイヤーVSプレイヤーの概要についてだ。

『マジック&ガールズ』は、他のストーリー系ゲームにはないマルチワールド制というものがあり、原作ストーリーには自分自身が操るPC以外現れない。

それは原作ストーリーの崩壊を招くためという理由や、PK専門の変人たちの手からストーリー勢を守るための役割がある。


逆に、オープンワールドと呼ばれるMMORPG系のワールドがあり、そちらはチート(不正ツールなど)以外ならばPKもシステム内結婚もボイチャもレイドも何でもありの世界だ。基本的に何処に行こうが問題ないため、俺はそちら側のワールドを基本的に探索していた。


そしてPVPシステム…………正確には『学園決闘システム』というのだが、オープンワールドのPCは皆『マジック&ガールズ』内の学園生という設定であり、それに連なるイベントなどが開催されてきた。

例えば、件のカボフェスなどもそうであるし、聖夜のブラッキーサタンクロスなどもそうである。

話がズレたので戻すが、学園決闘システムとは、運営が主催するバトロワの簡易版、縮小版、改変版である。


公式版の決闘は、タイマンによる時間制限無しのガチンコバトルなのだが、個人やクランで行う決闘の場合はその限りではない。


例えば動く的を撃ち落とすシューティングバトル。盤面の駒を動かしていく戦略バトル。ワンヒットバトルなどなど……………色々なルールがあるのだ。


そして、今回俺がルールを決めた10分制総ダメにおいてはハメ技がある。

それは魔連と呼ばれる物なのだが…………とりあえずそれを改良したのがこちらだ。


まず、ババルゲの腹を思いっきり蹴りつける。


「うグっ」という気持ち悪い声を出したババルゲには気にも止めず、仰向けになったババルゲの顔を踏みつけ……………腹に向かって、無詠唱で火属性最下位の『ファイヤバレット』を撃ち続ける。


傍から見ればとても鬼畜のように見えるかもしれないが、これは立派な戦略だ。


顔を踏みつけたのも、顔に向かってファイヤバレットを連射するのは心苦しいという俺の寛大な心によるものなのだよ。


バッバッバッバっと心地よいリズムで連射されていくファイヤバレット。これはゲーム内でもよく使われた技であり、大抵初見対応は出来ない。


まぁゲーム内では踏みつけるなんていうことは出来なかったので、サウンドバレットという気絶効果付きの魔法を連射していたのだが。

更にこのファイヤバレット、何とクリティカル率50%という脅威の数値を誇る。


但し詠唱時間に問題があったため、ゲームではあまり使われなかったのだが………………今は無詠唱を使えるため、秒間約14弾が放たれ、ババルゲの腹を撃ちつける。


そしてついに9分40秒が経過した。


「なぁ、ババルゲ。テメェさっき俺のリアに売女とかほざいてたが………………覚えとけ!リアはまだ…………処女だ!」


そういって俺は、最後にありったけの力でババルゲの()()を蹴りつける。

その時、ダメージ量表示に『Critical!』という文字が現れ……………俺は、勝利の拳を天に向けた。


『試合判定。ナノシア・エメラルド。総計被ダメージ0。秒間被ダメージ0。

ババルゲ・バルゲゲ。総計被ダメージ3.074.561.324。秒間被ダメージ5124269。よって、ナノシア・エメラルドの勝利となります』


俺の前に、そんなシステムメッセージのようなものが現れ、ついでにファンファーレがなる。

観戦者は若干引き攣った顔をしながらも、パチパチと手を鳴らし拍手を始めた。


「フハハハハハハッ!リア、お前に売女とかほざいたクソデブは潰したぞ!お前はまだ綺麗なままだか……………ちょ、リア?ま、待って待って何でそんな顔してっ」


「この……………………………バカああぁぁぁぁ!!!!」


「グボアアアァァ?!!」



ナノシアは……………天へと舞ったのであった…………………ガクッ






どもるなるなです。今日は若干調子がよかったのと、一応前回と今回は繋がってるので割と早く書けました。因みに、最後のCriticalについては息子という弱点を蹴られたからではなく、普通に確率によるものです。息子で確定クリティカルが出るなら、ナノシアこと主人公は遠慮なく無際限に息子を撃ち抜いてました。


あとあまり関係ないのですが、そろそろ新規の企画を始めようかと思います。

ツイッター『LuUNa RuNA』にて後日投票を行うので、ぜひご参加ください。


では、また来週くらいに更新します。毎度思いますが、基本的に戦闘シーンが適当なのはお許しを。



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