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エクスプローラー  (ドラフト)

作者: かまちゃん

 このサイトで小説を読む人の中には、

「自分も物語を書きたいけど書き方がわからない」

 そんな風に考える人もいるのではないでしょうか。かくいう私もそんな一人でした。ですが私は考え方を変えました。

「書いてみなきゃ始まらない!」

 それで自分なりに物語を書く時のテンプレを用意しました。それが「これ」です。だから(ドラフト)です。

 もしも物語を気に入ったなら、初めて物語を書く時に参考にしてみてください。

 僕はサラリーマンだ。仕事を終えて帰宅した僕はジャージに着替え、今は銭湯に向かって歩いている。

 僕は歩くときに心がけていることがある。背筋を伸ばして両手を後ろにし、笑顔を浮かべ「悠然と歩く」ようにしている。今は演技に過ぎないが、そのうち自然に身に付くだろう。そう信じている。


 銭湯に向かう途中、八百屋の前に差し掛かると、女性のキツい声が聞こえた。

「どうして自転車から降りてるの!」

 娘と思われる女の子が自転車の後部座席から勝手に降りてしまったらしい。叱責の声だった。

 僕は一瞬表情を曇らせたが考え直すことにした。もしかしたら、女の子を自転車に乗せるのにひどく苦労したのかもしれない。そういえば。子供が大人に叱られそうになっている時の対応方法を、僕は決めてあるんだった。僕はゆっくりと3メートルくらいまで近より、背筋を伸ばして腕組みをして少し首をかしげ、口角をあげて観察した。

 母親は、そんな僕に気がついたらしく、優しい声になった。

「どうして自転車から降りたの?」

 僕は興味しんしんだ。僕の好みの回答をしてくれるだろうか。女の子は屈託のない笑顔で答える。

「だって。…探検したかったんだもん!」

(ジャストミート!)

 僕は満面の笑顔になった。母親がチラリと僕を見たので、僕は会釈し銭湯に向かって歩き出した。


 どうしても気になって振り返ると、自転車を押して歩いている母親の背中が見えた。女の子は隣でスキップしていた。僕は、他人の目を気にせずに、大声を出して笑った。


(ドラフト)


===========================


【説明】

 日本の学校教育では「起承転結」という考え方を説明されます。個人的には、この起承転結というテクニックは「かなり歯ごたえがあります」。

(難しいという言葉を使いたくないので、あえて歯ごたえと表現します)

 起承転結は物語に向いています。一方で、調査レポート、マニュアル、契約書には向いていません。そのため、仕事でいくら文章を書いたとしても、起承転結の書き方の練習にはなりません。


 驚くべきことに「プログラミング」は、起承転結に考え方が近いです。仕事でプログラミングをしている人は、一度、物語を書いてみてください。プログラミングはメインロジックから書きますよね?詳しく書く必要はありません。ドラフトのつもりで書きます。


 起承転結の「転」について「視点変更」「話題転換」だと理解なさっている方もおられるかと思いますが、私の理解はまったく違います。「転」とは物語の山場。クライマックスです。プログラムにおけるメインロジック。だから最初に書いてください。「転」が面白いと感じるなら採用。面白くないと感じるならボツです。それから「転」の中にも起承転結っぽく見える部分があります。正常ですから安心してください。プログラミングでもメインロジックの中に準備だったりサブロジックのコールがありますよね?


 次に書くのは「結」です。これが読後感を大きく左右します。そのため細心の注意が必要です。長々と文章を書くことは出来ません。頑張って削ってください。


===流れ===

1.「転」をドラフトのつもりで書く。面白くない→ボツ。

2.「結」を書く。余韻がたなびく→オーケー。ぶっつり終わる→書き直し。

3.「起」と「承」を書く。「転」に繋がる→オーケー。

========


 「転」と「結」さえ書ければ、「起」と「承」を書くのは苦にならないでしょう。違和感が無いように、パズルのピースを埋めるだけです。


この物語を起承転結に分解しましたので参考にしてください。

「書いてみなきゃ始まらない!」


==起==

僕はサラリーマンだ。仕事を終えて帰宅した僕はジャージに着替え、

今は銭湯に向かって歩いている。


==承==

僕は歩くときに心がけていることがある。

背筋を伸ばして両手を後ろにし、笑顔を浮かべ「悠然と歩く」ようにしている。

今は演技に過ぎないが、そのうち自然に身に付くだろう。そう信じている。


==転==

  =起=

  銭湯に向かう途中、八百屋の前に差し掛かると、女性のキツい声が聞こえた。

  「どうして自転車から降りてるの!」

  娘と思われる女の子が自転車の後部座席から勝手に降りてしまったらしい。

  叱責の声だった。

  =承=

  僕は一瞬表情を曇らせたが考え直すことにした。もしかしたら、

  女の子を自転車に乗せるのにひどく苦労したのかもしれない。

  そういえば。子供が大人に叱られそうになっている時の対応方法を、

  僕は決めてあるんだった。僕はゆっくりと3メートルくらいまで近より、

  背筋を伸ばして腕組みをして少し首をかしげ、口角をあげて観察した。

  =転=

  母親は、そんな僕に気がついたらしく、優しい声になった。

  「どうして自転車から降りたの?」

  僕は興味しんしんだ。僕の好みの回答をしてくれるだろうか。

  女の子は屈託のない笑顔で答える。

  「だって。…探検したかったんだもん!」

  (ジャストミート!)

  =結=

  僕は満面の笑顔になった。母親がチラリと僕を見たので、

  僕は会釈し銭湯に向かって歩き出した。


==結==

どうしても気になって振り返ると、自転車を押して歩いている母親の背中が見えた。

女の子は隣でスキップしていた。僕は、他人の目を気にせずに、大声を出して笑った。


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