木曜日に桜の木の下で
更新が遅れてしまい申し訳ないですm(_ _)m
翌木曜日は、僕も鈴羽も休みなのでどこかに出かけようということになった。
……かと言って、さてどこに行こうかな?
「ねぇ皐月君、桜見にいかない?」
「桜?」
「うん、ほら去年行った花火大会の河川敷って桜の木が沢山あったじゃない?」
「あ〜、そうだね、うん。じゃあ桜見に行こうか」
朝の柔らかい日差しの中、僕を見て笑う鈴羽はやっぱり美しかった。
「ん?どうしたの?」
「え、うん、鈴羽はやっぱり綺麗だなぁって」
「ふふっ皐月君のために努力してるからかな」
キッチンで洗い物をしていた僕に抱きついてそう言う鈴羽もやっぱり美しかった。
「ありがと」
「ふふふ、どういたしまして」
柔らかな身体をそっと抱きしめて軽く唇を重ねる。
「よしっ!気合い入れてお弁当を作るよ!」
「あ〜、はい、ヨロシクお願いします」
ぺろっと舌を出して頭を下げてからソファでくつろぐ鈴羽さん。
いつもながら手伝う気は全くないらしい。
以前、張り切って手伝ってくれてびっくりするほど捗らなかったのがショックだったらしい。
そんな鈴羽にコーヒーを淹れてあげ僕はキッチンで何を作ろうか考える。
「ねぇ、鈴羽?パンとごはん、どっちがいい?」
「え〜っ、皐月君の作るのならどっちでもいいよ」
「強いて言うなら?」
「う〜ん、どっちも」
そんな可愛い顔をして言われると……どっちも作っちゃうよ。
「よし、完成っと」
「出来た〜?」
「うん、ばっちりだよ」
「何を作ったのかなぁ〜」
「それはお昼のお楽しみということで」
僕はバスケットを持ってリビングの鈴羽に見せる。
「そっか、うん。楽しみにしとこっと」
「うん、お楽しみに」
顔を見合わせてふふっとお互いに笑って玄関に向かう。
「「いってきます」」
外はいい天気で、雲ひとつない青空が広がっている。
「ちょうどいいくらいの暖かさだね」
「そうね、長袖だとちょっと暑いかも」
今日の鈴羽はスリムジーンズに黒い長袖の薄手のニットだ。
「川の方に行くからちょうどいいんじゃないかな」
鈴羽の愛車に乗って、河川敷に向かう。
久しぶりに来る河川敷は、びっくりするくらいに桜が満開だった。
平日のお昼間ということもあり人出はそれほど多くなかったけど、多分近所の人なんだろけどお花見をしていた。
「うわぁすごいね!かなり向こうまで全部桜なんだ」
「ほんと!向こう岸も全部桜よ!」
まるで川が桜のトンネルをくぐっているような、そんな景色だ。
駐車場も桜に囲まれていていったいどれくらいの桜があるのか想像もつかない。
桜のトンネルを鈴羽と手を繋いで歩く。
そよそよと吹く風が気持ちいい。
「見て!皐月君!すっごい大きな桜があるよ!」
「うわぁ!ほんとだ!」
河川敷の川縁に立つ一際大きな桜の木。
周りの桜の木とは全く大きさが違う。
豊かに生い茂った枝に多くの花をつけて雄大にそびえる様はまさに絶景だ。
「すごいね……」
「うん……」
あまりの絶景に言葉が出ない。
「ねぇ皐月君」
「うん?」
「また……来年も、再来年も、ずっとずっと一緒に見に来ようね」
「うん、そうだね。いつか僕らの子供にもこの桜を見せてあげたいね」
「……僕らの子供……」
鈴羽は目をパチクリさせてから真っ赤になってうつむいてしまう。
「あ〜、いや、その、ね?そのうちにね?」
僕も自分で言っておきながらドギマギとしてしまった。
お互いに何とも言えない顔を見合わせて、ふふふっと吹き出してしまった。
「そうだね、まだ先だろうけど……私達の子供と一緒に来たいね」
「うん」
繋いだ手を少しだけ強く握り、僕はすぐじゃないだろうけど、そう遠くない未来に想いを馳せた。
「そろそろお昼にする?」
「うん、皐月君が何を作ってくれたのか気になるし」
大きな桜の木の下で僕はビニールシートを広げてお昼の用意をする。
「さて……こんな感じで作ってみました」
「ん?えっと?何?」
「これはね、自分で作るハンバーガーです」
「自分で作るハンバーガー?」
「そ、こっちが中の具ね、でこっちがパンズとライスバーガー用ね」
僕が用意したのは、ハンバーガー用のパンとライスバーガー用の平たく焼いたライス。
あとは具を色々と。それにケチャップとマヨネーズにマスタード。
以前何かの番組でピクニックに行くのに作ってたのを思い出して即席で作ってみた。
「確かに……パンとごはんね」
「でしょ?」
鈴羽はパンにハンバーグや卵、ハム等々を挟んでいる。
「あははは、何?これ面白い」
「ははは、それちょっと欲張りすぎじゃない?」
某ハンバーガー屋さんのビッグなヤツより分厚いハンバーガーにかぶりついて楽しそうな鈴羽。
僕もライスバーガーを作ってかぶりつく。
ひとしきり1時間くらいそうやってハンバーガーを作って食べて笑ってはしゃいだ。
「お腹いっぱい〜」
「僕もちょっと食べ過ぎたかも」
シートに2人で寝転んで頭上の桜を見上げる。
そよそよと吹く風が僕らを優しく包んでくれる。
目を閉じたら寝ちゃうよなぁって思い隣を見ると、鈴羽は気持ちよさそうに目を閉じていた。
風がサラサラの髪をさらっていく。
フワリと漂う鈴羽の香りを感じる。
桜の木の下、僕はそんな鈴羽の寝顔をいつまでも眺めていた。
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