六十四杯目 尊くんは天才画伯!
晴天の日が続き、夏に近づいている暑さ。
でもそんな暑さを負けずに私達は準備をしていた。
すると一人の男の子が元気よくカフェに入ってくる。
「あきら姉ちゃん!よっ!」
「あれ?尊くんじゃない!どうしたの?こんな朝早くから」
「ここで宿題をやるんだ!」
「宿題?」
「何でもいいから絵を描く宿題!」
「へぇー!そんなんだ!偉いね」
「えへへ」
「そんな偉い子には飲み物をサービスしないといけないね!何がいい?」
「やった!俺、オレンジジュースがいい!」
「ちょっと座って待っててね!今、オレンジジュースもってくるから!」
「はーい」
そう言うと尊くんは座って自分が持ってきた紙と黒のマーカーと図鑑を用意し、早速、図鑑を見て何を描こうか考えていた。
すると何か描き始めるのだった。
「お待たせ!オレンジジュースだよ!」
「ありがとう!見て!くじらを描いたよ!」
「へぇー!上手く描けたね!味があっていいよ!」
「今度は俺の好きなものを描く!」
「何が好きなの?」
「ネコザメ!可愛いんだ!」
「たしかに可愛いよね!」
「うん!」
「尊くんは本当に絵が好きなんだね!」
「うん。だって俺ね。賞をもらったことがあるんだ!」
「へぇー。それは凄いね!」
「俺、画伯だから!」
「難しい言葉知ってるね!」
「うん!先生がそう言ってくれたんだ!」
「それはいい先生だね!」
「うん!」
尊くんは嬉しそうに頷いた。
「尊!こんなところにいたのね!」
尊くんのお母さんがやってくる。
「あ!ママだ!」
「あ!百合子さん。おはようございます。」
「おはようございます。もう心配したじゃない!」
「ごめんなさい」
「もう!いきなり宿題をやるって言って出ていくからびっくりしちゃった」
「えへへ」
「でも良かったわ!あきらさんがいてくれて」
「いえいえ。そんな。尊くんって絵を描くの上手ですね!」
「絵の宿題、やってたの?ありがとうございます。誉めてもらって」
「賞ももらったみたいで凄いですね!」
「いえいえ。ありがとうございます。じゃあ、尊も見つかったことだし、私は家に戻ります」
「えっ?もう帰られるんですか?」
「尊とあきらさんの邪魔はしたくないのでまた来ますね!」
「すみません!またお待ちしております」
「ありがとうございます。尊!お昼までには帰ってくるのよ!」
「はーい」
「あきらさん、尊のこと、宜しくお願いします」
「分かりました」
そう言って百合子さんは帰っていった。
「いいお母さんだね!」
「うん!」
「あきら姉さんも何か描いて!」
「うん!いいよ!」
「やった!じゃあ俺、トビウオを描く!」
「私はチンアナゴを描こうかな?」
そう言って私たちは白い紙に絵を描くのだった。




