六十杯目 あきらちゃんが花嫁候補?鮫塚さんの息子、登場!
私が花嫁候補!?
それは休日のカフェでの出来事でした。
私は朝早くから出勤し、美桜さんから注文した花の手入れをしていた。
「ここの葉っぱ、枯れてるなぁ。取ろう!」
花をいじっていると心が落ち着くのだった。
そんな感じで花の手入れをしていると後ろから声をかけられた。
「あきらちゃん!」
後ろを振り返ると常連客の鮫塚さんがそこにいた。
「こんにちは。鮫塚さん」
「朝から精が出るね」
「はい」
「あきらちゃんは花が似合うね!一瞬、花の妖精かと思ったよ」
「あはは。ありがとうございます。今日もお仕事ですか?」
「いや。今日はオフだから来ちゃった!」
「そうだったんですか。来てくださってありがとうございます」
「いやいや」
「中にお入りください。今、コーヒーを用意しますね」
「いいよ!仕事中だったんでしょ?おかまいなく」
「いえ。もう終わりましたので大丈夫ですよ!」
「じゃあ。お言葉に甘えて。いただこうかな?」
「はい。お掛けになってお待ち下さい」
「失礼します。コーヒーになります」
「ありがとう。あきらちゃん!」
「いえいえ」
「あ、そうだ!すっかり忘れてた!実はもう一人、ここにくるんだよね」
「誰ですか?」
「それはね・・・おっ!噂をしたら来た!」
「ごめんください」
「あ、はーい」
私はカフェの扉を開ける。するとそこには初めて見る好青年のお客様が立っていた。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは。あの。ここに父がいるはずなんですが」
「父?あ、もしかして鮫塚さんの息子さんですか?」
「はい。そうです」
「あ!そうだったんですね。どうぞ。お入りください」
「ありがとうございます」
「おー!護!やっときたか!」
「突然、カフェに来いっていうからびっくりしたよ」
「すまんすまん。あきらちゃん。息子の護です」
「はじめまして。鮫塚護と言います。」
「はじめまして。剱崎あきらと言います」
「可愛くて素敵な女性だろう?あきらちゃんは俺の天使だから」
「はい。確かに」
「あ、ありがとうございます」
「お茶目な父ですみません」
「いえ」
「あきらちゃん。コーヒーをもう一杯お願いね!」
「はい。分かりました」
私はカウンターでコーヒーをいれ始めるのだった。
護さんかぁー。鮫塚さんと違って落ち着いている感じの人だけどいい感じの人だよね。
「お待たせしました。コーヒーになります」
「ありがとうございます・・・美味しい」
「だろ?あきらちゃんのコーヒーは飲みやすいだろう?」
「はい。凄く飲みやすくて気に入りました」
「ありがとうございます」
「あきらちゃんはコーヒーと紅茶をいれるのがうまいだけじゃなくて接客のプロでもあるし、あと子どもやお年寄りにも好かれている。そして何より真面目で礼儀正しいし、素敵な女性だよ!」
「鮫塚さん、誉めすぎですよ」
「ところであきらちゃん!」
「はい」
「護のお嫁さんになってくれない?」
「えっ?」
「と、父さん。何をいきなり!失礼だよ!」
「正直な気持ちを言っただけだ」
「あきらさんが困っているじゃないか!すみません!」
「あ、いえ」
「で、どうなの?あきらさん」
「えっ?」
「護のこと、どう思う?」
「えーと・・・いい人だと思いますし、素敵な人だと思います」
「だったらいいじゃん?護はどう思う?」
「父さん!」
「嫌なの?」
「嫌ではないですけど・・・」
ちらっと護さんは私を見る。
私は恥ずかしさのあまり、目をそらしてしまう。
「あきらさんみたいな素敵な女性はきっと彼氏とかいますよ!」
「えぇー。そうなの?あきらちゃん!」
「・・・はい。います」
「ほら、やっぱり!」
「でも未来は分からないよ」
「父さん!」
ー未来は分からない
私はその言葉に悲しみと不安を覚えるのだった。
「父さん。今日は帰りましょう!」
「えっ!もう?」
「いいから。お会計、お願いします」
「あ、はい!」
そう言って護さんはお会計を終わらせると私に謝罪する。
「またあらためて謝罪に来ます!本当に申し訳ありません」
「そんな謝罪だなんて。私は大丈夫ですから」
「しかし」
「だったらまた来てください。それで十分です」
「分かりました。あきらさんがそこまで言うならまた来ますね」
「ありがとうございました。またお越し下さい」
そう言って護さんと鮫塚さんは行ってしまうのだった。
ー未来は分からない
その言葉が私の頭をまたよこぎるのだった。
そうだよね!未来は分からない。
私と雅人さんの未来なんて!
そう考えたら涙が出てきた。
「いけないなぁ」
そう言って涙をぬぐって仕事に戻るのだった。




