五十九杯目 素直になりたい
なんで素直になれないんだろう?
私はこのカフェの常連客の女子高校生。
私には密かに憧れている人がいる。
それはいつも笑顔でお客さんと接しているあきらさんだ!
優しいし、素直だし、私に足りないものを沢山持っている。
どうしたらあきらさんのように素直になれるんだろう?
それが凄く知りたい。
今日、相談してみようかな?
「あきらさん」
私は勇気を持って花の手入れをするあきらさんに声を掛けた。
「あら?有希さんじゃない!どうしたの?」
「実はあきらさんに聞きたいことがあって」
「私に?どうしたの?」
「あの!どうしたらあきらさんのように素直になれるんでしょうか!教えてください!」
「えっ?素直に?」
「はい」
「・・・・・・・」
あきらさんはちょっと考えてしまう。
さすがに失礼だったかな
私が心配そうに見つめているとあきらさんはニコッと笑い、私に優しく言葉をかける。
「何かあったんだね」
「は、はい」
私は思わず「はい」と言ってしまうのだった。
「良かったらカフェに入って!紅茶、いれてあげる」
「あ、ありがとうございます」
そう言われてカフェに入るのだった。
カフェに入るとあきらさんはさっそく紅茶をいれてくれるのだった。
「お待たせしました。桜のジャムが入った紅茶です」
「ありがとうございます。凄く美味しいです」
「それは良かった。有希さんはどうしてあんな質問をしたの?」
「実は私、同じ高校に仲のいい男友達がいるんですけどだんだん関わっていくうちに異性として意識してしまって」
「それってつまりその男友達を好きになってしまったのね?」
「はい。でも素直になれない自分がいて。この前、誕生日にプレゼントをもらったんです。とても嬉しかったのにわがままに言ってしまったんです」
「そうなんだ」
「私、ひどい女ですよね」
「そんなことない。仕方ないよ!恋をするってことはそういうことなんだよ」
「・・・・」
「恋をしてなかなか素直になれる人ってなかなかいないと思うよ!ドキドキのせいでギクシャクしてしまったり、相手を傷つけてしまうこともある。でもそこで自分が気づけるかが重要だと思うよ!」
「あきらさん」
「別に無理に可愛く振る舞おうとしなくていいんじゃない?有希さんらしく元気で明るく振る舞ったほうがその男友達も喜ぶと思うよ!」
「そうですかね」
「有希さんを大切にしてくれる人ならきっとそうだと思うよ!」
「そうですよね。ありがとうございます。私、大切なことを忘れていました」
「それは良かった」
「あきらさんのおかげで元気になりました。後は自分でよく考えてみます」
「それがいいね」
「はい」
そう言って彼女が嬉しそうに紅茶を飲むのだった。
数日後、有希さんが幸せそうに男友達と登校するのが見えた。
その男友達も隣に有希さんがいて幸せそうだった。
有希さんの恋が上手くいくといいな。
そう感じながら私はその足でカフェに向かうのだった。




